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院長コラム

平成25年8月号(Vol.100)
今自分が思っていること ~100回を節目に~

2013/08/01(更新日)

暑い8月がやってきました。熱中症に注意しながら楽しい夏にしたいですね。富士山、バンザイ!日々表情が変わる雄大な富士山が世界文化遺産に登録されました。県民にとってたいへんうれしいニュースでした。

一方で8月15日は終戦の日です。73年前、日本はすべてを失いましたが、現在は世界で第3位の経済大国に至っています。今は携帯電話・車などを持ち、物が溢れています。しかし、子どもの貧困問題等、声をあげることができない人達の困窮した生活も現実に存在しています。少子高齢化の問題も避けて通れません。不安な点はありますが、終戦後から立ち直った日本を誇りに思いこれからの時代を前向きに生きていきましょう。今月は100回を節目に今自分が思っていることをお話します。

 

昭和の子育てと平成の子育て

昭和時代は一生懸命に勉強をして、いい会社に入り、最後まで面倒をみてもらう終身雇用という形態でした。私が子どもの時、母は専業主婦で、父は会社人間で朝から晩まで仕事をしていて会話をしたり遊んだりした記憶はほとんどありません。私は昭和時代の典型的な家庭で育ちました。

昭和時代の右肩上がりの経済成長は終わり平成になり、経済は停滞し終身雇用が終わりを告げたと言われています。現在大学卒業の4分の1が非正規雇用として採用される時代になりました。今の家庭は核家族の共働きで、パパとママが一緒に子育てをする時代です。うちも小さい頃から共働きで一緒に子育てをしてきました。私は仕事だけではなく、子育てを通じて、女性の気持ち、家庭のこと、園・学校でいろんな経験をし、幅広い人間に成長してきた感があります。同時に親としても成長してきたと言えます。夫婦で共に子育てをすることで互いに人として、親として成長することができると思います。

 幸せってどんな時に感じますか?お金がたくさんあれば幸せですか?人間の欲求ってきりがありません。子どもが授かりたくても授かれない夫婦がいる中、子どもを授かったという幸せをまず感じましょう。私は20年近く前、お金がほとんどない中で、アパートの小さな風呂に初めての子どもと一緒に入った時や子どもの寝顔をみている時になんとも言えない幸せを感じました。私の好きな言葉に「しあわせはいつも自分の心がきめる」(相田みつを作)があり、うちのトイレに貼ってあります。自分の気持ち次第で、幸せになれます

 

親がしっかりと子どもを育てる 親も育つ

 子どもは、親を中心に園や学校での生活を通して、いろいろなことを学び、大人になっていきます。子どもを育てる責任者は両親であることは言うまでもありません。

子どもに言われるがままゲーム・携帯をさせると、大人と違って子どもは調整できず1日何時間でもやります。少子化のため、兄弟げんかができず、人間と人間の触れ合う経験が少ない中、園・学校で子ども同士が思いっきり遊ぶことは人格形成の上でとても大切な経験です。小さい時から「メディア漬け」で過ごさないように、親は意識する必要があります。うちは高校生が2人いて、携帯を持たせていません。クラスで持っていない人はいないそうですが、なんとか生活できているようです。

学校では勉強ができるかで子どもを評価しがちですが、社会に出て一番大切なのは通知表の右側にある生活態度がとても大切になってきます。あいさつができる・遅刻をしない・仲間への思いやりがある等ここの部分が人間としてとても大切なことだと思います。

 

100回を書き終えて

 100回までよく書き続けたというのが正直な感想です。ネタがあまりなくとても困った時期がありましたし、診療しながら書く時間を確保するのにつらい時期もありました。文章を書くのが苦手な自分は今でも文才のなさに苦しんでいます。飽きっぽい性格の自分が休まず続けてこられたのは、文章修正や苦言も交えながらアドバイスをしてくれた妻、締め切りギリギリの原稿を温かく待っていてくれた加々美編集長・そして応援メッセージを送ってくれた読者の皆様のお陰です。本当に感謝しています。これからも県内の小児医療について情報発信していきた

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