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院長コラム

今夏はコロナ禍であることもあり、お盆中の帰省やお墓参り等の外出も控えられ、家で過ごす人が多かったと思われます。お店に入る時、マスク着用が必要とされる中、マスクをしていないことに気づき度々車へ取りに戻る私です。

うちの娘の小学校では月末の運動会に向けて、リレーや例年と異なる棒体操の練習が始まり、クラスメートと一体になって取り組んでいる様子が楽しい話から伺えて、コロナ禍にありながらも行事の工夫に取り組んでいる先生方には感謝の念に堪えません。

文科省によると今年6~7月、全国の小中高校生でコロナにかかった児童生徒が242人、そのうち137人(57%)が家庭内感染、学校内感染は11人(5%)でした。学校内感染が大変少ないと思われますので、学校ではそれらの報告を基に、今までのコロナ対策を子どもたちや先生方のために適切な内容に緩和していくことが求められてきていると思います。私も経験がありますが、マスクをしながらの授業は息苦しさがありますので、マイクを使ったり、飛散防止フィルムなどを利用するなどの対策も考慮してもらいです。

今月はワクチンについて大きな変更点があり、ロタウイルスワクチンの定期接種化とワクチン接種間隔についての2つです。コロナ禍でよい知らせが少ない中、今月は皆様にとって良いお知らせを致します。

 

祝!ロタウイルスワクチン定期接種化

 これまではロタウイルスワクチンが任意接種であったため、自費扱いで家計の負担も相当でしたが、ようやく定期接種化が実現できました。無料接種の対象者は今年8月出生以降のお子さんです。

 乳幼児がロタウイルスにかかると、水のような下痢が何回も続き、嘔吐もみられます。胃腸炎の原因となるウイルスの中で、最も重症になりやすいのがロタウイルスです。ロタウイルスは胃腸の症状だけではなく、けいれんや脳炎の原因になることもあります。3歳までにはほとんどの人が感染し、最初の感染時に一番症状が重く、何度もかかるうちに軽症ですむようになります。

 ロタウイルスワクチンは飲むワクチンで、任意接種として始まり、すでに10年近くの実績があります。重症になるのを約90%防ぐことができます。私の経験ではこのワクチン導入前は冬の流行時期になると、内服治療だけでは治まらず、外来で点滴をしたり入院するお子さんが多かったのが、導入後は重症者が大幅に減り、点滴や入院する例があまり見られなくなったと実感しています。

 ロタウイルスワクチンは2種類あり、いずれのワクチンも生後6週から接種でき、4週間隔で2回または3回接種します。有効性はどちらも同じです。接種できる期間が短いので、初回接種を生後2か月の誕生日、遅くとも生後3か月半過ぎ(生後14週6日)までに受けましょう。生後2か月からできる他のワクチン(B型肝炎、ヒブ、肺炎球菌ワクチン)と一緒に同時接種するとよいでしょう。副反応に腸の一部が腸の他の部分に入りこんでしまうという緊急性の高い病気である「腸重積」があります。接種後、特に1週間は腸重積の症状(泣いたり不機嫌になったりを繰り返す・嘔吐を繰り返す・ぐったりして顔色が悪くなる・血便が出る)がないか注意して、疑わしい場合は早く診察を受けるようにしてください。詳細はかかりつけ医に相談をしてください。

 

ワクチン接種の間隔について大幅な変更!

今月からワクチン接種の間隔が大きく変わりますのでご注意ください。今までは生ワクチンを接種してから4週間後、不活化ワクチンを接種して1週間後、次のワクチンを接種できました。

今月からその条件が緩和され、「注射の生ワクチン(BCG・麻しん風しん混合・水痘・おたふくかぜ)」間のみ接種してから4週間あけること以外は、その他のワクチンについては制限がなくなりました。ただし、同一ワクチンを複数回接種する際の接種間隔の制限は従来どおりです。

 今月から接種間隔が変更になっても、スケジュール通りの方は大きな変更点はないと思われます。未接種のワクチンがある場合、今まで生ワクチンを接種後4週間待たないと他のワクチンができませんでしたが、次に「注射の生ワクチン」以外のワクチンをするのであれば4週間を待たずに次のワクチンができるので、スケジュールを組みやすくなりました。数十年ぶりの変更でまだ慣れないので、かかりつけ医に確認しながらスケジュールを組んでください。

今年は特にインフルエンザの予防接種も例年以上に勧奨されています。自治体によっては接種費用を助成するところもありますので確認して早めに接種してください。

 

