• げんき夢こども園:055-268-5577
  • げんきキッズクリニック:055-268-5599ご予約はこちら
image

院長コラム

梅雨明けすると夏本番ですね。山梨の夏はとても暑いので、熱中症に気をつけてお過ごしください。朝、昼にシャワーを浴びたり、水遊びを取り入れることが熱中症だけでなく、あせも(汗疹)予防にもつながります。

 先月、風疹が流行中であることから県内の多くの市町村で風疹ワクチンの助成が始まるというとてもうれしいニュースが入ってきました。多くの人に利用し接種が広まることで風疹の流行が落ち着くことを期待します。風疹にかかった場合は他人に広げないような配慮をお願いします。

 昨年12月、東京・調布市の小学校でチーズなどにアレルギーがある5年生の女子児童が給食を食べた後に亡くなるという事故がありました。食物アレルギーのお子さんや保護者をはじめ、園や学校の関係者の方々は大きな衝撃を受けたのではないかと思います。これをきっかけに私も各方面から相談を受けることが多くなってきました。今月は食物アレルギーの症状の中でも重症と言われる「アナフィラキシーショック」への対応についてお話をします。

 

アナフィラキシーショックって

 先日牛乳アレルギーのお子さんが子育てサークルで出されたピザを食べたところ、牛乳が入っていたようで体にじんましんが出て、咳がひどくなり、さらに顔色も悪くなるアナフィラキシーショックの状態になり、搬送されてきたというお子さんを診察しました。何回かアナフィラキシーショックを経験しているお子さんで、お母さんも食材には非常に気を使っていたようですが、確認した(牛乳不使用)にもかかわらず実際には混入していたようで除去の大変さを痛感しました。

一般的な食物アレルギーの症状は、じんましん・咳・下痢などがあります。複数の臓器に症状が出現する状態を「アナフィラキシー」と呼び、その中でも血圧が低下し意識レベルの低下や脱力を来すような場合を特に「アナフィラキシーショック」と言い、この場合は直ちに対応しないと生命にかかわる重篤な状態になります。

 平成13・14年の食物アレルギー全国調査(厚生労働科学研究)によるとアナフィラキシーショックの頻度は10%程度あり、決してまれなことではありません。アナフィラキシーショックが起こった場合、まず救急車を呼び医療機関に向かう体制をとり、同時並行で、処方されている方はアドレナリンの自己注射薬である「エピペン」を注射することが効果的です。30分以内にアドレナリンを投与することが患者の生死を分けると言われています。

 

エピペンをうまく利用するには

エピペンは2011年9月から保険適応となったため、急速に普及しています。体重15kg以上の方でアナフィラキシーがあった場合やそのリスクが高い場合が対象です。エピペンを使うタイミングとしては意識がなくなるようなショック症状に陥ってから使用するのではなく、その前段階である頻発する咳・ゼーゼーや呼吸困難などの症状がある段階での使用がより効果的であると言われています。必要性を判断した場合は、躊躇せずに勇気を持ってエピペンの投与を行なってください。エピペンの副作用は小児では血圧上昇や心拍数増加がありますが、軽い症状であると考えられています。調布市のケースでも見られたように、家庭だけではなく園や学校においてもエピペンの必要性が求められています。子ども・保護者・かかりつけ医のみならず、園や学校の先生方との連携も非常に大切です。

 

最近の動き

原因食品が食べられるかどうかはアレルギー検査だけでは判断に限界があり、食物負荷試験を実施しないと最終的に解除できるかわかりません。県内でも食物負荷試験を実施できる病院(山梨厚生病院・甲府共立病院・大学病院など)が増えてきました。このおかげで医療設備が整ったところで安心して負荷試験ができ、検査が陰性でなくても負荷試験で解除できるようになってきています。さらに、これまでの治療は除去主体でしたが、除去だけでは治らないお子さんに「食べて治す」という経口免疫療法という治療も始まっています。この治療はまだ研究段階であるため食物アレルギーの専門医が対応しています。

 

