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院長コラム

ようやく春の到来です。日も長くなり、外出したくなりますね。この時期悩むのが花粉症対策です。私は花粉症なので毎年本当に困っていて、この時期はお薬を飲みながら生活しています。うちの四男が昨年から花粉症デビューしてしまいました。私より症状がひどく毎日つらそうにしています。

先日、話題になっている「永遠の0」の映画を家族みんなで観て来ました。平和が続いていることを感謝し、あの時代のことを決して忘れず、同じ過ちをしないようにと子どもと話をしました。

今月は2年前に改定された「母子健康手帳」についてお話します。

 

いつ頃から始まったの?

 「母子健康手帳」の始まりは戦争中の昭和17年、「妊産婦手帳」に始まり、戦中・戦後は生活物資不足から配給を受けるための手段として活用されました。昭和23年、現在の「母子手帳」の様式が始まり、昭和40年、母子保健法の制定とともに「母子健康手帳」と改称されて現在に至っています。この手帳はわが国の妊産婦死亡率や乳児死亡率の改善に一定の役割を果たしてきました。

 この手帳をみると、妊娠期・出産時の母の様子、お子さんの健診・予防接種の記録がこの1冊に詰まっていてコンパクトにまとまっています。海外では母と子の手帳が別々になっていることが多く、日本の母子健康手帳は妊娠・出産・子どもの健康の記録が1冊にまとまっていて、利便性がよく、他の国々から高く評価され各国に採用され広がっています。日本の母子健康手帳は世界に誇れる非常に素晴らしいものです。

 

改定のポイント

  • 妊婦の記録欄が大幅に拡充されました。この欄に妊婦健診時に尋ねたいことを記載したり、各時期の両親の気持ちを書くことをお勧めします。
  • 胆道閉鎖症を早く発見するために「便色カード」が生後1カ月の欄に添付されました。今までにないカードで、お子さんの便の色で病気かどうかがわかる形になっています。胆道閉鎖症は1万人に1人の割合で発生する病気で予後が不良な病気です。この病気が疑われる場合、生後すぐは黄色便だったのが生後1カ月前後から淡黄色便になります。早期発見が予後をよくするので生後1カ月前後の便の色を確認してください。気になる場合は早めに医療機関に相談をしてください。
  • 今までの予防接種欄はページ数もあまり多くなく接種が多くなると紙を足したり見栄えがいいと言えませんでしたが、今回の予防接種欄は記録欄が大幅に増えて任意接種のワクチンに名前が記されていて使いやすくわかりやすくなりました。
  • 手帳の後半部に18歳までの身体発育曲線(成長曲線)が新たに掲載されました。小学・中学生時になると学校からの「健康カード」で身長・体重を確認するため、乳幼児期から連続的な経過が把握しにくくなっています。18歳までの成長曲線を利用すると、急に身長が伸びることで思春期早発症が早く発見できたり、いじめがあると身長が伸びなかったり体重の増減が見られたりします。そのため心身の健康を把握する上で参考になります。

 

活用にあたって一言

手帳の前半は母子の健診の様子、予防接種の記録、後半は育児に役立つ情報が書かれています。今の社会は情報が氾濫しすぎています。混乱しないためにも後半部の情報は信頼性が高いものなのでじっくりと読んでいただくと大変役立ちます。

今回の改正でパパとママが自由に記載できる欄が増えたのでぜひとも各時期でのお子さんに対する思いをたっぷりと書いてください。今では小中学校の道徳教育などで自分の母子手帳を見る機会もあるため、お子さんが成長し読み返した時、父母の当時の気持ちがわかり、愛されていたことを改めて確認できることでしょう。

 

年長さんのお子さんがいるパパママへ

 今年に入り麻疹(はしか)の患者数が昨年に比べ3倍増です。麻疹は春から夏にかけて流行します。年長さんは麻疹風疹混合(MR)ワクチンの2回目が4月から始まります。ここ数年は麻疹が落ち着いていましたが、今年流行の懸念がありますので、春休みを利用してお早めに接種をお勧めします。

 

参考文献

母子健康手帳の交付・活用の手引きhttp://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/index.files/koufu.pdf

