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院長コラム

令和5年6月号(Vol.217)
第13回親子で学ぶ心肺蘇生講座に参加してきました

2023/06/19(更新日)

 今月は梅雨、すっきりしない天候が続きますね。2023年4月末、うちの家族7人で東京で開催された「第4回夢の大橋あおぞらマラソン大会」のハーフリレーマラソンに参加しました。1周1.5㎞を14周、妻と娘が1周ずつ、私が2周、4人の息子が残りの周をバトンでリレーしました。家族7人で互いを励まし合い、家族の絆が深まりとても楽しい思い出となりました。結果は1時間26分、堂々の1位でした。来年も出場しようと思っております。

3月13日からマスク着用は個人の判断が基本となっていますが、多くの方がマスク着用をしていることが気になっています。本当はマスクをはずしたいと思っている人でも人目を気にして着用を続けている人も多いと思います。私は最近、診療以外ではマスクを思い切って取るようにしました。現在、コロナは季節性インフルエンザと同程度の病気と言われています。これからの季節、熱中症の予防などからも子どもたちにはマスクを外して生活をしてもらいたいと思っています。子どもは大人の真似をします。学校・園の先生方にはぜひ、マスクをはずして子どもたちと接してもらいたいです。うちのクリニック隣のこども園は現在、先生もマスクを外して保育をしています。

 5月14日、甲府市のやまなしプラザでLet’s Save A Child in Yamanashi Project主催の「第13回親子で学ぶ心肺蘇生講座」にうちの娘(小5)と私で参加をしてきましたので皆さんにこの講座の内容をお伝えします。

 

PUSHプロジェクトについて

 突然死とはいつでもどこでも誰でも起こる可能性があります。突然心臓が止まってしまった場合、助かる可能性は数%と非常に低く、日本で毎年約7万人が心臓突然死で亡くなっている現状があります。突然、心臓が止まった場合、一刻も早く胸骨圧迫を開始し、AED(自動体外式除細動器)を用いて、電気ショックをかける必要があります。「PUSHプロジェクト」とは、NPO法人大阪ライフサポート協会が中心となって活動しており、胸骨圧迫とAEDの使い方の普及を通じて、突然倒れた方を救命できる地域づくりを目指しています。

 

この講座に参加して

 第一部はPUSHプロジェクトの学校PUSHコースというプログラムで、映像をみながら、命の大切さを考え、胸骨圧迫・AEDのやり方を学びました。第二部は実物大の人形と練習用のAEDを使っての実技指導がありました。

『人が突然倒れたら心停止を疑い、119番通報とAEDを要請し、直ちに胸骨圧迫を行うことが大切であること』『胸骨圧迫は救急隊が来るまで休まずに交代をしながら、胸の真ん中、胸骨の下半分の位置で手の根元を使って、5cmの深さ、100-120回/分で行うこと』を学びました。そして、救急隊やAEDが到着するまでであれば、人工呼吸を行わない胸骨圧迫だけでも救命効果が充分にあることも説明してくれました。

1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下するため、救急隊を待っていては命を救うことができません。各学校へAEDが設置されていますが、そのAEDを適切に使用できるか私たちにかかっています。

話を聞くだけでなく、実際の場面を想定し体を動かし声を出しての体験学習は学びが深まりました。ボランティア含めたスタッフの方々もたくさんいて、丁寧に教えていただくことができました。ありがとうございました。

 

AED設置について

 日本循環器学会のAED検討委員会から「学校での心臓突然死ゼロを目指して」の中に、学校内の設置推奨場所については『人目のつきやすい場所』『学校内のどの場所からも片道1分以内で取りに行ける場所』『グランド、プール、体育館など心停止が発生しやすい場所へのアクセスを考慮する』『保管場所は施錠せずに24時間365日アクセス可能な状態にする』などが提言されています。各学校で設置場所を再確認していただけたら幸いです。

 

Let’s Save A Child in Yamanashi Projectについて

 「山梨県における学校での生徒突然死ゼロ」を目指し、生徒への心肺蘇生方法を普及させるための市民講座をこれまでに13回開催しています。県内病院の小児科医・看護師らのスタッフで運営しています。親子で参加できる無料イベントでありながら、内容のレベルが高く、専門スタッフから直接学ぶことができる貴重な機会だと思いました。また、心肺蘇生法を学びながら、親子の触れ合いにもなりました。ぜひ皆さんも参加されることをお勧めします。

 

参考文献

PUSHプロジェクト ホームページ

学校での心臓突然死ゼロを目指して 日本循環器学会AED検討委員会

 

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