ホーム > 院長コラム > 平成20年10月号(Vol.42)赤ちゃんの栄養〜母乳とミルク〜Part2
おほしさまの先生からの子育て応援“談”!
Vol.42 赤ちゃんの栄養〜母乳とミルク〜Part2
運動会や遠足など子どもたちにとって楽しい秋がやってきましたね。お弁当づくり大変かと思いますが、美味しいものをつくってあげてください。
8月末に外来小児科学会で勉強してきたことをお話します。以前この欄でも取り上げた「ヒブ(Hib)ワクチン」が今秋より開始される予定でしたが、最終調整がつかず「年明け」だと報告されました。「日本脳炎ワクチン」については、新型ワクチンの開発が1〜2年後の予定ということです。そのため「旧型の日本脳炎ワクチン接種の推奨」が引き続き学会で提言されていました。
さて、先月は「母乳育児成功のための10カ条」を取り上げて、特に出産後30分以内の授乳、母子同室、糖水をあげないことが大切であることを述べました。今月も母乳についてお話します。
母乳が足りているかどうか心配なときは?母乳が足りているかを悩み、ついつい自分だけの判断で粉ミルクを足すことを考えてしまいます。そんな時には、母乳育児に理解のある専門家に相談をしましょう。母乳育児では、赤ちゃんがどのくらい飲んでいるかの量がわからないため、粉ミルクと比べると不安になります。「飲めていないかも?」と不安な時は赤ちゃんのおむつの替えの回数をみるのが手軽です。1日6〜8回程度おしっこがでていたら問題ありません。赤ちゃんが欲しがるようなら授乳した30分後でも飲ませてください。とても飲みたい時期には1日12〜15回欲しがるときもあります。
授乳のときの2つの大事なポイントとは?
母乳育児がうまくいかないときには、授乳の姿勢(ポジショニング)と赤ちゃんがきちんと乳房に吸い付けているか(ラッチ・オン)の2点がとても重要だと言われています。授乳時は母親がリラックスしていること、赤ちゃんの体と頭が乳房に向き合って密着していることなどをみてください。乳頭が痛くなったり傷がついたりしたときもポジショニングとラッチ・オンがうまくできていないときに起こると言われています。
母乳はいつまであげていいの?
世界保健機関(WHO)では生後6か月間は母乳だけで児を育て、その後も「2歳かそれ以上まで母乳育児を続ける」ことを勧めています。日本で第二次世界大戦中に日本の農山漁村で行われた調査によると、子どもの乳離れの完了は平均2歳で、3〜9歳まで飲んでいた子もいたそうです。また、母乳育児による研究もでてきており、感染症予防効果、認知機能が高まる効果、肥満を予防する効果があると言われています。そのため母親が働き始めるからとか、保育園の先生からやめるように言われたからなどの理由で母乳育児をやめる必要はありません。母親が母乳育児を続けたい気持ちがあれば、続けてください。働きながら母乳育児を続けるためには「出勤直前と直後に直接母乳を行う」、「必要に応じて職場で搾乳をする」、「楽に授乳・搾乳できる服を着る」、「適度な休養をとる」、「保育園でお迎えの直前にはなるべく授乳を控えてもらう」などの配慮が必要です。そうそう、我が家でも妻が仕事復帰してからも母乳育児を続けていました。
母乳育児は太古の昔から続いていますが、これは周囲の人からやり方を学び、支援を受けてきたからこそ続けることができました。現在、情報が氾濫していて、育児法がたくさんあり、混乱しています。情報(説明書)だけで育児ができるのでしょうか?答えは「ノー!」です。夫、祖父母、兄弟、助産師、保健師、看護師、小児科医などの信頼できる人と一緒に母乳育児をしてください。これは育児全般にも言えることです。(参考)
シリーズ〜私の子育て5〜
来月は「赤ちゃんの栄養〜母乳とミルク〜Part3」です。