令和5年8月号(Vol.219)
LGBTQ+について理解を深めよう!(前編)
梅雨明けする前から猛暑といわれる暑さですね。熱中症にはくれぐれも気をつけてください。最近の学校でのマスク着用は小中高とも比較的男子は多くがはずせているようです。一方で小中高の女子は周囲の目が気になって、多くがはずせないでいるようです。2学期に入ったら、互いにマスクなしで会話ができると良いですね。
7月初旬甲府七夕祭りが3年ぶりに開催されました。うちの娘は母親とお友達と一緒に行ってきました。私が帰宅後の娘に感想を聞いたところ、「楽しかった!」と言ったので何が楽しかったのかと聞いたら、「とにかく楽しかった!」と何もかもが楽しかったようで興奮していました。コロナ禍だった3年間、いろいろな行事がなくなって体験できていなかったので、この夏はなるべく多くの体験をさせてあげたいと思っています。
2023年6月にLBGT理解増進法が施行されました。今月と来月にわたってLGBTQ+についてみなさんと理解をより深めていきたいと思います。
性を構成する4つの要素
「性のあり方」は一般的に言われる「男性」「女性」という二通り以上にもっと多様であるという考え方が広がっています。人の性を構成する4つの要素として①出生時に割り当てられた性別(身体的性)②自分の性をどのように思っているか(性自認)③どのような性別の人を好きになるか(性的指向)④服装や髪形、しぐさ、言葉遣いなどを通して、自分がどのような性であると表現したいか(性表現)があります。
LGBTQ+って?
LGBTとは、Lがレズビアン(女性が好きな女性、女性同性愛者)、Gがゲイ(男性が好きな男性、男性同性愛者)、Bがバイセクシャル(男性も女性も好きになる人、両性愛者)、Tがトランスジェンダー(身体的性別と性自認が一致しない人)、それぞれ四つの性的なマイノリティの頭文字をとった総称で、性の多様性を表す言葉です。L・G・Bは性的指向、Tは性自認にあたります。LGBTの4つがよく知られていると思います。
しかし、実はもっと様々な性があります。性的指向も、はっきり同性愛、異性愛とくくれない人もいます(基本的には異性愛でも、ごくまれに同性にも惹かれるなど)。性自認も、男性にも女性にも当てはまらないという人、流動的な人(昨日は男性、今日は女性と移り変わる人など)、さまざまです。つまり、いわゆる「セクシュアルマイノリティー(性的少数者)」は、LGBTの四つだけではなく、もっとさまざまな分類があります。Qはクエスチョニング(自分自身の性的指向や性自認がはっきりとしていない人)またはクィア(性的マイノリティを包括する)を意味します。+はLGBTQ以外の多様な性を表しています。また、はっきりと区切られるものではなく、性のあり方は「グラデーション」であると言われています。
LGBTQ+の生きづらさを知る
2020年12月に電通が行った全国20~59歳の計6万人を対象としたLGBTQ+に関するインターネット調査があります。LGBTQ+に該当する人の割合は8.9%、40人のクラスがあれば3~4人が性的マイノリティに当たります。認知度は80.1%(5年前、37.6%)であり、認知度は高まってはいるが、周囲にLGBTQ+当事者がほぼいないなど、自分事として考えるきっかけがないことがわかりました。
認定NPO法人ReBitが2022年9月、全国の12~34歳のLGBTQ+当事者約2600人にインターネットで調査しました。10代LGBTQ+は過去1年に48.1%が自殺念慮、14.0%が自殺未遂、38.1%が自傷行為を経験と回答。日本財団の「日本財団第4回自殺意識調査(2021)」と比較し、10代LGBTQ+の自殺念慮は3.8倍、自殺未遂は4.1倍と高い状況にあることがわかりました。さらに、約9割が保護者や教職員に相談はできないなど、自殺や孤独・孤立の高いリスクを抱えていました。
LGBTQ+の人々や子どもたちに対して、学校でのいじめや職場でのハラスメントがたくさんあり、心無いいじめや差別の中で、生きていく展望を奪われて自殺に追い込まれる人々・子どもたちもたくさんいます。
以前、私が大学生に対して講義をしたときに、外見が男っぽい感じだったので勝手に男子と思いこんでしまい、「○○くん」と声をかけて、周囲の学生から女子であると教えていただいたことがありました。その学生にはすぐに謝罪をしましたが、大変申し訳ないことをしました。外見だけで、性別を区別してはいけないと反省した苦い経験です。性的マイノリティの人たちが偏見や差別を受けることのない社会をつくるために、まず私たちは無関心でいるのではなく、理解していかなければならないと思います。
参考文献
LGBTQなど性的マイノリティを取り巻く問題。私たちにできること 日本財団ホームページ