チャイルドヘルス Vol.16 No.12

先月の2度にわたる記録的な大雪にはびっくりしましたね。1m以上の大雪の時は、家族や近隣の人と総出で周辺道路の雪かきをしました。その後子ども達はまだ有り余る体力で雪合戦やかまくらを作って遊んでいました。また今月は長男が高校を卒業します。家から出て新たな世界へ旅立ちます。18年前に初めての子どもを授かり、妻と試行錯誤しながら子育てをしてきました。育て上げたという達成感が半分ありますが、寂しさも募ります。旅立ちは笑顔で送り出そうと思います。私も18歳で千葉の実家から出て1人暮らしをし始めたことを思い出し、当時の親の心境も同じであったのだろうと思っています。

昨年9月に便秘症の診療ガイドラインが発表されました。今月は便秘のガイドラインに沿ってご説明したいと思います。

 

便秘って

便秘とは便の回数が少ないか、出にくい状態を言います。ただし便が1日1回出ていても、硬かったり、排便時に痛みや出血がある場合は便秘と考えます。普通の便は1~3日に1回程度出て、バナナのような硬さです。

何かのきっかけで便を出さないと、便が大腸にたまります。大腸は便から水分を吸収するので硬い便となります。硬い便を出すとき、痛みがでたり、肛門が切れて出血を伴うこともあります。こうなると子どもは便を出したくなくなるので、便意が出ても出さないようになります。ひどくなると両足をX形にクロスして便を我慢するようになってきます。便が常に腸内に留まっていると腸が伸びてしまって感覚が鈍くなり、大きな便でないと便意を感じなくなってしまい、悪循環が始まります。

便秘の悪循環が多い年齢は1~2歳です。3歳を過ぎてくると、悪循環を脱出するために自ら便を出すように努力できるのですが、1~2歳のお子さんの場合、便を出すのが怖くて、便意があっても便をなにがなんでも出さないように努力をします。そのため1~2歳は便秘がなかなか改善できません。

 

赤ちゃんの便秘

生後すぐの赤ちゃんの便秘は、生まれつきの病気として、直腸の先がふさがって便が出ない「鎖肛」や腸の神経がなくて腸の運動ができないために便が出づらい「ヒルシュスプルング病」を考える必要があります。

しばらく便はうまく出ていたのに途中から便が出づらい時はまずワセリンなどをつけた綿棒で肛門刺激をしてください。数秒間で終わらせないで、2~3分程度長めに行うと大抵出てきます。それでも改善しないときは哺乳が不足している可能性もあります。1歳未満の場合はただの便秘でないこともありますので、気になる場合は医療機関に相談をしましょう。

 

便秘の悪循環から抜け出すには

便秘は一時的な場合は問題がありませんが、1か月以上長引く場合は悪循環にならないように早めに医療機関で相談をした方がいいと思います。硬い便・排便時の痛みや出血・足をクロスさせながら便をする場合は便秘のサインです。

 治療のポイントは食物繊維が豊富な食べ物を増やすことも大切ですが、それだけで改善できないことが多いため、薬を使いながら治療することをお勧めします。水分をとるようにと言われますが、脱水になっていない場合は水分をとらせてもよくなりません。通常通りの尿回数であれば脱水と考えないでください。また腸を空の状態にすることが大事です。そのため下剤やかん腸を使用し、便の塊を除去することが必要となります。硬い便を出すには激しい痛みを伴い、排便したくなくなるので、硬くない便が出るように薬で調節します。薬を使うとすぐに便秘が改善する場合も一部ありますが、数ケ月から長い場合は2~3年続けることも多くいます。便秘の期間が長い方は治るのにも時間がかかっています。また、トイレットトレーニングは便秘が治ってから始めた方が得策です。トイレットトレーニング中に失敗してしかられたりすると、子どもがその意味を理解できず排便を止めたりする場合があります。

 

3・11を忘れない

あの震災から3年が経ちました。うちのかかりつけにも避難してきたご家庭がいます。放射線の危険について質問を受けたこともありました。福島県から山梨に避難した母子は色々と悩んだ末数か月前に旦那さんのもとに戻りました。本当に多くの方の生活が変わりました。これからも微力ながら復興支援に関わっていきたいと思います。

 

