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第13号 わかりにくい「食物アレルギー」について理解しよう!

おほしさまの先生からの子育て応援“談”!

第13号 2006年5月

 

■わかりにくい「食物アレルギー」について理解しよう!

 

この原稿を書き始めて2年目を無事に迎えることができました。これも紙面を通じて支援してくださっている方々のおかげと感謝しております。本音を言うと原稿の締め切りが近づくとパソコンの前で「ああでもない。こうでもない。」と悩んでいる私ですが、これからも皆さんの興味を誘うテーマとわかりやすい内容を心がけていきたいと思っております。また読者の皆さんからの率直なご意見・ご感想をいただけたら幸いです。今月から2回にわけて私が専門としている食物アレルギーについて取り上げます。今月は「背景と症状」来月は「診断と治療」についてお話します。

 

★手引書が簡単に入手可能!

 

皆さんもご存知の通り、最近は小児のアレルギー疾患が増加してきています。特に除去食をおこなっている保護者の方は食事について非常に気をつかっていることと思います。お医者さんの考え方によって診断や治療に幅があり、行き過ぎた除去食で栄養障害に陥ったりする例もあり、時に保護者の方が混乱するため、統一したものが求められていました。これを受けて、「食物アレルギーの診療の手引き2005」(ホームページで入手可能です。日本アレルギー協会http://www.jaanet.org/medical/guide.html)が作成されました。今回はこれを基に書かせていただきました。

 

Q.食物アレルギーって何?

 

A.「原因食物を摂取した後に免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状(皮膚、粘膜、消化器、呼吸器、アナフィラキシーなど)が惹起される現象」が食物アレルギーの定義になります。簡単に言いますと、食中毒のような毒によるものではなく、食べ物自体が原因で体に発疹がでたり、下痢をしたり、呼吸が苦しくなるような症状が起こったものです。はじめて卵を食べたら全身に発疹がでたというのはよくある例です。

 

Q.どんなタイプ(分類)があるのですか?

 

A. 大きく4つに分かれます。わかりやすく以下の表にまとめてみました。

 

 タイプ 年齢 原因食物 症状
食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎乳児卵、牛乳、小麦など皮膚が赤くなる
即時型症状乳児〜大人乳児から幼児:卵、牛乳、小麦など
学童から成人:、甲殻類(カニ・エビなど)・魚類・そばなど
じんましんや呼吸器症状(呼吸困難、せき、喘鳴)
新生児消化器症状新生児牛乳(粉ミルク)血便・下痢など
特殊型食物依存性運動誘発アナフィラキシー小学生〜大人小麦、エビ、イカ運動した後に、発疹や呼吸症状
口腔アレルギー症候群幼児〜大人果物や野菜など口の中のかゆみ

 

上の2つのタイプは頻度が多く、ほとんどのケースがこれらのタイプです。

特殊型の一つである食物依存性運動誘発アナフィラキシーは小中高校生でたまに見られます。給食のパンを食べた後の5時間目の体育で運動をして突然倒れてしまったというケースが当てはまります。食事をして2時間前後で症状がでることから、学校の先生方にもこのようなことを理解していただき、配慮していただけたら幸いです。

 

Q.頻度はどのくらい?

 

A. 乳児期には約10%、3歳児で約5%、学童期で約2%の頻度です。だんだんと成長するにつれて頻度が減ってきますが、大人になっても症状が出る方はいます。

 

Q.どんな症状がでるのでしょうか?

 

A.約9割が皮膚にみられる症状で発赤、じんましんがあります。それ以外には、口がかゆくなったり、くちびるが腫れてきたり、吐いたり、下痢がみられたりします。一番怖いのはアナフィラキシーといわれる皮膚・呼吸器・消化器など全身に症状が現れ、時に血圧低下などのショック症状に陥ることがまれにあります。呼吸困難を伴う場合は迅速な対応が大切です。

食物アレルギーは他の病気と違ってわかりにくい病気の一つだと思います。「食物アレルギーの診療の手引き2005」は図や表でわかりやすく書かれていますのでもう少し深く知りたい方はどうぞご覧下さい。

 

来月は「食物アレルギー:診断と治療編」についてお話します。