第26回全国病児保育大会 INにいがた
日時:平成28年7月17日~18日
場所:朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
テーマ:地域ネットワークの中の病児保育
主催:一般社団法人 全国病児保育協議会
保育士T
「子育て環境をとりまく現代のクルマ社会」
新潟弁で交通安全漫談 シートベルトの必要性を語る
「小児服薬支援」
各施設で様々な工夫がみられる。薬を飲まない子には「スポイトで」「グッツを工夫して声かけながら」
「薬の効能を話す」「服薬についての紙芝居や絵本を読む「パペットを利用」「抗生剤は飲みにくいので、
牛乳やヨーグルトなどに混ぜて」等
保育士の態度は子どもに伝わるので、信頼関係を築くことも大切。
チョコレート味のゼリーやコアラのマーチの中に薬を入れる。などの意見もあったが、虫歯の心配もある。
それらを利用して、そのあと どうするか などのアドバイス・ケアも大事。
保育士S
熊本からの報告「災害時に病児保育でできること」
被災地熊本からの報告。災害時、病児保育にできること。地震が少しずつ落ちついてきて、大人たちは仕事が
始まるが、子ども達は家にいること居ることになる。病保室で預かることで子ども達に笑顔が戻り、その笑顔を
見て大人達も元気にいった。
→ドリームでできること まず職員の子どもを預かることを前提とし、地域のお子さんを受け入れる。
レスパイト利用のお子さんのことも今後考えていく必要がある。
「保護者の思いに寄り添う支援とは」-保育士・看護師の役割を考えよう-
いくつかの事例発表のあと、グループ内で情報交換をした。
(例)お迎えに遅れてくる保護者への対応
・遅れてくる保護者はほぼ決まっているので、朝の診察のとき院長から直接言ってもらう。
・次に利用するときは「キャンセル待ち」になってしまうことを伝える。
保育士N
子育て支援によるまちづくりと病児保育
シンポジスト5名がそれぞれの立場から現状と課題、問題点を報告。
シングルマザーは特に子供が病気になると仕事につけないというリスクを伴う。病気があることで仕事を得る支援ができる。ドリームは町外のお子さんも利用できるが町でほかの市町村の負担も負っている。今後ほかの市町村へも支援を働きかけていくことが必要である。
保育士T
「子どもの目の病気:目から鱗が!」
目の機能は脳の発達に関係しており2~3才までに確立されるので3才までに必ず必ず検査をしたほうが良い。
視力検査より屈折検査が必要。当園でも5才児健診で弱視が見つかったが園生活で気づきにくい。検査は大事だと改めて感じた。
「うつる」を考える。
感染経路(空気感染、接触感染、飛沫感染、動物感染、植物感染など)手指衛生が大事。予防接種で予防できるものも多い。
「気になる子を持つ保護者への関わり方」
母が病児室に送ってくるがひとたび怒ると大きな声を出してひどく叱る。
→両親間でも話し合いができていない様子で母親の負担、心配も大きい。保育士が心を寄せて話し合うこと、また、子どもの気持ちも受け止め対応していく。
親御さんとどこまで信頼関係が築けるか看護師の問診も大切。特に父親の時はどのようなスタンスで母親を支えているか聞いてみる。
クリニックでは2か月問診を利用しこれからの育児の見通しを話し、その後も予防接種の時を利用して子育ての不安を解消していく。父親も診察室に入れ父親としての意識をかりたたせる。
クリニックH
「子ども虐待の早期発見の為に~CAPからの提案~」
行動の制限「~しちゃだめだよ」⇒心の有り様も制限されてしまう。
何か起きた時には「○○事ができるんだよ」という活動の提案。
子どもは安心、自信、自由の権利を持っている。⇒奪われそうになった時「やめて」と言っていいんだよ、と伝える。
CAPでは性暴力にあっている子ども達にどう対応するかを伝えている。「話をしてくれてありがとう」「あなたが悪いのではないよ」「ウソじゃないね信じるよ」「一緒に解決していこう」と寄り添ってあげる。
クリニックでは、受診している子だけじゃなくてお母さんの様子もみていきましょう。また、待合室での様子も気をつけてみる。
保育士は送迎の時の親と子の様子、言動をよくみるように。
「トキとヒトも生きている」
ヒトとトキが共存する世の中の実現。自然も心も豊かにする環境をつくっていきましょう。
保育士I
「子どもの事故予防:子どもにケガは大切!でも命はしっかり守る!」
子どもは大人の想像以上のことをやってしまう。ジェルボールを食べてしまう。お酒を飲んでしまう。ゴキブリを食べてしまうなど。危険に配慮するのは大事だが小さい時に小さい痛みを経験するのも大事。
「感染症セミナー」
保育室は感染症をキャッチボールする場。鼻をかむ練習はうさぎ組からしていくように。保育現場での医学的知識に基づいた感染症対が策展開されることを期待。
保育士A
「病児保育の過去、現在、未来を語る」宮田章子さん
約20年前病児保育室を開設。補助金もなくずっと赤字続きだったがその1年10ヵ月後補助金を経て約4年後に黒字に転ずる。現在、解決できた課題もあるがミッションとニーズが社会と共に変化していることを実感している。
「親とこの笑顔が輝く町に」金原洋治
重度心身障がい者デイケアを併設したクリニックを開業して18年目。この町で子育てができてよかったと思ってもらえる街づくり。病児保育事業は究極の子育て支援事業ではない。本来は子どもが病気になっても気持ちよく仕事を休める社会の構築が求められる。
「年齢差のある病児保育を利用する子どもたちへのアプローチ。病児保育を利用する母親の気持ちと現状」「玩具、あそびを活用した子どもとのコミュニケーション」「保育者自身が笑顔になれる秘訣」などの発表後、グループディスカッション。泣きやまない子に対して外に出て気分転換したり使い慣れたものを持ってきもらったりする工夫。泣きやまないこの母親に対して「ちょっと利用を控えて…」と言ったケースもあった。←担当者、スタッフがSOSを出せなかった環境も良くない。(職員間の連携が取れてなかった)(ずっと担当で大変)等。
保育士M
「病児保育におけるB型肝炎ワクチンの重要性」
B型肝炎は血液を介して感染。肝こう変や肝がんになる可能性。予防ワクチンは効果があるので多くの子と接するスタッフは全員がワクチン接種する必要がある。今秋から小児へのワクチン接種ができるようになっていく。
「子どもの生活習慣病」
肥満は子どもの自尊心低下につながる。健康的な生活リズムで生活する。月1回の身体測定を母子手帳の肥満曲線から出ないように気をつけて。
保育士T
「子ども食物アレルギーとヒヤリハット」
食物アレルギーのアクシデントは42%が家庭、21%が幼稚園、保育園で起きている。(配膳ミスがほとんどの原因)チームで取り組むことが大切。
「もしものときに備えて急変対応を考えよう!」
子どもと赤ちゃんの心肺蘇生を学んだ。当園でも今月末にAEDの講習があるが私たちも落ち着いて対応できるようにしていきたい。多職種連携の職場であり、自分が今できることは何か考え、日本一の病児保育室を目指していきましょう。
大会出席をうけて園長先生から…
それぞれ家族の協力を得て出てきてもらい有難かった。おそらくドリームが全国から来ている参加団体の中で一番(参加人数が)多かったと思う。帰りのバスの中でも積極的に意見発表してくれて本当に嬉しかった。学びと素敵な時間を共有できてよかったです。来年は大阪です。また皆さんと参加できたら嬉しいです。