参考文献

VPDを知って、子どもを守ろうの会 https://www.know-vpd.jp/

今年の夏は猛暑続きで大変でした。海や山に出かけて様々な経験を楽しむ例年の夏休みと異なり、今年は多くが帰省せず、家で過ごしたご家庭が多かったと思います。我が家も休みは出歩かず、専らビニールプールで遊びました。いつもなら子どもを見守っているだけのプールも、あまりの暑さに人目を気にしながら親も水着になり楽しみました。

一方で甲府の小児初期救急センターの当番日で最高気温が35度を超えていた日に小学高学年の男子の受診がありました。酷暑の日中にサッカーの試合があったようで、頭痛・吐き気・顔面蒼白の症状がありました。疑うこともなく熱中症と診断、幸い症状がひどくないため、点滴せずに帰宅することができました。他のメンバーも何人か倒れたそうです。最高気温が35度を超えている日中にサッカーの試合をしていたことに驚きを隠せませんでした。子どもたちは大人の言われたようにしか動けません。暑さの中でのスポーツは控えて、子どもの命を大人が責任をもって守ってもらいたいと痛感しました。

 新型コロナウイルス感染症との関わりが半年にも及んできています。3密を避けて生活をすることで精神的にも疲れが出ていると思います。先月、WHOから世界中の保護者の方々へ「新型コロナウイルスから子どもの心を守る」という6つのメッセージが届けられましたので、これを参考に「子どもの心」のメンテナンスを考えていただけたら幸いです。

 

1.1対1の時間

 たったの20分でもいいので、調整できそうな時間帯に子どもと1対1の時間を取ってみましょう。子どもと向き合う時間を作ることで、子どもたちは愛情を感じ安心し自分自身を大切な存在だと感じることができます。

2.肯定的でいきましょう

 お子さんに対して「やめなさい!」と言うよりも、肯定的な指示を伝えたり、うまくできた時に褒めてあげたりするほうが、親を困らせるような態度は取らなくなっていきます。例えば、「おもちゃを散らかさないで!」ではなく、「おもちゃをちゃんとしまってほしいな」と言いましょう。声を荒げることで保護者も子どもも、よりストレスを感じイライラしてしまいますので、一呼吸置いて落ち着いた口調で話をしましょう。

3.新しい日課を作る

 コロナによって今までの日常が奪われてしまいました。これは子どもにも保護者にもとても厳しい現実です。日課をこなす時間と自由に過ごす時間をしっかりと決めましょう。こうすることによって子どもはより安心し、より良い行動をするようになります。

4.悪い行い

 子どもは誰しも悪い行いをしてしまう日はあります。疲れていたり、お腹が空いていたり、怖がっていたり、親から自立していく中ではよくあることです。悪い行いが始まる前に、楽しいことに興味を向けて気をそらしましょう。悪い行いがあったら、一度考えることも有効です。10秒間止まって考え、ゆっくり深呼吸を5回して落ち着いて対応しましょう。

5.焦らずにストレスマネジメント

 今はとてもストレスが溜まりやすい時期です。子どものサポートができるように、まずは親自身が自分を大事にしましょう。心の内を話せる相手を見つけましょう。休憩も取りましょう。

6.新型コロナウイルスについて話をする

 子どもとしっかりと話せる環境を作りましょう。自由に話せると子どもがどのくらいの知識をもっているかわかります。正直に、支えになってあげられるように、答えを知らなくても一緒に考えていくことが大切です。最後に子どもが大丈夫かを確認しましょう。子どものことを大切に思っていて、いつでも話を聞くよと伝えてあげましょう。

 

以上のことを踏まえて、日々の生活の参考にしてみて下さい。私たち保護者は、仕事に家庭に日々追われながら生活をしています。愛するお子さんのことばかりを考えて、自分の体や心のメンテナンスを疎かにしていると、心身を病んでしまい、子どもに笑顔で接することができません。子どもは保護者が笑顔で接することを望んでいます。子どものためにも、自分自身の笑顔でいられる状態を保ちましょう。

 

今年は特にインフルエンザワクチンをしましょう

 WHOからインフルエンザワクチンの重要性が強調されています。毎年流行するインフルエンザがおそらく今冬もやってくると思われます。今冬はコロナ・インフルエンザ両方の対応が必要になります。まだコロナのワクチンはありません。インフルエンザワクチンをしてまずインフルエンザ対策を考えましょう。ワクチン数は限られていますので、今年は早めに予約をしておくことをお勧めします。