一年で一番寒い2月がやってきましたね。この寒さを乗り切るために最近色々な温泉に下の子ども2人と共に行っています。山梨には温泉がたくさんあり、低価格でいろんなお風呂が楽しめる上リフレッシュできます。山梨のいい所の一つで私は温泉好きになりました。

昨年12月に水痘ワクチンの定期接種化が今秋から始めることが決まりました。本当にうれしい限りです。水痘ワクチンの定期接種が始まれば水痘にかかるお子さんが激減します。水痘で苦しむ子どもがいなくなる日が楽しみです。今月は「水痘」の病気について話をします。

 

水痘(水ぼうそう)にかかると

 水痘は「みずぼうそう」とも言われ、空気感染で強い感染力がある病気です。2週間の潜伏期を経て発症し熱がでることが多く、水疱を伴う発疹が全身に広がり、その後かさぶたになります。治るまでに1週間程度かかり、園や学校を休むことになります。治療法は特効薬であるアシクロビルを飲み、発疹に専用の軟膏を塗って対応します。

多くの場合は1週間もたてば後遺症もありませんが、中には脳炎・脳症、脳梗塞などの合併症を起こす場合があります。また移植などで免疫が低下しているお子さんがかかると重症化します。妊娠初期にかかると胎児に重篤な障害を残し、新生児がかかると重篤になる場合があります。毎年約100万人発症し、年間約4000人が入院、約20人が死亡しています。予防法は水痘ワクチンを接種することですが、任意接種であるため接種率は40%程度にとどまっています。

 

定期接種化すると水痘は激減する

20年前に水痘ワクチンの定期接種化が始まったアメリカでは、患者数が激減しました。日本も今秋、水痘ワクチンが定期接種化されると、接種率が上がり集団内に免疫を持つ人が多くなり、病気自体が流行しなくなる「集団免疫」の効果もみられると予想されるため患者数が大幅に減ります。水痘ワクチンの安全性については国内で25年、海外で15年以上に計1億人以上が接種をして、副反応が極めて低いことが実証されています。

経済的な効果も考慮され、2回接種にかかる費用と現在の水痘にかかった時の治療費と家族の看護の負担費用の合計を比べると定期接種とした方が経済的にも有利でした。

 

水痘ワクチンは2回接種

 水痘ワクチンは麻疹や風疹と同様に2回接種を勧めています。1回接種だけでは十分に抗体が上がらず、6~12%が水痘にかかることがわかっています。このため2回接種することで長期にわたって抗体を維持でき、患者数を減らすことが期待できます。接種後の有効な免疫が20年後まで持続することが確認されています。さらに水痘ワクチンを接種することで高齢者に多い帯状疱疹になりにくくなるという報告が最近されています。

 日本は諸外国と比べて定期接種としてできる予防接種がまだ少ない、いわゆるワクチンギャップがあり、まだまだ遅れていると言えます。数年前に比べるとこのワクチンギャプも解消されつつありますが、残り3ワクチン(B型肝炎、おたふくかぜ、ロタ)の定期接種化へみんなで声をあげていきましょう。さらに同時接種といって注射を何回ができるようになったのですが、1つの注射に1~2種類しか入っていないワクチンが多く、諸外国では1つの注射に3つ以上のワクチンが入っている混合ワクチンが使われています。接種を受ける子どもたちのためにも、この点も合わせて改善していただけるとうれしいです。

 

流行中のインフルエンザについて一言

 抗インフルエンザ薬の登場で以前より発熱期間が短く、早めに登校・登園することで感染をさらに広めてしまうことが問題となり、2年前から登校・登園の基準が「発症後5日を経過し、かつ解熱後3日(幼児)・2日(学童)を経過するまで」と見直しがされました。そのためかかると1週間程度の登校(園)停止となります。

2~3日熱が続き、4日目になり解熱して大丈夫かと思っていると5日目に再び熱が上がる場合があります。2峰性の発熱と言い、よく見られます。抗インフルエンザ薬のおかげで、症状が軽くなっている印象はありますが、油断は禁物です。

 

参考文献

水痘・帯状疱疹とそのワクチン 国立感染症研究所

http://www.nih.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/4043-tpc404-j.html