参考文献

保育所におけるアレルギー対応ガイドライン 厚生労働省

食物アレルギー診療ガイドライン2012

花粉症が終わり、桜が散り、ハナミズキが咲きほこる清々しい季節となりました。新年度を迎え新しい生活には慣れてきましたか?焦らずゆっくりと調整しましょう。先月、今年の目標だった南アルプス桃源郷マラソン大会に出場しました。40歳台10kmの部、タイムは51分59秒。楽しく走ろうと思ったのですが、なぜか真剣に走ってしまいました。50分が切れるようにまた挑戦したいと思います。天候もよかったので体にとてもいい1日となりました。

今月は、ここ最近、マスコミでも取り上げられている「風しん」についてお話します。

 

風しんが流行しています!

 風しんとは2~3週間の潜伏期間を経て、発熱・発しん・リンパ節腫脹などの症状が見られる病気です。原因は風しんウイルスです。咳やくしゃみなどにより他人に感染します。別名「三日はしか」とも呼ばれています。治療薬はなく、子どもは比較的に症状が軽いのですが、脳炎などの合併症が2,000~5,000人に1人の割合で起こります。大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもよりも長く、関節痛がひどくなります。

 昨夏から風しんの流行がみられ、全国調査では今年2月20日時点で、昨年同時期と比較し約20倍の患者数が出ています。今年3月末時点で、すでに昨年の報告数2,353人を上回っています。これまでにない患者数の増加がみられており、県内では昨年11人風しんにかかっています。患者さんの多くが、定期予防接種がなされなかった世代である20~40歳代の男性でした。昨年の厚生労働省の調査によると30~40歳代の男性の2割弱は風しんの抗体がありません。風しんは春から初夏にかけて流行するのでこれからさらに患者数の増加が予想されます。風しんの患者数が多くなると「先天性風しん症候群」にかかるお子さんが増えて問題になります。

 

妊婦さんが風しんにかかると

 妊娠初期(とくに12週まで)の妊婦さんが風疹にかかると、胎児が難聴や心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの症状をもつ「先天性風疹症候群」という病気にかかる可能性があります。昨年は全国で5人、今年は1人がこの病気にかかってしまいました。

 

風しんにかからないようにするには

 風しんを予防するには予防接種しかありません。妊娠している場合は接種できないため、妊婦さんへの感染を防ぐため、妊婦の夫、子どもやその家族の方で予防接種をしていない場合は接種してください。妊婦さんは妊娠すると風しん抗体を調べ、抗体の値が低い場合は出産後接種をするように言われます。接種した場合は2ヶ月の避妊が必要になります。県内ではまだ実施していませんが、流行を防ぐために東京都や一部の市町村ではワクチンの半額助成を行い、予防接種をしやすくしています。

 現在、風しん流行のため風しんワクチンが足りなくなっており、十分な量が供給されていません。ご希望の方は麻しん風しん混合ワクチンを接種することをお勧めします。大人の方の多くは麻しんワクチンを1回しか接種していないので麻しんの免疫をつけることにもなりますので、風しん単独のワクチンより混合ワクチンがよりよいと思われます。また、ワクチンをしたかはっきりしない場合は抗体の検査でわかりますが、費用もかかるため、抗体検査せず接種することをお勧めします。接種回数は子どもの頃の回数も含めて2回です。詳細はかかりつけ医に相談してください。

 

祝、笛吹市で3ワクチン助成開始!

 笛吹市では4月からロタウイルス・水ぼうそう・おたふくかぜの3ワクチンが公費助成となりました。公費助成は全額ではありませんが、個人負担が軽減されます。県内初でとてもうれしいニュースです。笛吹市在住の方はぜひ助成を活用して積極的に接種してください。合わせて他の市町村にも助成が広がっていくことを期待したいと思います。今年4月から予防接種法が一部改正され、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンの3つが定期接種に加わりました。まだ任意のワクチンが残っています。早く定期接種化(=無料)して欲しいものです。

 

参考文献

国立感染症研究所ホームページ 風疹

http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella/392-encyclopedia/429-crs-intro.html