 

参考文献

新型コロナウイルスから子どもの心を守る。WHOから世界中の保護者たちへ。https://covid-19-act.jp/parenting-who/

 令和2年7月の豪雨は各地に甚大な被害をもたらしました。今回の豪雨で被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。山梨在住の私の知人からは熊本の実家が今回の豪雨の被害に遭ったと聞きました。遠方のためすぐに行くこともできず、連絡が取れていない親族がいるようで、とても心苦しいと嘆いていました。

 一方で子どもたちはコロナのため夏休みが短くなり、園や学校行事が中止や縮小に追い込まれています。一部の学校の修学旅行が中止と知り、心が痛みました。修学旅行は一生に一度しか経験できないので、中止ではなく、校内や県内での宿泊などに変更しての実施を切望します。園や学校で開催される行事は子どもたちの大きな楽しみの一つであり、その経験は人間形成の上で大切です。

また、コロナが多く発生している東京では感染者個人が特定されないことでの気の緩みがある反面、県内は感染者が1人出るだけでも注目を浴びるため、都会の人よりも感染予防に気を配っています。都会での発生を止めなければ終息は望めません。もう一段階警戒レベルを上げる必要性を感じます。

先月、笛吹市のファミリーサポーターの方へ講演する機会がありました。コロナになってからは初めての講演であったため、マスクを着用して話をしていたところ、途中から話をするのに息苦しくなり、何度か呼吸を整えてゆっくり話をせねばならず、いつも以上に疲れてしまいました。次からはマスクではなく、ビニール製のパーテーションを用意して話をしようかと思いました。今月は常識になりつつあるマスク着用と今夏の熱中症対策について考えてみたいと思います。

 

2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!

 コロナ対策で多くの方がマスク着用をしており、中には小さなお子さんもマスクする姿が目立つようになりました。診察時、1歳のお子さんまでマスクをしている姿も見られ、お子さんのマスク着用について気になっていました。

今年5月末、「2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」というメッセージが日本小児科医会から出されました。まず、2歳未満のお子さんはマスクをしないで大丈夫です。小さいお子さんは①呼吸する空気の通り道が狭いので、マスクをすることで呼吸しにくくなる ②呼吸や心臓への負担になる ③マスクによって熱がこもり熱中症のリスクが高まる ④マスクそのものや嘔吐物による窒息のリスクが高まる ⑤口周囲をマスクで覆うため、顔色や唇の色などの表情の変化の気づきが遅れるなどが心配されます。

2歳以上でもマスク着用をしなければならないことはなく、いやがり泣きながら着けることで熱中症になってしまっては本末転倒ですので、適度に外すことも意識しながら対応してください。「暑くて嫌だ、気分が悪い」という訴えがあった場合はマスクを外して休息しましょう。

 

マスクよりも2m離れる

 マスクはウイルス粒子をブロックすることはできず、会話などで人と人の間で唾液を介した飛沫感染を防ぎます。唾液のかからない距離(2m以上)で人から離れていればマスクをしても意味がありません。このため、なるべく2m離れることを意識すれば、マスクなしでもお子さんへの感染は防げます。

子どもは家族内感染と言われる同居する家族からの感染することがほとんどですので、私たち大人が3密を避けて感染しないことが子どもの感染予防につながります。

 

今夏の熱中症予防対策

 先日、河原で1歳ぐらいのお子さんを連れた家族が散歩していました。辺りに人影はなかったのですが、家族全員、マスクをしていました。1人で車を運転していてもマスクをしている方がいます。ずっとマスクをしていると熱中症のリスクが高くなりますのでご注意ください。

大人も子どももマスクをすると心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇し、身体に負担がかかるため、高温や多湿の環境下でマスクをすると熱中症のリスクが高まります。屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合はマスクを外すようにと厚生労働省から今夏の熱中症対策の指針が出ています。

 これから本格的な暑さが到来する中、2m離れていればマスクを適度に外すこと・のどが渇いていなくてもこまめに水分補給すること・エアコン使用中もこまめに換気をすることを意識して過ごしましょう。

 日本も世界でも感染者が増加傾向で、終息にはほど遠い状態です。ワクチンや治療薬が使用できるようになれば、今よりも感染を気にしないで済むようになります。ぜひ、その日が来るまで3密を避けましょう。私たち一人一人の意識で感染拡大を防ぐことができます。

 