水痘ワクチンに関するファクトシート

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqx.pdf

あけましておめでとうございます。今年も子どもに関する医療情報を読者の皆さんに提供できたらと思っています。これからもよろしくお願いします。  私の今年の目標は、仕事においては子どもたちのために最新の医療を提供し、学会・講演会などで勉強に励むこと、プライベートではまだ1歳の娘と生涯の伴侶である妻のために長生きする上で必要な健康づくりを心がけたいと思います。健康づくりとして、すぐにできるランニングをしています。県内のマラソン大会には積極的に出場していきたいと思います。見かけたらぜひ声をかけてください。

今月は診療でよく質問される「授乳中におくすりを飲んでいいの?」についてお話します。

 

「薬を飲んだら授乳できない」はウソ!

薬の説明書である「添付文書」と言われているものがあります。多くの薬の添

付文書に「母乳中への移行が報告されており、授乳中の婦人への投与は避けること」とあり、医療関係者でもそのままの記載を信じている人も多いのが現状です。添付文書を作成する上で、臨床治験をしながら薬が安全かを検討するのですが、母乳中の濃度までは調べることはなく、一律に「授乳中は避ける」と書かれてしまいます。

ママが薬を飲むと消化管から吸収され、乳腺まで運ばれ血液を介して母乳中に薬が到達します。さらにお子さんが母乳を飲んで消化管で吸収されます。薬を飲むと母乳には移行することは事実ですが、その量は非常に少ないと推測されます。実際計測すると健康上問題がないぐらいの濃度にまで薄められています。現行の添付文書だけを鵜呑みにすると、授乳中のママは一切薬を飲めないか、授乳をやめることになってしまい子どもにもママにも切ない選択をせざるを得ません。添付文書の記載は科学的根拠に基づいた記載に修正していただきたいものです。

 

多くの薬は授乳OKです

 国立成育医療研究センターのホームページ(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/)上で科学的な情報をもとに

評価を行い授乳に安全かどうか代表的な薬が載っています。授乳中に適さない

と判断される薬は放射性ヨウ素・コカイン(麻薬)・アンカロン(抗不整脈薬)

が記載されています。安全に使用できる薬は、抗菌薬(抗生剤)・抗ウイルス剤・

解熱鎮痛薬・喘息治療薬など多くの薬が挙げられています。さらに薬で困って

いるママに電話相談のサービスを行っています。

 「妊娠と授乳」という専門書によると、解熱鎮痛薬ではアスピリン以外の薬、

抗ウイルス剤であるタミフル・リレンザは安全であると書かれています。向精神薬の中には安全である薬もあるため、安易に授乳できないと決めつける必要はありません。ママの気持ちに寄り添いながら慎重に対応することが大切です。他にも多くの薬が安全であります。

発売してまだ時間がたっていない新薬は、データーがでていないこともあるので控えた方が得策です。すべての薬について述べられませんが、かぜなどで子どもに出される薬は安全であると考えられます。

そもそも、かぜの多くは原因がウイルスであるため、ウイルスに対して効果が

ない抗菌薬は必要がありません。薬が本当に必要かどうかも考える必要があります。市販薬や漢方はいくつかの成分が混ぜており、データーがないことが多く、病院で出される薬で対応することをお勧めします。

 

安易に授乳を中止しないで

 母乳は人工乳にはない免疫が入っているので子どもの病気を守ることができます。授乳を中止することで乳腺炎のトラブルが起きやすくなったり、ママ自身が後悔したり自分を責めることになるかもしれません。授乳を続けることは子宮収縮効果があり出産後の出血防止や出産後の体重減少にも効果があり、その上で乳がんのリスクが低下するという報告もありママ自身の体にもいいことがわかっています。経済的にも助かりますよね。

 

読者のパパから質問

 先月、知り合いのパパから質問を受けました。周囲の方から1歳すぎたらおっぱいをやめた方がいいと言われ、試みたところ、夜のねかしつけで泣きすぎて夫婦で困り果てたそうです。世界保健機関(WHO)では2歳かそれ以上まで母ば飲ませていて構いません。イクメンパパさん質問ありがとうございます。

 

