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院長コラム

長い夏休みがやっと終わりました。通常通りの生活に戻ってきている頃でしょうか。我が家は家族で8月に毎年恒例の市川大門花火大会を見に行きました。年々進化している色鮮やかな、大小様々な花火の数々。観る人たちを本当に楽しませてくれます。

さて、数年前から予防接種時期や種類などが以前とずいぶん変わってきました。今月は予防接種についての最近情報をお伝えします。

 

生後2か月になったら予防接種をスタートしよう!

ここ数年で予防接種の種類が多くなったため、早めに接種を始めることをお勧めします。生後2ヶ月からスタートできるワクチンには「ヒブワクチン」「肺炎球菌ワクチン」「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」の4種類があります。これらのワクチンを同時接種で行なえば、早く免疫(=病気を守る)がつきワクチンで病気を防ぐ体が出来上がります。現在「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」は費用がかかりますが、すべてのワクチンを接種し、大切なわが子が病気にかからない体にしてあげましょう。特に第一子の場合、全てに慣れないこともあり、家族皆が毎日慌ただしく過ごしていると思います。ママの体も回復しつつある1か月健診後、周囲の人やネットなどの情報を参考にかかりつけの小児科を探し始めてください。生後2か月になるまでに予防接種の予約をしておくことがお勧めです。

 

不活化ポリオワクチン、9月からスタート!

 生ポリオワクチンは100万人に1~2人の割合でワクチン由来の麻痺を起こすことがありました。そのため麻痺の心配がまったくない不活化ポリオワクチンが9月から公費接種できるようになりました。不活化ポリオワクチンは飲むワクチンではなく、注射のタイプになります。時期は生後3カ月から可能で、接種間隔は3種混合ワクチンと同様に3週以上の間隔をあけて初回接種3回後、12~18か月後に追加接種1回の計4回接種となります。9月から始まる不活化ポリオワクチンは以前から世界中で使用されていたワクチンであり、安全性に問題はないと考えてください。さらに現在の3種(DPT)混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを合わせた4種混合ワクチンが11月には始まる予定となっています。4種混合ワクチンができれば、接種回数が減ることになり利便性が向上します。さらにフォームの始まり昭和50~52年生まれのパパやママは子どもの頃に飲んだ生ポリオワクチンの効果が弱かったため、再接種をするように呼びかけています。お子さんと一緒に不活化ポリオワクチンを注射するのはいかがでしょうか?

 

ロタウイルスワクチンは2種類から選べる

 ロタウイルスワクチンが今まで「ロタリックス」のみだったのが、7月中旬からもう1種類、「ロタテック」が使用できるようになりました。ロタリックスは1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンであるのに対して、ロタテックは5種類対応します。効果としてはロタリックスが1種類のみですが、似ているウイルスに対しても免疫を獲得する交差免疫によって他の種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。2つのワクチンを比較した正確なデーターはありませんが、2種類のワクチンとも同等の高い効果があります。接種回数はロタリックスが2回、ロタテックが3回です。接種費用はほぼ同じくらいです。どちらを接種するかはかかりつけの先生と相談をしてください。

 

風疹が流行

 今夏から都市部を中心に風疹が流行していています。妊娠初期の妊婦さんが感染すると、赤ちゃんに難聴や心疾患・白内障・発達の遅れなどの「先天性風疹症候群」になることがあり注意が必要です。妊娠中の検査で風疹の抗体が低いと言われた場合、出産後、生まれたお子さんと一緒に風疹ワクチンの接種をお勧めします。麻疹ワクチンを今までに1回しか接種していない場合、麻疹と風しんが2つ入った混合ワクチンをしていただきたいです。

 

参考文献

ポリオとポリオワクチンの基礎知識(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html

Know VPD VPDを知って子どもを守ろう!

http://www.know-vpd.jp/

風疹 発生動向調査(国立感染症研究所)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/700-idsc/2131-rubella-doko.html

