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平成21年6月号(Vol.50)
緊急特集「新型インフルエンザについて〜今わかっていること〜」
今年4月、メキシコでの新型インフルエンザの発生が報道され、すごい勢いで世界中に広がっています。
本来であれば乳幼児健診についての号でしたが、ちびっこプレスの編集部から「新型インフルエンザについての特集にしてほしい」との要請がありましたので、変更させていただきました。皆さんも何か取り上げてほしい話題がありましたらぜひ編集部までご一報ください。
歴史から学ぶこと
インフルエンザの記録は紀元前のヒポクラテスの時代からあり、昔から流行を繰り返してきました。20世紀はスペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜ、ソ連かぜの4つの大流行(パンデミック)を経験しました。今から30年前に起こった「ソ連かぜ」の後、大流行はなく、いつ起こっても不思議がないことは歴史から知ることができます。
インフルエンザの研究は進歩している
ここ10年でインフルエンザの研究は目覚ましく、迅速検査ができるようになりました。特効薬(タミフル・リレンザ)が開発され、加えてワクチン技術の向上もあり、以前と比べて対応がしやすくなってきました。とはいえ、インフルエンザを撲滅できたということではなく、非常に脅威であることに変わりありません。
新型インフルエンザとは
新型インフルエンザとは過去にヒトが感染したことのない新しいタイプのインフルエンザのことです。感染のしかたは「飛沫感染」と「接触感染」の2通りあります。「飛沫感染」は感染した人の咳・くしゃみ・つばなどとともに放出されたウイルスを吸い込むことによっておこります。約2メートルは飛ぶと言われています。また「接触感染」は、感染した人がくしゃみや咳を手で押さえ、その手で机やドアノブなどに触り、ウイルスが付着し、それを健康な人が触れることで目、鼻、口に入り感染するものです。症状は、咳・鼻水・突然の高熱・全身のだるさ・頭痛・筋肉痛などで、今までのインフルエンザと変わりません。治療法は、抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)です。今回のウイルスは弱毒性と言われ、軽症例が多いと言われていますが、ウイルスがさらに変異したときは強毒性になり、重症化することもあるので安心もできないのも事実です。
かからないようにするには
人混みの多いところにむやみに行かないようにしたり、うがい、手洗いを行なうことです。
大流行(パンデミック)になるのは必至!
現在、ヒトからヒトへの感染が2カ国以上で起きている状況を意味する「フェーズ5」という段階で大流行一歩手前です。世界的に流行する状況を意味する「フェーズ6」の段階になるのは時間の問題だと思います。みなさんもとても不安だと思いますが、とにかく冷静に対応することが大事だと思います。
疑ったときは?
医療機関に行き、待合室などで待つことで感染が拡大するのでの、まず最寄りの保健所に「電話連絡」をして指示を仰いでください。
心がけることとしては
グローバル化された現在、広がりを止めることは困難だと思います。これから夏に向かい、一般的にインフルエンザの勢いが収まる時期でもあり、少し落ち着くかもしれませんが、秋から冬に大流行がくるかもしれません。日々最新の情報が入ってきているので、報道などで情報を得るようにしてください。知ることで感染するリスクを減らしたり、適切な治療に結びつくことができます。情報を得ることは大事ですが、必要以上に不安がる必要はありません。落ち着いて適切な対応をしてください。
ちょっと一言
4月から私のクリニックは夜間、日祭日の診療から平日・土曜日昼間の診療形態に変更させていただきましたが、時間外診療の再開へご意見を多くいただきました。6年前に時間外診療を始めたきっかけは、当時県内に小児初期救急センターがなかったためです。開業2年前よりセンター設立に向けて様々な運動をしていましたが、早期設立が困難であると感じ自分ができる範囲だけでもという思いで開業しました。その後、県内においても小児初期救急センターが設立され、当時と比較すると安心できる環境になったと思います。実際に救急対応は小児科医1人での力では無理で、多くの小児科医の力が必要です。私もそこへ参加していきます。ご理解していただけたら幸いです。
出典
感染症情報センターホームページ:http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
厚生労働省新型インフルエンザ対策関連情報ホームページ:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/