先月のG・Wには妻が被災地ボランティアに行った岩手県山田町を1年ぶりに訪れました。ボランティアを通じて知り合った地域の人の話によると、役場にはまだ県外からたくさんの応援職員が来ていて、毎日夜遅くまで復興に関する仕事をしているとのことでした。がれきの山は大分片付いて、仮設の商店街もできていました。ちょうどG・Wということもありお祭りの催しにも参加し、活気が戻りつつあるように感じました。一方で数百世帯が一緒になっている仮設住宅はあちこちに点在し、そこで生活している人々にとっては震災前と比べ程遠い状態であることを思い知らされました。数日後の新聞では復興予算が別の目的で使われている報道がありました。やるせない気持ちになりました。

さて、新聞・TVなどで報じられていますが、風疹の流行がまだまだ止まらず患者数が増えています。当クリニックでも大人の方が風疹ワクチンの在庫がないため麻疹・風疹混合ワクチンを接種するケースが増えています。風疹の免疫のない大人の方はぜひワクチンをしてください。先月は風疹の恐さをテーマとして取り上げました。今月は、風疹以外に妊娠中にかかると胎児に影響がでる病気についてご紹介したいと思います。

 

トーチ症候群って?

妊娠中に初めて感染すると胎児に障害を引き起こす病気として、トキソプラズマ(Toxoplasma)、風疹(Rubella)、サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)、ヘルペス(Herpes)、リンゴ病・梅毒など(Other)があり、これらの病気の頭文字をとって「TORCH(トーチ)症候群」と言います。妊娠中にサイトメガロウイルスやトキソプラズマにかかった患者の会「トーチの会」が昨秋立ち上がり、この病気の予防啓発に取り組んでいます。

10年前に行われた日本小児感染症学会の実態調査によると、サイトメガロウイルスは年50人、トキソプラズマは年5人程度と診断されていますが、診断がついていないケースもかなりいるのではないかと言われています。

 

サイトメガロウイルス感染症とは?

 サイトメガロウイルスは主に母乳や子どもの唾液や尿に触れて感染します。以前まではほとんどの方が感染していましたが、最近、妊娠可能な女性の抗体保有率が約9割から約7割に減っています。妊娠中に初感染した場合、妊婦さんは無症状か軽いかぜ症状がでる程度ですが、胎児にかかると、流産・死産、脳や聴力障害などを生じることがあります。子どもの唾液や尿を触ったら手洗いをきちんとすることが予防につながります。

 

トキソプラズマ症とは?

トキソプラズマという原虫による感染症で妊婦の抗体保有率は約1割と言われます。生肉やネコの糞や汚染された土の中を介して経口感染でうつります。健康な方がかかってもサイトメガロウイルスと同様の症状がある程度ですが、妊婦さんが初感染し胎児にかかると流産・死産、脳や眼の障害などが生じることがあります。加熱不十分な肉を食べないことやネコの糞の処理や土をいじるときには手袋をすること、合わせて作業後の十分な手洗いが大切です。

 

妊娠中の感染予防のための注意事項―11カ条   

  • 石鹸と流水で、頻繁に手を洗ってください。
  • 小さな子どもとフォークやコップなどの食器を共有したり、食べ残しを食べることはやめましょう。
  • 肉はしっかりと中心部まで加熱してください。
  • 殺菌されていないミルクやそれらから作られた乳製品は避けましょう。
  • 汚れたネコのトイレに触れたり、掃除をするのはやめましょう。
  • げっ歯類(ネズミの仲間たち)やそれらの排泄物(尿、糞)に触れないようにしましょう。
  • 妊娠中の性行為の際には、コンドームを使いましょう。
  • 母子感染症の原因となる感染症について検査しましょう。
  • B群溶血性レンサ球菌の保菌者であるか検査してもらいましょう。
  • 感染症から自分と胎児の身を守るために、妊娠前にワクチンを打ちましょう。
  • 感染している人との接触を避けましょう。

一部の病気には治療薬がありますが、診断がしっかりとできないと治療薬も使えません。風疹以外は予防するワクチンもありません。これらの病気について知ることが予防につながります。

 

参考文献

トキソプラズマ(国立感染症研究所) http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3009-toxoplasma-intro.html