夏本番、海へ山へといろんな経験をお子さんと一緒に楽しんでください。うちは富士山に登ってきました。2年前は一番下(当時小2)が9合目で高山病にかかりギブアップしたため下山、今回はリベンジでした。一番下は自信がないため参加せず、上の子ども3人と私で登り始めました。悪天候の中、念願の登頂を果たしました。子どもが大きくなると一緒に何かを経験する時間がなかなかとれなくなります。今回はよい思い出となりました。

先月の続きで、発達障害の具体的な対処法や最終目標についてお話します。

 

診断はあくまで入口

子育ての中で育てづらさを感じている場合、発達障害であるかもしれません。気になる場合は親だけで悩むのは得策ではありません。落ち着きがない・自分の世界に入ってしまう・友達と遊べないなどがある場合は勇気を出して専門機関へ相談することが大切です。発達障害を見過ごしていると、小学校に入ってきて、本来の症状に加えて、学業不振や不登校、ひきこもりなどの二次障害が起きやすくなると言われています。早めに対応することはお子さんの自己肯定感を低くしないためにも大切なことです。

診断がついたら終わりではなく、障害の特性を理解することで、子育てがしやすくなりますし、無用な叱り方も避けることができます。診断は医師が行いますが、医師だけに頼るだけでは十分とは言えず、園・学校、家族、周囲の方々に理解してもらいながら子どもとかかわっていくことが大切だと思います。

 

具体的な対処法

 発達障害のお子さんの特性を知っていると対応がスムーズにできます。代表的な事柄について2つ紹介します。

一つ目は耳から入る情報が、聞こえるが頭に入っていきにくいという特性があります。遠くから大声で話しても伝わりづらいです。目からの情報も合わせると理解しやすいので、写真・文字・絵を併用すると伝わりやすくなります。

 二つ目は子どもへの声かけです。例えばお子さんに座っていてほしいとき、命令形の「座っていなさい!」や禁止形の「すわっていないと駄目!」ではなく、希望形の「座っているとうれしいな~♡」という表現がお勧めです。命令形や禁止形で言うとその後ほめづらいのですが、希望形なら、うまくいった時にセットでほめることができます。「~してくれるとうれしいな~♡」の希望形をどんどん使って対応しましょう。

 

最終目標

 平岩先生は最終目標を「自分に自身がもて上を向いて生きていくこと」、「社会で生きていけるようになること」の2点だと言っています。

「自分に自身がもて上を向いて生きていく」には自己肯定感・自尊心を高めることが大事で、自分はよいやつだと思えるように、うまくいった経験つまり成功体験を積み重ねる必要があります。どんな小さなことでも、ほめてあげることが大事です。何かができたらほめてあげること、大人からすればたいしたことではなくても、子どもにとってはほめられることで自信がつきますし、親から愛されていることを実感します。その結果として自分自身が好きになります。座っていられたことをほめたり、おとなしく話を聞いていられたことをほめてください。ほめて育てることがコツです。もちろんですが、体罰は厳禁です。

「社会で生きていけるようになる」にはあいさつをする・ルールを守るなどの基本的な社会生活習慣を身につけて、さらに自分で稼げるようにしなければなりません。職業も本人の特性を理解しながら、その特性を武器に活かせるような職業を選択することをお勧めします。例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合は、特性として疲れを知らず、動き回るパワーがあります。授業中に動き回るとクラスメートに迷惑をかけますが、職業としてはセールスマンや営業などが向いています。

発達障害を取り巻く環境はまだまだ十分に整備されているとは言えず、無理解による誤解も起こります。ママだけでなくパパも一緒に対応しましょう。そして、あせらず、がんばりすぎず、あきらめずに対応することが大事です。

以上の話は決して発達障害のお子さんだけでなく、すべてのお子さんに当てはまります。私も自戒しながら子育てに役立てています。

 