参考文献:日本小児科医会ホームページhttps://www.jpa-web.org/

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html

 今春は花見もできず、ただただ自粛により家で過ごしているうちにもう夏になってしまったという感があります。園や学校が再開したものの、遠足・修学旅行などの楽しい学校行事も延期され、朝の検温、距離を置いた行動等の制限がとても多く、子どもたちも戸惑っているのではないでしょうか。うちの娘は当初コロナの話をするだけで耳を塞ぎ、泣いてしまうことも多かったのですが、最近は娘にコロナのニュースを避けて、家族でコロナの話題を上げないように配慮をしていたためか落ち着くようになりました。家では暑さのため私と娘での水鉄砲での水遊びや、トランプをしてストレスを発散できるような工夫をして過ごしています。

 コロナの状況はまだ気を抜くことができず、終息が見通せないのが現状です。県内の感染者数は延べ70人を超え、都道府県別の発生状況(6/9-15)をみると、山梨県は人口10万人当たり0.49人、東京都・北海道に続く3番目に多く高い感染率となっています。3密を意識しながら生活をしていくしかありません。自粛生活ももう5か月目に入り、気が滅入っていると思います。今月もコロナについてお話します。

 

まだ、ほとんどの人が感染していない!

 先月16日、新型コロナウイルスの抗体検査について厚生労働省から発表されました。3都府県20歳以上の住民7950人を無作為に選び、陽性率が東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%でした。海外の米ニューヨーク州12%、スペイン5%と比べると日本は大変低く、ほとんどの人が感染していないことがわかり、再び流行が起こる可能性があります。ただ、恐れてばかりいると精神的に病んでしまいます。コロナとは長いお付き合いをしなければならないので、感染状況を見据えながら生活をしていきましょう。

 

お子さんの体調が悪くなったら

 この時期はお子さんの体調が悪くなると、コロナではないかと心配されると思います。うちのクリニックでも毎日のように熱・咳・鼻水といった感冒様症状の方が受診に来られ、「コロナですか?」とよく質問されます。コロナかどうかは感冒と症状は変わらないので、最終的にはPCR検査をしないとわかりません。現在わかっていることは子どもでコロナにかかった方は「家族内感染」です。家族で同じような症状の方がいなければ大丈夫でしょう。「発熱があり、かつ、せき・のどの痛み・頭痛・倦怠感などのかぜ症状、または味やにおいが分からないなどの異常を感じる場合」が相談の目安なので、気になる場合は自己判断せずに、かかりつけ医に相談をしましょう。

 

夏の過ごし方の注意点

 今年の秋にコロナの第2波が来る可能性もありますので、母子手帳を確認して必要な予防接種があれば、早めに接種してください。

今年の夏は3密を意識せねばならず、マスク着用が必要になりますが、厚生労働省の「熱中症予防行動」の中に、屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合は適宜マスクをはずしてかまわないと書かれています。息苦しさや、気分が悪くなった場合はマスクをはずして休みましょう。

また、日本小児科医から「2歳未満の子どもにはマスク不要、むしろ危険!」というメッセージが出されています。呼吸や心臓への負担・マスクで顔を覆うことで体調の変化の遅れなどを指摘しています。

 

子どもも大人もリフレッシュしよう!

これまでの自粛生活、子どもも大人も本当にがんばってきました。学校が再開されたことで、腹痛・頭痛・不安などを理由に受診されるお子さんが例年になく目立ちます。コロナの影響と思われるので体を休めること・ご両親や先生方が関わり方を工夫することで症状が和らいできます。子どもたちは自粛期間、家で閉じこもり、学校が始まるも通常と違う学校生活でストレスも溜まっています。一方で親もストレスが溜まり、子どもにぶつけてしまう場合もあります。国立成育医療研究センターの「子育て中のあなたへ」というリーフレットの中に「親である前に、社会人である前に、あなたも大事なかけがえのない、一人の人間です。これまで、ご家族やご親戚、園や学校、コミュニティなど、みんなで行ってきた子育てです。完璧にできなくてもいいのです。どうかご自分を責めないでください。あなた自身もケアされるべき存在なのだということを思い出してください。」というメッセージが書かれています。私たち親も眠れない・落ち込み・つらさが続く場合は1人で悩まず地域の精神保健窓口・保健センター・かかりつけ医等に相談することもお勧めです。

 

