平成23年4月号(Vol.72)
謹んで震災のお見舞いを申し上げます
東日本巨大地震におきまして、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
今回の地震はこれまでに経験したことのない大きな揺れでした。私は診療中で、揺れている間は診療していた赤ちゃん・お母さんと向き合っていて何もすることができませんでした。診療所内の確認後、すぐ隣接する保育園に行き、園の様子を確認しました。園児たちはすでに園庭に静かに避難していました。
息子たちから当日の話しを聞くと、学校では迅速に避難ができたようで、日頃の避難訓練の成果ではないかと思いました。その後地震・津波・原発の被害が明らかになり、それに伴う計画停電が始まり、これまでの当たり前の生活を振り返る機会となりました。私たちが今、被災者の方々に何ができるかを考えると、まず、「節電」をしっかりすることです。我が家ではなるべく1か所で生活をするようにして、子どもたちにも夜更かしせず、早く寝るように言っています。無駄な電気を使わないのは当然のことですが、家電製品を使用しない時はコンセントを抜くことで待機電力を削減できます。小さなことも積み重ねが大切です。
また、福島における原子力発電所のトラブルにより、放射能が広範囲に広がっています。放射能汚染により人体への被害がでる可能性が示唆されています。原発は福島だけの問題ではなく、国民みんなの問題です。今一度、原発のあり方を見直すことが必要だと感じています。
テレビでは、車や家が流されるなど連日生々しい災害被害を放映しています。観ている大人はもちろん、子どもたちも小さな心の中で不安を抱えていることでしょう。大人の不安は子どもに大きな影響を与えます。こんな時には、普段以上に子どもとの会話やスキンシップを大切にし、安心感を与えていただきたいです。
ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン接種中止について
今年3月に入り、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン接種後、6名のお子さんが亡くなったという報告がありました。この報告を受けて、厚生労働省からヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種を中止とする発表が出されました。その後、行われた専門家の会議では、両ワクチン接種と亡くなった原因とは明らかな因果関係が認められないという発表がされましたが、両ワクチンともまだ中止したままで様子をみるということになっています。子どもに早く接種させたい気持ちもわかりますが、専門家がさらに情報収集して検証していますので、もうしばらくお待ちください。年内再開を願っています。両ワクチン接種は通常3回続けて行いますが、1~2回接種し中止となってしまった方は、再開した時点で接種スケジュールについてのお知らせがありますので、しばらくお待ちください。
同時接種に対して不安を持たれている方もいるかと思います。欧米で行われているワクチンは5~6種類を一度に接種しており、安全性に問題がないといわれています。かかりつけ医に相談して、安心して各種の予防接種を進めていただきたいです。
参考文献
ヒブワクチン・肺炎球菌に関する厚生労働省からのお知らせhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
ノーテレビデーしてみませんか?
停電になり、テレビを見ることができなかったご家庭もあるかと思います。先月、我が家でテレビを見ない日を数日試みました。テレビっ子の私としてはとても不安でしたが、勇気を出してやってみると、ガチャガチャしていた家が静かになりました。家族が精神的に落ち着き、家族の会話が増えたり、本を読むようになったりと時間をゆったりと過ごすことができました。最初は慣れず、子どもたちが不満をもらすこともありましたが、慣れると最初のような負担はなく、時間を有意義に過ごすことができます。何気なくテレビをつけてしまうことが多くありますか?必要時のみテレビをつけることで時間の有効利用が期待できます。