参考文献

小児科臨床「最近注目されている発達障害」vol61,2008

発達障害 子どもを診る医師に知っておいてほしいこと 平岩幹男 金原出版

幼稚園・保育園での発達障害の考え方と対応 平岩幹男 少年写真新聞社

梅雨が明けると夏本番です。暑さ対策は万全ですか?昨年同様、節電の夏になりますが、水分補給や適度にクーラーや扇風機を使用して熱中症にならないように気をつけたいものです。

 昨今、「発達障害」という言葉をいろいろなところで耳にすることが多いかと思います。発達障害は少し前には「軽度発達障害」と言われたこともありました。軽度というと「軽い障害」だけだと誤解が生まれることから、今では「発達障害」という言葉に統一されています。発達障害の歴史は決して古くなく、20~30年前から診断や治療が始まっています。発達障害の専門家は小児神経科や児童精神科が担当しますが、専門家が足りず、予約し診察まで数か月待つことも多いです。発達障害は決して稀ではなく、近年の調査では子どもの10%近くいるとも言われており、より身近なこととして、親や園・学校、医療機関みんなで理解し支援していくことがとても大切であると思います。私自身も診療や園医をしながら発達障害のお子さんと関わっています。専門家でない一般小児科医の立場からみなさんに発達障害についてわかっていただきたいと思い今回のテーマに取り上げました。今回は発達障害の治療・研究についての第一人者である平岩幹男先生の講演や執筆した本を参考にしました。

 

発達障害とは

平成17年に施行された発達障害者支援法では「発達障害」を「自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害・その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。平岩先生は「発達の過程で明らかになる行動やコミュニケーション・社会適応の障害」と述べています。

1つの障害に対する特性がありますが、1人1人がもつ障害は人によって程度が様々です。ある人は注意欠陥多動性障害とアスペルガー症候群の両方の特性を持っていたり、さらに学習障害が合併する場合もあったり、年齢や環境により目立つ症状が違ってきたり、診断された時期により、診断名が異なることもあります。

 

主な障害の症状は

自閉症の症状は社会性の問題・コミュニケーションの問題・想像力の問題の3つが挙げられます。身振り手振りが理解できない・不器用さがある・視線があわない・周囲を気にせず熱中するなどが見られます。知的な障害がない場合をアスペルガー症候群と呼んでいます。最近では、アスペルガー症候群を高機能自閉症と呼ぶようになってきています。

学習障害は読む・書く・計算するなどの特定の能力を学んだり、おこなったりすることに著しい困難があります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)は忘れ物が多い・作業を途中で投げ出す・集中できないといった「不注意」とじっとしていられない・そわそわしている・すぐに歩き回る・割り込むなどの「多動・衝動性」が主な特徴としてあります。

 

原因はしつけが悪いわけではない

発達障害の原因が、遺伝的なこと・胎児期の環境の影響・喫煙・テレビやビデオを長時間視聴するなど可能性はあると言われていますが、現在のところ、決定的なものがわかっていないのが現状です。決してしつけや環境が悪いからということが原因ではないので、周囲の無理解で親を責めたりすることはしないでください。

 

大切なこと

 今までに述べた発達障害の症状を知ると、自分の子どもが大丈夫か気になってくるかもしれません。特に園・学校の集団生活の中でお子さん自身が困っていたり、園・学校の先生方や周囲の子どもたちが対応に困難を感じている場合は発達障害の可能性がないかどうか気にした方がいいかもしれません。お母さんだけが気になり困っているときは勇気を出して、園・学校に相談をして集団生活の中で対応に困っていることはないのかを聞いてみてください。また、園・学校から「少し気になっている」と言われた場合は家で困っていなくても、どう気になっているのかを園・学校に聞いてみると、お子さんを育てていくうえでプラスになると思います。園・学校とうまく連携しながらお子さんを育ていく一番の理解者・責任者は親です。   

来月は具体的な対処法や最終目標についてお話します。

 