参考文献

厚生労働省ホームページ

国立成育医療研究センター「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」

https://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200410.html

 コロナの自粛から3か月が経ちました。皆さんとの協力により、新たな感染者数が減り、県内では緊急事態宣言が解除になりました。通常の生活にゆっくり戻っていく過程にあると言えるでしょう。お子さんがいる家庭では、学校・園が休みとなり、外出もままならず、家で過ごす生活は大変だったと思います。うちの娘は外で遊びたいのに、ニュースなどの報道を過剰に感じ取り、外へ出ることへの恐怖心を覚え、買い物や校庭へ誘っても行くのを拒むようになりました。娘の前ではコロナの話を避けるようにしていたつもりがついついコロナの話になってしまい、「怖い、怖い」と泣かれる場面もありました。大人も不安ですが、子どもは何倍も不安です。洗濯物干しにイチゴをつるしてのいちご狩り、庭でのバーベキューや花火、自宅でできる遊びを工夫しながら過ごしてきました。現在、感染者が減っていますが、秋になると第2波が来るとも言われています。第2波に備えて今月もコロナの話をさせていただきます。

 

県内の状況

 先月、甲府市出身の大相撲「勝武士」力士がコロナウイルス性肺炎による多臓器不全で亡くなられました。謹んでお悔やみ申し上げます。先月から山梨大学でドライブスルー方式のPCR検査が実施されました。大学でPCR検査が実施されるのは全国に先駆けての取り組みです。検査体制が強化されたことは県民にとって安心につながります。うちのクリニックでもPCR検査をお願いしたときに、以前よりスムーズに対応していただけるようになっています。検査ができるようになると、安心につながり、感染拡大防止に大いに役立ちます。また、同大学が入院と入院予定の患者さん370人を対象にPCR検査を実施したところ、すべて陰性という結果が出ました。すべて陰性という結果から、県内においては東京のような大都市にみられる市中感染の状況になっているとはまだ言えないと考えられます。同大学のホームページに「新型コロナウイルス感染症との闘い」と題する論文がアップされています。その中にはPCR検査体制の強化・対応した乳児感染の様子が記されています。現場の必至な思いが伝わる内容ですのでぜひご一読ください。

 

子どものコロナ感染でわかっていること

 日本医師会の中に有識者会議が立ち上がり、その中子どものコロナ感染状況が少しずつわかってきました。中国・アメリカ・韓国・日本等の報告をまとめたものがホームページ上に掲載されています。その報告では「子どもの感染者の割合は少なく全体の1割も満たないこと」・「子どもの感染は家族内感染がほとんどであること」・「学校や保育園におけるクラスター(集団)はないか、あるとしても極めて稀であること」・「子どもは成人に比べて軽症で死亡例もほとんどないこと」が挙げられています。

さらに「自粛のため親子が自宅に引きこもることでストレスが高まることにより家庭内暴力や子どもへの虐待のリスクが増すこと」・「予防接種をしないと予防接種で防げる病気にかかるリスクが高まること」などが指摘されています。コロナへの感染のみを意識し過ぎると、コロナに関連した様々な健康被害が大きくなることが懸念されますので、ぜひバランスを保っていただきたいと思います。今月は少し外の空気を吸って、心の健康を意識してもらいたいです。

 

この夏の過ごし方

 緊急事態宣言が解除されましたので、以前よりは警戒を緩めていいと思います。ただ、感染者はまだいますので換気の悪い密閉空間・多くの人が密集する場所・互いに手を伸ばしたら届く距離での会話(密接)の3密を気にしながら生活をしましょう。秋の第2波に備えるためにも、体も心もリラックスしましょう。親子の関係をよい状態に保つためにも、日々宿題・ゲームの対応で険悪になっている関係のリセットも必要です。宿題もゲームも少し大目に見ることで、親子の関係が改善されます。深呼吸をする時期と捉えましょう。宿題は親が教えるとついつい力が入ってしまい、親子関係がよくならなくなります。勉強の中身を深入りせずに、やったことを褒めて終えることをお勧めします。学校からの課題を終えたら、「よくがんばったね」とお子さんに伝えてください。

 最後に、感染症の歴史から推測すると、5~6割の人々が抗体を持てば集団免疫を得て、流行がなくなると考えられています。日本での抗体保有率は5~6割にまだほど遠い状況にあるので、長期戦を覚悟する必要があります。ワクチンや医療薬の開発が進んでいるので、今よりももっと安心できる時期が訪れます。

 

参考文献

山梨大学ホームページ https://www.yamanashi.ac.jp/

日本医師会COVID-19有識者会議https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/

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