サイトメガロウイルス(国立感染症研究所) http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/407-cmv-intro.html

「トーチの会」ホームページhttp://toxo-cmv.org/

新年度をみなさんはどう過ごしていますか?我が家の子どもたちはそれぞれ進級だけなので落ち着いています。ただし担任の先生がどんな人かは気になります。入園・入学のあるご家庭においては、新生活を楽しみながら徐々に慣れていけるといいですね。

 花粉症の皆様、この時期はとにかく憂鬱でしょう。私も花粉症で、薬を飲まずにいると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが止まりません。北海道と沖縄にはスギがないのでスギ花粉症はなく羨ましい限りです。うちでは10歳の息子が今年初めて花粉症になってしまいました。私よりも症状がひどく、飲み薬・点眼薬・点鼻薬でしっかり治療しています。花粉症用のメガネも買って使用したところ、効果があるようです。先日、干したふとんに寝ようとしたら5分後には目がかゆいと訴えてきました。今月はシーズンである花粉症のお話をします。

 

はじめに

 国民の4人に1人が花粉症と言われ、子どもの発症は低年齢化してきています。当科でも花粉症の発症年齢は3~4歳からみられ、年齢が上がるほどに多くなっています。今シーズンの花粉飛散量は、例年と比較して少なかった昨年よりも多く、例年の2倍程度とも言われています。スギ花粉の飛散は2~4月です。5月以降も症状がある場合はヒノキの花粉症かもしれません。専門の医療機関は鼻症状がメインであれば耳鼻科、目の症状がメインであれば眼科ですが、小児科・内科でも対応できます。

 

症状と診断

 典型的な症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみです。ひどい場合は集中力が低下したりして、日常生活に悪影響が出てきます。症状と合わせて、鼻の粘膜が腫れているかどうかや皮膚テスト、血液検査(血清特異的IgE抗体)などを基に診断します。鼻水や鼻づまりの症状では感冒と区別しづらい場合もあります。目のかゆみを繰り返した場合は花粉症がかなり濃厚と考えてよいでしょう。子どもの場合、年齢が参考になり、0・1歳はあまりいません。

 

治療法

治療は薬と花粉回避の2本柱です。薬は飲み薬と点眼薬や点鼻薬があります。薬の種類は年々増え、副作用である眠気は少なくなってきています。合わせて服用回数も1日1~2回と少なくなり、飲みやすい味になっています。基本は飲み薬である抗ヒスタミン薬を内服します。症状の程度によって、点眼薬や点鼻薬を併用していきます。症状がひどくなる場合はさらに抗ロイコトリエン拮抗薬を追加する場合もあります。

別の治療で症状が重い場合は、スギのエキスを注射して根本的に治す特異的免疫療法や鼻閉を改善するためにレーザー手術や切除術などがあります。

受診が難しい場合は抗ヒスタミン薬などがドラッグストアでも販売されています。花粉症の薬は副作用で眠気が気になりますので、眠気の少ない薬を選んでください。

 

花粉を避けるには

  • 飛散の多い時は、外出を控える。
  • 飛散の多い時は、窓・戸を閉める。
  • 飛散の多い時は、外出時にマスク・メガネを着用する。
  • 外出時、毛織物などのコートは避ける。
  • 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
  • 掃除を励行する。

以上を参考にしてください。子どもは外に出ないで生活することは不可能ですので、できることからやっていきましょう。

最後に、究極の治療はスギをなくすことです。伐採し別の木に植え替えるなど抜本的な話を進めていただきたいと思います。

 

BCG接種推奨時期が「生後5ヶ月から8ヶ月未満」へ変更

 生後2ヶ月から始まる予防接種が種類も回数も多くスケジュールが密であることと、生後早期の接種で起こる骨炎などの副作用を減らすために、BCG接種時期が今までの「生後6ヶ月未満まで」から「1歳未満まで」と引き上げられました。また合わせて推奨時期を「生後5ヶ月から8ヶ月未満」に変更されました。今月から適用されますので、今までよりスケジュールが立てやすくなります。

 