参考文献

小児科臨床「最近注目されている発達障害」vol61,2008

発達障害 子どもを診る医師に知っておいてほしいこと 平岩幹男 金原出版

とても過ごしやすい季節になっていてきましたね。

小さなお子さんを持つ保護者は、最近報道で取り上げられているポリオワクチンのことが気になっていると思います。やっと、認可の不活化ポリオワクチンが今秋に始まることに決まりました。さらに来年度から子宮頸がん・ヒブ・肺炎球菌が定期接種化(公費負担)となるそうです。水痘・おたふく・B型肝炎ワクチンも一日でも早く定期接種化していただきたいと強く思います。

今月は身近な病気である「じんましん」について取り上げます。皮膚科が中心でみる病気ですが、小児科でも診る機会が多い病気です。昨年、日本皮膚科学会から出された「じんましん診療ガイドライン」を基にお話します。

 

じんましんとは 

じんましんは皮膚の一部に突然蚊に刺されたような赤いふくらみがでてきて、かゆみを伴うことが多い病気です。多くの場合、数時間程度でおさまります。赤くふくらむ場所は大きさが様々で、いろいろな場所に出たり消えたりします。数日同じ場所に赤みが出続ける場合は、じんましんではなく他の病気が考えられます。1ヶ月以内でおさまる場合を「急性じんましん」、1ヶ月以上続く場合を「慢性じんましん」と言います。じんましんはアレルギーの病気の一部であり、花粉症・ぜんそく・アトピー性皮膚炎などがある方はかかりやすいと言われています。ガイドラインではじんましんの種類を、「特発性」「刺激誘発型」「血管性浮腫」「じんましん関連疾患」の4つに分けています。今回はじんましんに多くみられる、原因がはっきりしない「特発性のじんましん」と食物・薬・日光・寒冷・機械的刺激・運動・汗などが原因で出る「刺激誘発型のじんましん」の2つを取り上げます。

 

一番多いタイプ~特発性のじんましん~

 一番多いタイプは、原因がはっきりせず毎日のように繰り返し症状がでる「特発性のじんましん」です。疲れや感染もきっかけになることもありますが、特に原因もなく出ます。経過が長くなると、何が原因なのかと心配になってきます。慢性じんましんの原因を調べた29の論文を分析したところ、原因がわかったケースが6462人中105人、1.6%でほとんど原因がはっきりしませんでした。特発性のじんましんの場合、原因を調べてもわからないことが多く、特別な検査は必要ありません。

 

治療の中心は、原因があれば除去+抗ヒスタミン剤

 治療の基本は、原因があれば除去をすることと抗ヒスタミン剤を飲むことです。ガイドラインでは、症状が消えてすぐにやめると再発するため、「急性じんましん」では数日から1週間、「慢性じんましん」では1~2ヶ月症状が治まった後も飲み続けるように書かれています。抗ヒスタミン剤は花粉症・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎でも広く使われている薬です。副作用として眠気がでたりしますが、長く飲むことでの薬の蓄積はなく、数ヶ月~数年飲んでも問題ありません。

また「刺激誘発型のじんましん」では、原因となる食品・薬は飲まない、疲れやお酒を飲むと出る場合は体を休める、皮膚がこすれ出る場合は締め付けない服にする、特殊な例として特定の食品を食べ運動して出る場合は、食後の運動を避けるなどの工夫が大切です。

もう少し知りたい場合は、「じんましんってどんな病気?」(http://www2.jaanet.org/guideline/06_jinma/data/02_jinma-k.pdf)にわかりやすく書いてありますので参考にしてください。

 

インフルエンザとおたふくかぜの出席停止期間が変更

今年4月、文部科学省からインフルエンザとおたふくの出席停止期間が見直されました。抗インフルエンザ薬の登場で以前より熱が早く下がり、早めに登校し感染が拡大することが問題となっていました。

そのため、インフルエンザは、従来の「解熱後2日」から「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」に、おたふくかぜは「耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」に変更となりました。

 