参考文献

国立成育医療研究センター http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/

妊娠と授乳 南山堂

2013年もあと残り1カ月となり、締めの月になりました。年末を控え、仕事・園の行事・クリスマス・忘年会など忙しいのではないでしょうか?小児科は年間で病気による受診が一番多い月でインフルエンザワクチンも加わりさらに忙しくなります。10月末に行われた八ヶ岳ロードレースのハーフマラソン(21km)に初めて挑戦しました。紅葉をみながらアップダウンのあるコースを楽しみながら1時間59分で無事完走できました。健康のためにこれからも細々とランニングを続けていきたいと思います。今月は病気と同じレベルで考えてほしい「子どもの事故」についてお話します。

 

ブラインドひもで赤ちゃん死亡

 日本小児科学会の報告によると、昨年、生後6か月のお子さんを大人用ベッドに寝かせていたところ、床に落ち、首にブラインドのひもが絡まり、窒息死した事故がありました。こうした事故は今までも起きていて、2007~2013年に6件発生しています。東京都の調査によると、子どもの首にブラインドやカーテンのひもがかかったり、かかりそうになったケースが子育て家庭の約3%発生していたそうです。都は協議会を設置し、新たな規格づくりを検討していくそうです。昨年にはすでに「ひものないブラインド」が商品化されていて、事故を予防できるものも現れています。小さいお子さんがいるご家庭ではブラインドやカーテンのひもが首にかからないように、ひもを短くし、首にかからないようにしましょう。窒息の場合は数分気づかないと命にかかわることがあります。

 

目を離しても事故が起らないように 

 病気は「防ぎようのない」ことが多いのですが、子どもの事故に関しては今までの事故の経験から未然に防ぐことができます。よく事故が起こると親が目を離していたばかりと言う話を聞きますが、ずっとお子さんの様子をみていることはできません。例えば、溺水はお風呂の残り湯を貯めていて、そこに子どもがおぼれるケースがあります。私が大学病院で働いていた頃のこと、1歳のお子さんがおじいちゃんの家で遊んでいて、こどもの声がないのでおかしいと思い、探していたところ浴槽でおぼれており、救急車で運ばれてきました。来院したときはすでに心臓も動いておらず、つらい経験をしました。残り湯を貯めていなければ溺水は起こらないように、目を離しても事故が起こらないような環境づくりが大切であると思われます。また、日本小児科学会では、子どもの事故例をホームページ上(http://www.jpeds.or.jp/modules/injuryalert/)に掲載してあります。スーパーボールによる窒息・浴槽用浮き輪による溺水・子守帯(スリング)内での心肺停止などのケースが報告されています。

 

事故予防策あれこれ

 子どもは大人に比べて頭が大きく重心が高いため転倒しやすく、階段から落ちる・段差で転ぶ・ベッドから落ちるなどのケースがあり、階段には柵をつける・段差をなるべくなくす・テーブルの角にはガードをするといった対策が大切です。やけどは、アイロン・電気ポット・ストーブ・熱い飲み物が原因であることが多いため、アイロンや電気ポットを下に置かない・ストーブは囲いをする・テーブルの隅に熱い飲み物を置かないなどの工夫が必要です。

 子どもはなんでも口にしますので、たばこ・コイン・ボタン電池・化粧品・洗剤・薬などは子どもの手が届かない高さ1メートル以上のところに置きましょう。ピーナッツなどの豆類は気管支に入り呼吸が苦しくなったり肺炎になる場合がありますので与えないでください。

家庭外で起こる子どもの事故は交通事故が大半です。交通事故後クリニックに問い合わせがありますが、しっかりチャイルドシートをしていたこともあり、後遺症を残すケースはほとんどいません。車に乗せるときは必ず「シートベルト」をして、自転車に乗せるときは「ヘルメット」をかぶせましょう。

気をつけていただきたいことはまだたくさんありますが、主なものだけ紹介しました。大切なわが子を事故から守ることができるのは親であるみなさんです。

 

久しぶりの子育て奮闘記~テレビをみせない~

 長時間テレビやビデオをみている子どもに発達の遅れや表情が乏しいケースがみられ、日本小児科学会では2歳以下のお子さんにテレビをみさせないようにと提言されています。うちの子も今1歳になりますが、極力テレビをつけないようにしています。絵本を見たりや鬼ごっこをしたりしながら過ごしています。

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