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院長コラム

平成24年10月号(Vol.90)
メディアから子どもを守ろう!

2012/10/01(更新日)

記録的な真夏日が続いた暑い夏が過ぎ去り、ようやく秋めいてきました。 

子どもたちが毎日練習を積んできた成果を披露する運動会が開催される季節でもあります。子ども達の成長に気付く良い機会になると思います。

私事ですが、わが家にもう1人家族が増えました。先月、10年ぶりに第5子が誕生。待望の女児です。忘れかけていた子育てを再びできる幸せに出会えました。女の子を育てる経験を踏むことができ神様に感謝です。

 今月は子育てをする上でテレビ・ビデオ・ゲーム・インターネット・ケータイなどのメディアと上手につきあう方法をお話ししたいと思います。私の学生時代(20~30年前)はパソコン・ケータイがありませんでした。今はケータイを持っていますが、携帯メールはせず、もっぱら電話機能のみの使用です。最近は電車の車内で多くの人がケータイを操作していたり、子どもが歩きながらゲームをしていたりする光景をよく目にするようになりました。

 

メディア漬けになると

 テレビやゲームなどを長時間使用するメディア漬けになると、乳児期では表情がなくなる・言葉が遅れる・視線が合わない・呼んでも振り向かない、学童期では目が疲れる・頭痛の原因になる・視力低下につながる・運動不足になる・コミュニケーション能力の低下・五感が育たないなどの影響がでてくると言われています。例えば、テレビなどのスクリーンを通して自然をみても虚像ですが、外へ出て自然に触れ合うと、太陽の温もりや風を感じながら、葉を触って自然と触れることができ、五感を豊かに育んでくれます。子どもは外で遊ぶことで、自然の光・音・におい・季節を感じ五感が発達します。私たち人間は昔から自然の中で色々な体験を通じて学び、大人になってきました。

 

うちの家では

食事中はテレビをつけず、会話をするようにしています。テレビをだらだら見たりしないように気をつけています。ゲームは1日30分と時間を決めています。ただし、なかなか時間が守れず、私がブチ切れてゲームを床に叩きつけて壊した事件もあります。私自身の経験から子どもが自主的にゲームの時間を守ることは難しいのではないかと思います。2年前、一番上の子が高校に入学した時、ケータイが欲しいと強くせがまれましたが、必要性が感じられなかったので未だに持たせていません。うちのクリニックでは開業当時はテレビを設置していましたが、移転した3年前にテレビを撤去しました。待合室に絵本を置いたところ、親が子どもに本を読んだり、子どもたちが自分から絵本をみている光景が見受けられます。

 

具体的にどうしたらよいか

食事の支度の時、テレビを子守り代わりにせず、0歳代ならおんぶしたり、1歳にもなれば要らなくなった料理の道具で遊ばせたり、2歳以上なら料理を手伝ってもらうことはいかがでしょう。いつもより多少時間はかかるかもしれませんが、上手にできたら誉めると家事も楽しくなります。また、童謡などの音楽を流して一緒に歌いながら家事をするというのも良いかもしれません。

子どもは大人のまねをするものです。親はケータイを極力控えめし、ゲームがしたいときは子どもが寝てからするといった子どもに配慮することが大切です。テレビではなく、子どもが大好きな絵本の読み聞かせをするのはいかがでしょうか。子どものこころの発達にプラスのみでなく、読み手の心も穏やかになること間違いなしです。

 

最後に、メディア漬けが問題になってきたため8年前、日本小児科医会から5つの提言が発表されました。

1.2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。

2.授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめましょう。

3.すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。

4.子ども部屋にはテレビ・ビデオ・パソコンを置かないようにしましょう。

5.保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。

 

親がメディアから子どもを守るということは健全な発育には欠かせないことです。そして、親自身もメディアとの付き合い方を考える機会になるのではないでしょうか。

 

参考文献

「メディア漬け」で壊れる子どもたち 清川輝基・内海裕美 少年写真新聞社

NPO法人 子どもとメディア http://www16.ocn.ne.jp/~k-media/

 

 

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