参考文献

日本皮膚科学会蕁麻疹ガイドライン 日皮会誌121(7):1339-1388フォームの始まり

ようやく暖かくなってきました。暖かい日は外で体を動かしたくなりますね。私は仕事場まで自転車で通勤をし、休みの日は家の近くの荒川でランニングをして運動不足解消をしています。

 3年前から月に1度アレルギー専門病院での研修をしながら、今年1月、アレルギー専門医の試験を受けました。先月発表があり、見事合格することができました。県内では小児科医2人目になります。これからも今まで以上にアレルギーの患者さんに最新の医療を提供していきたいと思います。

 今回、「アレルギー専門医」を取得したので、改めてアレルギー全般についてお話します。

 

アレルギーって何?

 アレルギーとは、免疫反応が特定の抗原(アレルゲン)に対して過剰に起こることを言います。アレルギーには、抗体(体が作る免疫物質)やリンパ球の2つが主に関与しています。抗体やリンパ球が正常に働いていれば問題ないのですが、このバランスがくずれると、通常は反応することのないホコリ・ダニ、スギ花粉などに過剰に反応してしまい、目のかゆみ・くしゃみ・鼻水などの症状がでます。これが、アレルギーの症状といわれているものです。

アレルギーのメカニズムがわかってきたことで、過剰に働く部分を抑えるようなお薬の開発も進んでいます。ここ数年でも続々と副作用の少ない効果のあるお薬が登場し、アレルギーの患者さんの治療薬として役立っています。

アレルギーの患者数は現在、世界的に増えています。日本では全人口の30%を超えていると言われています。原因としては遺伝的なことだけではなく、家の構造・衛生状態など環境の影響も考えられており、一つではなく複数の要因があると言われています。先進国や都市部にアレルギーが多いこともわかっています。アレルギーの主な病名としては、ぜんそく・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・花粉症・アレルギー性鼻炎・じんましんなどがあります。

 

「衛生仮説」ってご存知ですか?

 少し難しい話になりますが、約20年前に発表されたイギリスのStrachan博士により提唱された「衛生仮説」という学説が最近注目されています。これはアレルギーの子どもを対象にして調査をしたところ、かぜなどの感染症にかからないとアレルギーの子どもが増えるという結果が出ました。他の調査では「家畜を飼育している農家の子どもの方が環境中のエンドトキシン(=細菌が出す毒素)が多く、アレルギーになりにくい」、「ペットを飼っていた子どもは、ペットにいる病原体と接触する機会が多いため、アレルギーになりづらい」などがあります。感染しないことで免疫を刺激することができなかったり、衛生状態がよすぎることや病原体との接触が減ることが原因で、アレルギーになりやすくなるのではないか言われています。アレルギー症状が出ている方は除いて、多少不潔であることは悪いことではないかもしれません。

 

アレルギーマーチについて

 アレルギーは年齢とともに変わってくることがあります。アレルギーが行進(マーチ)しているように変わっていくので「アレルギーマーチ」と呼ばれています。よくあるパターンとして、乳幼児期にアトピー性皮膚炎を患い、皮膚の症状が落ち着き始めた頃、ぜんそくが発症、学童期にアレルギー性鼻炎になったりします。中には症状がよくなってしまうこともあり、人によって病気の出方は様々ですが、病気が変わってくることが子どもにはよくあります。

アレルギーって、漠然としていてわかりにくい分野だと思います。私も最初勉強し始めた時、わかりづらいと感じていました。インフルエンザの場合の診断は検査キットを使うことで簡単に診断がつきますが、アレルギーの場合、検査だけで診断がつくところまでいきません。検査が陽性だとアレルギーの体質があるということまでしかわかりません。アレルギーの診断は症状や経過・父母のアレルギーの有無を検査結果と合わせて総合的に判断するため、特に境界域の場合などわかりづらさがあるかもしれません。

 

参考文献

臨床アレルギー学(南江堂)

松本健治 衛生仮説とアレルギー疾患の発症 アレルギー2010;59:815-21.

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