令和2年7月号新型コロナに負けない!Part5
今春は花見もできず、ただただ自粛により家で過ごしているうちにもう夏になってしまったという感があります。園や学校が再開したものの、遠足・修学旅行などの楽しい学校行事も延期され、朝の検温、距離を置いた行動等の制限がとても多く、子どもたちも戸惑っているのではないでしょうか。うちの娘は当初コロナの話をするだけで耳を塞ぎ、泣いてしまうことも多かったのですが、最近は娘にコロナのニュースを避けて、家族でコロナの話題を上げないように配慮をしていたためか落ち着くようになりました。家では暑さのため私と娘での水鉄砲での水遊びや、トランプをしてストレスを発散できるような工夫をして過ごしています。
コロナの状況はまだ気を抜くことができず、終息が見通せないのが現状です。県内の感染者数は延べ70人を超え、都道府県別の発生状況(6/9-15)をみると、山梨県は人口10万人当たり0.49人、東京都・北海道に続く3番目に多く高い感染率となっています。3密を意識しながら生活をしていくしかありません。自粛生活ももう5か月目に入り、気が滅入っていると思います。今月もコロナについてお話します。
まだ、ほとんどの人が感染していない!
先月16日、新型コロナウイルスの抗体検査について厚生労働省から発表されました。3都府県20歳以上の住民7950人を無作為に選び、陽性率が東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%でした。海外の米ニューヨーク州12%、スペイン5%と比べると日本は大変低く、ほとんどの人が感染していないことがわかり、再び流行が起こる可能性があります。ただ、恐れてばかりいると精神的に病んでしまいます。コロナとは長いお付き合いをしなければならないので、感染状況を見据えながら生活をしていきましょう。
お子さんの体調が悪くなったら
この時期はお子さんの体調が悪くなると、コロナではないかと心配されると思います。うちのクリニックでも毎日のように熱・咳・鼻水といった感冒様症状の方が受診に来られ、「コロナですか?」とよく質問されます。コロナかどうかは感冒と症状は変わらないので、最終的にはPCR検査をしないとわかりません。現在わかっていることは子どもでコロナにかかった方は「家族内感染」です。家族で同じような症状の方がいなければ大丈夫でしょう。「発熱があり、かつ、せき・のどの痛み・頭痛・倦怠感などのかぜ症状、または味やにおいが分からないなどの異常を感じる場合」が相談の目安なので、気になる場合は自己判断せずに、かかりつけ医に相談をしましょう。
夏の過ごし方の注意点
今年の秋にコロナの第2波が来る可能性もありますので、母子手帳を確認して必要な予防接種があれば、早めに接種してください。
今年の夏は3密を意識せねばならず、マスク着用が必要になりますが、厚生労働省の「熱中症予防行動」の中に、屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合は適宜マスクをはずしてかまわないと書かれています。息苦しさや、気分が悪くなった場合はマスクをはずして休みましょう。
また、日本小児科医から「2歳未満の子どもにはマスク不要、むしろ危険!」というメッセージが出されています。呼吸や心臓への負担・マスクで顔を覆うことで体調の変化の遅れなどを指摘しています。
子どもも大人もリフレッシュしよう!
これまでの自粛生活、子どもも大人も本当にがんばってきました。学校が再開されたことで、腹痛・頭痛・不安などを理由に受診されるお子さんが例年になく目立ちます。コロナの影響と思われるので体を休めること・ご両親や先生方が関わり方を工夫することで症状が和らいできます。子どもたちは自粛期間、家で閉じこもり、学校が始まるも通常と違う学校生活でストレスも溜まっています。一方で親もストレスが溜まり、子どもにぶつけてしまう場合もあります。国立成育医療研究センターの「子育て中のあなたへ」というリーフレットの中に「親である前に、社会人である前に、あなたも大事なかけがえのない、一人の人間です。これまで、ご家族やご親戚、園や学校、コミュニティなど、みんなで行ってきた子育てです。完璧にできなくてもいいのです。どうかご自分を責めないでください。あなた自身もケアされるべき存在なのだということを思い出してください。」というメッセージが書かれています。私たち親も眠れない・落ち込み・つらさが続く場合は1人で悩まず地域の精神保健窓口・保健センター・かかりつけ医等に相談することもお勧めです。
参考文献
厚生労働省ホームページ
国立成育医療研究センター「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」