ホーム > 院長コラム > 2008年 > 平成20年11月号(Vol.43)赤ちゃんの栄養〜母乳とミルク〜Part3
おほしさまの先生からの子育て応援“談”!
Vol.43 赤ちゃんの栄養〜母乳とミルク〜Part3
秋が深まり、紅葉がきれいな時期になりました。休日には家族で紅葉狩りなどはいかがですか。さて最近気になったニュースは、「こんにゃくゼリー」による死亡事故です。これを食べてのどに詰まらせて子どもや高齢者の死亡事故がこれまでに17人いたと報道されました。ようやく製造中止になり、多くの犠牲者がでないと製造中止にできなかったのかと憤りを感じています。
11月に入り、私たち小児科医はインフルエンザワクチンの接種で忙しい季節となっています。今年もインフルエンザワクチンをしようと思っている人も多いはずです。ワクチンをすれば、インフルエンザウイルスに対する免疫(抗体)が高まり、インフルエンザにかかりづらくなりますし、かかったとしても重症化が防げるとも言われています。乳幼児である小さなお子さんほどインフルエンザワクチンをしていただきたく思います。もっと知りたい人は、国立感染症研究所のホームページ
(http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAgen01.html)がたいへん参考になりますのでご覧ください。
これまでの2回シリーズで「母乳」の話をしました。今月は「粉ミルク」の話をします。粉ミルクは主原料が牛乳で、母乳の成分に近づけるように作られて、その成分は国で規定されたものになっていますので、どのメーカーのものでも成分に違いはありません。
調乳方法が変更されました!
昨年6月、粉ミルクの調乳法についてWHO(世界保健機関)から「調乳ガイドライン」が発表されました。
1)粉ミルクを調乳するお湯は沸騰させてから70℃以上(今までは40〜50℃)にまで冷まして使用しましょう。やけどには十分に気をつけてください。
2)調乳後、哺乳瓶を流水にあてるか冷水の入った容器に入れて軽く振り、腕の内側に少量のミルクをたらしてみるなどして、必ず体温くらいに冷めていることを確認してから授乳してください。
3)調乳後、2時間以内に使用しなかった粉ミルクはすべて廃棄してください。
この3点が大きな変更点ですので参考にしてください。
牛乳はいつから飲ませていいの?
健診をしていて、ミルクではなく牛乳を主に飲んでいる0歳台の赤ちゃんの話を聞き、驚くことがあります。牛乳は粉ミルクと比べて鉄とその吸収を促進するビタミンCがあまりなく、0歳台から飲ませ続けると、鉄欠乏性貧血や精神運動発達の遅れを招く可能性があると言われています。厚生労働省から昨年4月に発表された「授乳・離乳の支援ガイド」によると満1歳になるまで牛乳を飲ませないように書かれていますので気をつけてください。ただ、料理で使用する程度の量であれば問題ありません。
フォローアップミルクはいつごろからあげた方がいいのですか?
フォローアップミルクは生後9か月頃から3歳頃までに適し、この時期に必要な栄養素を配合し、特に牛乳や離乳食では不足しがちな鉄分が強化されています。粉ミルクからフォローアップミルクに変更する時期が気になりますが、生後9カ月すぎて、フォローアップミルクに変更しても構いませんが、離乳食が順調に進んでいれば、強いて粉ミルクから変更する必要はありません。また、生後9カ月以前だと、高蛋白質による腎臓への負担が大きくなりますので、早すぎもよくありません。
粉ミルクと言えば、中国での粉ミルクに「メラミン」混入し、騒動が続いて、乳幼児に腎臓結石の健康被害がでて騒がれています。実は以前日本でも同じようなことがありました。1955年に「森永ヒ素ミルク中毒事件」が起こり、製造過程でヒ素が混入し、130名以上の乳児が亡くなりました。製造メーカーには今後も安全な粉ミルクを作ることを徹底してもらいたいです。
シリーズ〜私の子育て6〜
来月は「離乳食(補完食)について」です。