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院長コラム

令和4年3月号(Vol.202) 
祝!200回記念~1人子育てを終えて感じること~最終章

2022/03/01(更新日)

まもなく春がやってきます。楽しい季節のはずなのに、コロナの第6波は子どもたちへ感染が広がっています。私の医院でも第5波まではほとんどいなかった子どもたちの感染者が見られています。ただ幸いなことに軽症で済んでいるようで安心しています。第6波もやがて終息しますが、早く抑えるには大人が3回目のコロナワクチン接種をすることが大切です。特に、子どもたちに感染を広げないために子どもを持つ保護者や子どもたちと関わる職種(教師・保育士など)の方は積極的に接種をお願いします。

 このコラムの感想について聞く機会はほとんどないのですが、今年1月号については何人かのママから「子どもよりもパートナーであるパパが大切である」という点に賛同してもらえました。子どもが生まれると子ども中心になり、夫婦関係は後回しになりがちです。せめて結婚記念日はご夫婦のみで食事をしてみてはいかがでしょうか?

今月は子育てで一番大切なことについてお話します。

 

自己肯定感を高める子育て

 子育てで一番大切なことは「自己肯定感を高める」ことです。この自己肯定感だけを意識して子育てをしていれば大丈夫です。自己肯定感は自尊心・自己肯定感と同じと捉えて構いません。「子育てハッピーアドバイス」シリーズの著者明橋大二先生は自己肯定感について「自分は大切な人間だ」「自分は生きている価値がある」「自分は必要な人間だ」という気持ちと述べています。この自己肯定感を高めるように子育てをしてください。親は自己肯定感よりも学力を重視しがちですが、学力が振るわなくても、自己肯定感が高いお子さんは自分をしっかりと持っていますので、自分らしく生きていけます。学力が高くても自己肯定感が低い場合は、自分は生きている価値がないと感じ、生きにくいと感じます。学力よりも大切なのは自己肯定感です。自己肯定感を高める方法は「ほめて育てる」ことに尽きます。親自身も褒められた経験がない方もいるかと思いますが、意識して「子どものいいとこ探し」をしてみて下さい。

 子育ての最終目標は我が子が成人になったら一人で生きていけるようにすることです。学力よりも生きる力があれば、親亡き後もしっかりと生ききることができます。

 

子離れも大切!

10代の子育ては、伴走もしくは後ろから見守るようにしていくことを意識してください。10代の子どもたちは親から干渉されること嫌がります。この時期が1人前になるまでの準備期間になります。そして18歳を目途に子どもと距離をとりましょう。少し寂しくなるかもしれませんが、これからは自分の時間を作りましょう。子離れをしながら親が仕事や趣味で生き生きとしている姿を子どもに見せることはよい印象を与えます。

 10代の子どもを親が干渉し続けると、親子関係が悪くなります。同じことを言うときも、親よりも周囲の大人(教師など)から言われた方がスッと入ることが多い時期です。子どもたちは困ったら一番近い親に相談するでしょう。その時は、しっかりと話を聞いて受け止めて、助言をすることで、また安心して生活を送ることができます。親やがて老い、子どもより先に亡くなります。親は最後まで子どもの良き理解者となって、励まし応援することしかできません。

 私は妻と一緒に26年間、試行錯誤を繰り返しながら自己肯定感を高める子育てと子離れを実践してきました。うちには県外在住の社会人と大学生の4人の子どもたちがいます。現在は離れて暮らし、あまり会えない寂しさはありますが、その子どもたちが仕事・勉強・友人関係に生き生きとした生活をしていることをLINEや電話で知り、残された夫婦で最後の子育てや昔を思い浮かべながら楽しんでいます。子育ては最初の6年間は大変ですが、パパとママで一緒に楽しんでいただけたら幸いです。

最後に子育て悩みはつきものです。困ったら親子だけで解決しようとせず、早めから外部(祖父母・親戚・医療機関・教育機関など)にヘルプを出しましょう。親子だけで解決しようとしても、長期間にわたり問題解決に繋がらないということが多々あります。外部の方と一緒に子育てをすることも大切です。特に不登校で家に閉じこもると、ゲーム中心の生活になり精神的にも肉体的にも体を壊し家庭も病みます。学校に行くのが難しければ家以外の居場所を探してください。お子さん1人1人みんな好きなことがあります。その好きなこと(勉強・ゲーム以外)をさせて、親が認めて次の段階に進んで行くと、さらに次の先が見えてきます。子育てを通じて、親も成長できることを楽しみながら経験してください。子育て中の皆さんを心から応援しています。

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