令和5年5月号(Vol.216)
マスクバイバイ
とても過ごしやすい季節になりましたね。私は先月2日に行われた「第18回笛吹市桃の里マラソン大会」で20キロに出場しました。当日は天候に恵まれ、さらに桜と桃の花がダブルで咲き誇り、景色を満喫しながら走ることができました。1時間52分と記録も満足のいくものでした。
先月から学校でのマスクの着用の考え方について文科省から通知がありました。「マスクの着用を求めないこと」「給食での黙食を求めない」と変更となりました。いよいよ、マスク着用せずに済むようになりましたが、うちの娘(小5)に実際の学校の様子を聞くと、クラスでマスクしていないお子さんはたった1人だけのようです。もちろん、先生も着けているそうです。3年間、マスク着用を続けていたので無理もないと思います。とはいえ、給食は黙食でなくなったことで、娘は大喜びしていました。お話をしながらの食事は格別ですよね。
ゴールデンウイーク明けからは新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になります。暑くなり、熱中症が気になる季節に入りますので、マスクをはずせるお子さんが多くなることを期待します。
今月は子どものマスク着用についてお話したいと思います。
マスクバイバイ
今月は私が尊敬している山口県下関市で開業している小児科医金原洋治先生推薦の絵本について紹介します。「マスクバイバイ」(作いしもとみかよ、東京図書出版)という書籍で3月に出版されました。マスクの世界で過ごした3年間。お友達や先生の顔を見ないで過ごした子ども達。そんな子ども達のこころの声が絵本になっています。この本のあとがきには「『命』を守ることは大切ですが、子ども達の変わってしまった毎日を今一度考えてほしい。子ども達に、笑顔いっぱいの未来の扉が開かれますように。」と書かれています。本音を大きな声で伝えられない子ども達の素直な感情が描かれており、読んでいて胸が締め付けられる思いがしました。
同時にマスクとの付き合い方を再考していく必要性を感じました。
私たち大人からマスク外していきませんか?
子どもたちにマスク外していいよと言っても、大人が外していかないと難しいと思います。成長期である子ども達は顔の表情を読んで学んで大人になっていく大切な時期です。周囲の目やコロナ感染も気になると思いますが、そろそろ私たち大人、特に学校・園の先生方には率先してマスクを外していただきたいと思います。そこから、子ども達も安心してマスクを外し始めるのではないかと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。
同調圧力を気にしすぎないで
このコロナの3年間で、親も子もストレスを抱えています。マスクをはずしてもいいよと言われたものの、島国で人の入れ替わりが少ないこともあり、お互いのことを気にして生きていく国民性の中では、なかなか難しいのが現状です。そのため、集団で意見や行動を多数派に合わせるように仕向けるための無言の圧力である「同調圧力」が今回、マスクを外せずにいる原因の一つとも考えられています。同調圧力が強すぎると、マスクを外したい人も外せません。
文科省の学習指導要領の中に、学校で学んだことが子ども達の「生きる力」になってもらいたいこと、さらに「主体的な学び」について言及されていています。主体的とは「自分の意志・判断で行動する」ことを意味します。同調圧力を気にすると、主体的な学びになりません。マスク外しも主体的な学びにも同調圧力を意識しすぎないことが必要ではないかと考えます。
こころが疲れたとき
先月、日本小児科学会で国立成育医療研究センターこころの診療部田中恭子先生の話を聞いてきました。コロナ禍で親も子もこころが疲れた時の対処法として、ストレスに気づいたときのセルフケアがあり、同センターのホームページに動画がアップされているそうです。この動画は4部構成で全部みても10分で終わります。ぜひ、親子の心のケアにご活用ください。
参考文献
こころが疲れたときのリラクゼーション動画 国立成育医療研究センター