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院長コラム

平成23年5月号(Vol.73)
前に向かって進もう!

2011/05/01(更新日)

5月に入り、ようやくスギ花粉がなくなり、ホッとしている人も多いのではないでしょうか。今年は花粉が多かったので本当につらかったと思います。私も花粉症なので目のかゆみ、鼻水、鼻づまりでたいへんでした。

予期もしなかった大地震・津波・余震による不安・原発による放射能汚染で水や食料の不安・お祝い事・祭りの自粛など日本にとって1945年の敗戦以来の大惨事となっています。一方で敗戦後の日本の復興をみると、驚異的で今では世界第3位の経済力を持っています。世界各国でトヨタ・ホンダ・日産など車が走っていて、日本の強さを感じます。敗戦後日本が経済発展した実績を考えると、震災後の復興も間違いなく早い時期に達成できると確信しています。日本人って、まじめで勤勉な国民だと思います。今、自粛のムードが漂っていますが、そろそろ暗い気持ちなどを吹き飛ばし、前を向き生きていきましょう。

 今回、地震と津波による被害だけでなく、原発事故が大きな問題になっています。放射能汚染が空気中や水に広がり、私たちの生活にとって不安要素となっています。政府は健康上今のところ大きな問題はないと言っておりますが、放射能の問題は長い間かけてじわじわと影響してきます。海水も汚染し魚が汚染され、それを食べる人への影響も考えねばなりません。乳幼児や妊婦さんはより慎重に考える必要があります。これからも情報をしっかりと受け止め対応していきましょう。

夏の電力不足は直近の大問題で、夏はクーラーの使用を減らし節電することで乗り切っていきたいものです。私の診療所でも夏は極力クーラーを使わず診療しなくてはと思っています。今後、私たちは電気を何から作っていけばいいのでしょうか?原発を今後も使用するべきか?水力・火力・風力・太陽光・地熱などをどのようなバランスにするのか?これからのエネルギー政策を注意して見守っていかなければなりません。今回の事故はもう2度と起こらないのでしょうか?原発が存在している限り、事故が起こる可能性はゼロではないでしょう。

 

ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン接種が再開!

先月号で「ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン接種中止」について述べました。中止後1ヶ月も経たない3月末に、安全性に問題がないことがわかり、4月から再開になりました。今回、7人のお子さんが接種して1週間以内に亡くなり、詳細な検討が行われました。検討の結果、死亡原因は感染症や乳幼児突然死症候群などの病気の可能性が考えられ、すでに国内で100万人から150万人が接種しているので、死亡頻度は10万接種あたり0.1-0.2と諸外国の報告と大きな違いがないということがわかりました。 

今後の接種のやり方の注意点として1)1回・2回の接種後の間隔が予定より多少開いてしまった場合でも免疫の効果に問題がないこと、2)同時接種は副反応の頻度が増加することはないこと、3)7人のうち3人が心臓の病気を患っていたことから何らかの病気を患っている場合は同時接種ではなく単回接種も考えながら健康状態に注意して接種をすることが確認されました。ワクチンは病気が予防できるメリットと副反応が起こるデメリットを十分に理解してかかりつけ医としっかりと相談をして接種してください。今回のことで接種に不安になってしまっている人もいると思いますが、海外では以前から定期接種化しており、今でも問題なく行われています。

 

参考文献

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン接種再開に関する厚生労働省からのお知らせhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016yw1.html

 

入園時に血液型を調べる必要がありますか?

答えは「ノー」です。以前はよく生まれたときに調べていたのですが、最近は必要性がないこともあり、調べなくなり、わからない人も多いかと思います。病院の方では事前にお子さんの血液型がわからなくて構いません。血液型が必要な時は輸血を行う時で、そのときはすでに血液型がわかっていたとしても必ず本人から採血をして血液型を確かめます。さらに輸血する血液と本人の血液を試験管に入れて凝固しないかを調べます。どうしても調べたい場合は血液検査をする機会があったら一緒にお願いをすることをお勧めします。ただし、血液型は自費扱いになります。

 

最後に4月中旬に被災地へ医療ボランティアに参加してきます。

 

来月号にてご報告いたします。

 

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