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院長コラム

令和2年8月号(Vol.183)
新型コロナに負けない!Part6~マスクと熱中症~

2020/08/01(更新日)

 令和2年7月の豪雨は各地に甚大な被害をもたらしました。今回の豪雨で被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。山梨在住の私の知人からは熊本の実家が今回の豪雨の被害に遭ったと聞きました。遠方のためすぐに行くこともできず、連絡が取れていない親族がいるようで、とても心苦しいと嘆いていました。

 一方で子どもたちはコロナのため夏休みが短くなり、園や学校行事が中止や縮小に追い込まれています。一部の学校の修学旅行が中止と知り、心が痛みました。修学旅行は一生に一度しか経験できないので、中止ではなく、校内や県内での宿泊などに変更しての実施を切望します。園や学校で開催される行事は子どもたちの大きな楽しみの一つであり、その経験は人間形成の上で大切です。

また、コロナが多く発生している東京では感染者個人が特定されないことでの気の緩みがある反面、県内は感染者が1人出るだけでも注目を浴びるため、都会の人よりも感染予防に気を配っています。都会での発生を止めなければ終息は望めません。もう一段階警戒レベルを上げる必要性を感じます。

先月、笛吹市のファミリーサポーターの方へ講演する機会がありました。コロナになってからは初めての講演であったため、マスクを着用して話をしていたところ、途中から話をするのに息苦しくなり、何度か呼吸を整えてゆっくり話をせねばならず、いつも以上に疲れてしまいました。次からはマスクではなく、ビニール製のパーテーションを用意して話をしようかと思いました。今月は常識になりつつあるマスク着用と今夏の熱中症対策について考えてみたいと思います。

 

2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!

 コロナ対策で多くの方がマスク着用をしており、中には小さなお子さんもマスクする姿が目立つようになりました。診察時、1歳のお子さんまでマスクをしている姿も見られ、お子さんのマスク着用について気になっていました。

今年5月末、「2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」というメッセージが日本小児科医会から出されました。まず、2歳未満のお子さんはマスクをしないで大丈夫です。小さいお子さんは①呼吸する空気の通り道が狭いので、マスクをすることで呼吸しにくくなる ②呼吸や心臓への負担になる ③マスクによって熱がこもり熱中症のリスクが高まる ④マスクそのものや嘔吐物による窒息のリスクが高まる ⑤口周囲をマスクで覆うため、顔色や唇の色などの表情の変化の気づきが遅れるなどが心配されます。

2歳以上でもマスク着用をしなければならないことはなく、いやがり泣きながら着けることで熱中症になってしまっては本末転倒ですので、適度に外すことも意識しながら対応してください。「暑くて嫌だ、気分が悪い」という訴えがあった場合はマスクを外して休息しましょう。

 

マスクよりも2m離れる

 マスクはウイルス粒子をブロックすることはできず、会話などで人と人の間で唾液を介した飛沫感染を防ぎます。唾液のかからない距離(2m以上)で人から離れていればマスクをしても意味がありません。このため、なるべく2m離れることを意識すれば、マスクなしでもお子さんへの感染は防げます。

子どもは家族内感染と言われる同居する家族からの感染することがほとんどですので、私たち大人が3密を避けて感染しないことが子どもの感染予防につながります。

 

今夏の熱中症予防対策

 先日、河原で1歳ぐらいのお子さんを連れた家族が散歩していました。辺りに人影はなかったのですが、家族全員、マスクをしていました。1人で車を運転していてもマスクをしている方がいます。ずっとマスクをしていると熱中症のリスクが高くなりますのでご注意ください。

大人も子どももマスクをすると心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇し、身体に負担がかかるため、高温や多湿の環境下でマスクをすると熱中症のリスクが高まります。屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合はマスクを外すようにと厚生労働省から今夏の熱中症対策の指針が出ています。

 これから本格的な暑さが到来する中、2m離れていればマスクを適度に外すこと・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給すること・エアコン使用中もこまめに換気をすることを意識して過ごしましょう。

 日本も世界でも感染者が増加傾向で、終息にはほど遠い状態です。ワクチンや治療薬が使用できるようになれば、今よりも感染を気にしないで済むようになります。ぜひ、その日が来るまで3密を避けましょう。私たち一人一人の意識で感染拡大を防ぐことができます。

 

参考文献:日本小児科医会ホームページhttps://www.jpa-web.org/

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html

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