令和5年1月号(Vol.212)
コロナとインフルエンザの同時流行に備える
ブラボー!今回のワールドカップサッカーの日本代表はドイツ・スペイン戦での見事な勝利‼ 世界のサッカー選手たちと堂々と戦う姿に、元気と勇気をもらいました。私事ですが昨年11月末、富士山マラソン2022に出場しました。人生2度目のフルマラソン、20㎞までは調子よかったものの、20㎞先の急坂でスタミナ切れとなり、その後失速しました。何とか完走はできましたが、記録5時間10分と課題を残す結果となりました。次回リベンジに向けて取り組んでいます。
先月より、コロナの感染症法上の分類について「2類相当」から「5類」への見直しの検討が始まりました。コロナの致死率が季節性インフルエンザとほとんど差がなくなっています。ワクチンの普及、治療薬の進歩が背景にあります。子どもたちの成長発達や社会生活への影響等も勘案しながら、いろいろな制約を少しずつでも解除していただけたら幸いです。
一方で、全国ニュースでインフルエンザでの学級閉鎖がみられるようになり、今シーズンはインフルエンザ流行の可能性があります。今月はこの冬コロナ・インフルエンザだけでなく、ヒトメタニューモウイルス・RSウイルス・感冒などの病気とどう対応したらよいかをお伝えいたします。
コロナとインフルエンザの見分けるには
地域でインフルエンザが流行していない時期には、コロナだけを気にすることでよいのですが、インフルエンザの流行が見られると、コロナ・インフルエンザを鑑別する必要が出てきます。コロナの症状は鼻水・頭痛・喉の痛み・くしゃみ・せき・熱などがあり、インフルエンザの症状には咳・鼻水・熱・関節痛などが見られます。そのため症状だけで両者を見分けるのは困難です。さらに、現在(2022年11月)、散見されるヒトメタニューモウイルスやRSウイルスもコロナ・インフルエンザと同じような症状です。
こういった症状があった場合、園・学校での流行している病気を知ることが手がかりになるので問い合わせてみることをお勧めします。医療機関ではその情報を参考にして、迅速検査等で診断をしていく流れになります。ただ、ヒトメタニューモウイルス・RSウイルスは迅速検査でわかりますが、これらのウイルスと特定できても、抗生剤などの特効薬がないため、医療機関としては積極的に調べていないのが現状です。
インフルエンザ流行期に入った場合は、インフルエンザがわかると、特効薬として抗インフルエンザウイルス薬(内服・吸入など)があり、早期(発症48時間以内)に投与することで有熱期間の短縮・重症化予防が認められています。
どのタイミングで受診したらよいか?
コロナの検査は抗原・PCR検査の2種類あり、それぞれの特徴があります。抗原検査は結果が10分前後で判定できるメリットがありますが、熱がでてすぐ行うとウイルスの量が少ないと陰性がでる恐れがあるため、熱がでて1日後に検査をする必要があります。
PCR検査は発熱後すぐに検査することができますが、結果がでるのに、数時間から数日程度と抗原検査と比べて遅くなり、さらに数か月前にコロナにかかった場合は陽性と結果がでても今回の感染か以前の感染か判定がしづらい場合があり注意する必要があります。インフルエンザとコロナを同時に検査する場合は抗原検査で行うため、発熱から1日経ってからの検査がお勧めです。
こんな症状はすぐに受診を!
40度を超える熱がでると、親としては焦ってしまうことがあります。高熱がでても、寝ている場合はそのまま様子をみて構いませんが、受け答えができない・意識がもうろうとする・けいれんなどの症状がある場合は救急車での対応を考えましょう。迷う場合はかかりつけ医に相談し、夜間・休日の場合、小児電話相談♯8000を活用してください。
かからないようにするために
かからないようにするために、私たちができることは、コロナの感染対策として「マスク・手洗い・3密(密接・密集・密閉)回避」をすることで充分です。インフルエンザも同じように対策できますので、過度に対策する必要はなく、今まで通りで大丈夫です。また、園・学校に感染を広げないためにも、具合が悪そうであれば、無理させずお子さんを休ませてください。集団への配慮もお願いします。