参考文献

アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2010 協和企画

花粉症と周辺アレルギー疾患 診断と治療社

3月3日はひな祭り。我が家でも昨年初めて女の子が生まれたので、家族皆で健やかな成長を祝いたいと思います。また今月は卒園・卒業式の季節でもあります。立派に育った子どもたちの旅立ちの節目です。園・学校で過ごす残りの日々を大切にしたいですね。

日曜夜9時からTBSテレビで放送中の「とんび」、観ていますか?母親を早くに亡くし不器用な父親1人で息子を育てる物語です。年をとったせいか自分の幼少期や子育てと重ねると、つい涙腺が緩んでしまいます。

今月は診察や健診の時によく質問される「包茎」についてお話します。

 

包茎の自然経過

 包茎は亀頭が包皮に覆われて露出していない状態をいいます。生まれた時は亀頭が包皮で完全に覆わていますが、大きくなるにつれて、亀頭と包皮の間に隙間ができ剥がれてきます。この間に脱落した組織や分泌物が垢(恥垢)として溜まります。恥垢は無菌で亀頭包皮炎の原因にはなりませんので無理に取る必要性はありません。思春期になると、男性ホルモンの影響で包皮が柔らかく伸びやすくなり、亀頭や陰茎が発達し亀頭が露出した状態になってきます。これが自然におこるプロセスです。

お風呂でおちんちんの皮をむくようにした方がいいのかとよく質問されますが、まったくその必要はありません。おちんちんの手入れについて特別なことは特にありません。むいて洗う必要はなく、外側だけ洗って終わりです。お父さんに聞いてみてください。「何もしていないよ」と言われると思います。私自身もうちの4人の男の子も何にもしていません。包皮は子どもの時期は亀頭を保護する役割を担っているとも考えられています。

 

包茎で治療が必要な場合は?

子どもの包茎は基本的に何もする必要はなく治療対象にはなりませんが、以下の場合は治療が必要になります。

  • 排尿時に包皮の出口が狭く、亀頭と包皮の間に尿が溜まり、尿が出しづらい場合
  • 亀頭と包皮の間に細菌が繁殖し、赤くなったり膿がでる亀頭包皮炎を繰り返す場合
  • 水腎症や膀胱尿管逆流などの病気があり、尿路感染症を繰り返す場合
  • 狭い包皮を無理にむくと元にもどらなくなり亀頭がむくんでしまう「嵌頓包茎」を繰り返す場合

包茎に対する治療は今までは包皮を切除する手術(環状切除術)が行われてきましたが、最近ではステロイド軟膏を塗り包皮を伸展させる方法が広く行われるようになってきました。ステロイド軟膏を4~8週使用すると80~90%以上で効果が期待できると報告されています。手術は全身麻酔で行うリスク・手術後の合併症・心理的な面・将来の性活動などを考慮に入れ行うかを慎重に考えてください。治療に関しては、小児外科や泌尿器科で対応しています。

 

ヒブワクチン追加接種時期が早まる

昨年12月中旬からヒブワクチンの追加接種の時期が変更されました。ヒブによる細菌性髄膜炎は生後6ヶ月から1歳代に多く、早く追加接種をした方がよいためです。今までの初回接種の時期が「1年後接種」から「7~13ヶ月後接種」へと早まりました。

 

体罰について私も言いたい

 体罰問題の報道が後を立ちません。学校だけでなくスポーツ界全体に広がり、根深い問題であることが浮かび上がっています。私は体罰、絶対反対です。私自身中学生の時、非がなくても何かと頭を叩かれた思い出があります。これでは子どもは納得もいかず先生との信頼関係が薄れます。体罰を受けた子は大人になって子どもに手を出しやすくなります。時間はかかりますが言葉で語り、わかってもらうことがとても大切です。私は自分の子どもに手を出さず、育てています。親や指導者である大人が自分を磨き、手を出さず、子どもを育てる方法を学ぶ必要があります。安易に手を出すことは未熟な大人が行う行為です。

 

参考文献

浅沼宏:病院に行ったほうがいい?子どもの包茎.チャイルドヘルス:20-23, 2013

「切ってはいけません!日本人が知らない包茎の真実」(石川英二著・新潮社)

ページトップ