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院長コラム

令和6年7月号(Vol.230)<br>マスクの子どもたちをもっと減らそう!

2024/07/01(更新日)

 今月は梅雨が明けると夏本番です。熱中症に気をつけながら、夏を楽しみましょう。先月、恥ずかしながら夫婦げんかがありました。いつもなら互いに不機嫌になり、時間が解決してくれていたのですが、初めて、その解決に成人した子どもたちが関わってくれました。子どもが両者の言い分を聞き、仲立ちをしてくれました。子どもが成人になるとそれで終わりではなく、親を助けて(諭して)くれることがあるのだと子どもの存在の有難みに感謝しました。読者の多くの方は小さな子どもたちの子育てをして毎日疲れ切っていることでしょう。しかし、子どもが成人になったときに、思わぬところでご褒美をもらうことができます。

皆さんもこれからきっと経験できると思います。

 先月、国民生活センターから「アームリング付き浮き具」を着けて子どもが溺水した事故があったことが報告されました。2023年8月、3歳男子が「アームリング付き浮き具」を着けて、屋外のレジャープールで遊んでいて、保護者がわずかに目を離した間に溺れ、浮いているところを発見されたそうです。一時は心停止と診断され、5日間入院しました。着用方法が逆になっていると溺水しやすいことを注意喚起しています。また、アームリング付き浮き具はライフジャケットとは異なり、命を守るためのものではないことを理解すること、さらに水遊びの際は必ず保護者も子どもと一緒に水に入り、万が一の場合に備え、すぐに手を差し伸べられるように寄り添うことも大事です。毎年海・川などでの溺水事故が多く発生しています。大人も子どもも水辺での遊びではライフジャケットを着用してください。

 昨年5月から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になり、マスク着用は個人の判断が基本となりました。5類施行後、1年が経ちましたが、世間ではコロナ禍前よりもマスクを着けている方が多い印象です。大人はご自身の判断でよいと思いますが、子どもたちだけで判断させることは到底できません。今月は子どものマスク着用について考えてみたいと思います。

 

子どもたちの声を聞こう!

 国立成育医療研究センターが2023年ゴールデンウイーク中、小6から高2までの学生749名からマスクの着用について質問をしました。その結果、「室内の近い距離で人と接する可能性があるとき」は約9割の子どもが「マスクをつけている」と回答、「マスクをつけたい」と思った理由は「病気の感染対策」「安心するから」「みんながマスクをしているから」などでした。マスクを外したい理由は「不快」「会話しにくい」「集中できない」などでした。

コロナ過ではマスクをつけなさいと子どもたちに強いてきました。2023年5月から個人の判断ということになりましたが、急に子どもたちに判断をさせるのはなかなか難しく、戸惑っている子どもも多いのではないでしょうか。大人だって同じだと思います。調査結果の「みんながマスクをしているから」という思いは、本当ははずしたいという気持ちが入っていることを大人は知っておく必要があります。

 

素顔ジャパンプロジェクトについて

 私が会員でもある「ファザーリング・ジャパン」(父親の子育て支援などに取り組むNPO法人)の会員間によるメーリングリストで木舟周作さんという会員からのメールに目が留まりました。ある中学校で半数以上が炎天下でマスクをしながら徒競走などをしている現状を目の当りにし、体育や運動会でマスク着用をしないように、みんなの笑顔が見える社会・素顔の日本を取り戻すために2024年4月に「素顔ジャパンプロジェクト」を立ち上げました。

 このプロジェクトでは、『小学高学年から中高高校生の多くがマスクをはずせずにいる』『特に夏の炎天下、マスク着用で運動をさせることは虐待であると言っても過言ではない』『顔を見せるのが恥ずかしくマスクが手放せなくなってしまっているお子さんへ寄り添った対応をしてほしい』『不登校や自殺が増えているが、マスクの影響があるのではないかという懸念』などを訴えています。

最後に、5類以降、私はみんなにマスクを外してもらいため、診察以外は率先して外して来ました。2023年5月頃はマスクをつけないでいる方が少数のため、何か言われたらどうしょうとドキドキしていましたが、今は外している人が半数以上になってきているので安心しています。うちの娘(小6)のクラスは女子がほとんどマスクを着用しているようです。女子は様々な理由で外せないようです。お子さん自身が感染に心配して着用する場合は無理に外すように強いる必要はありませんが、大人はマスクを外したいと思っている子どもたちが外せるように考えてもらいたいです。成長期である子どもたちは、顔の表情を読んで学んでいることを忘れないでください。

 

参考文献

国民生活センター アームリング付き浮き具による子どもの溺水が発生!

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240522_1.html

東京くらしWEB 子供の水辺の遊びではライフジャケットを着用させましょう https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/lifejacket.html

素顔ジャパンプロジェクト https://sugao-japan.com/

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