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院長コラム

残暑が厳しいですが、体調管理はいかがですか、秋はもうすぐです。今夏、手足口病が大流行しました。かかったお子さんも多かったのではないでしょうか。ここ数年、我が家の夏のトピックスは地区の子どもクラブで行われるソフトボール大会です。この時期になると朝食・夕食ともに家族の話がソフトボール大会一色になります。学校がある朝は自分から起きない子どもたちがソフトボールの朝練の日は自ら起きてきます。小学生や中学生が入り混じるチームはクラブ活動とは違った和やかな雰囲気があり、子どもたちだけでなく、親も楽しめました。

今月は最近、変化の激しい予防接種事情についてお話したいと思います。

 

病気はかかる時代から予防する時代へ

最近の予防接種の動きをみていくと、状況が大きく変わっています。日本脳炎ワクチンが改良され、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンが登場しました。ここ数年で大きく変化してきましたが、日本はまだまだ予防接種については欧米に大きく遅れをとっています。例えば、日本でようやく登場したヒブワクチンは、欧米では20年前から使用されています。日本で問題になっている生ポリオワクチンは、アメリカで2000年(13年前)から不活化ポリオワクチンに切り替えられています。日本では来年ようやく不活化ポリオワクチンを使用できそうな状況です。今秋には、ロタウイルスワクチンが使用できるようになります。新しい予防接種の登場で、防げる病気が増えるのでとてもありがたく思います。副反応についても当然、気になると思います。ワクチンの品質が向上し、以前に比べて、ゼラチンをはじめいろいろな不純物を除去することで、副反応が減ってきています。熱や局所の腫れは起こりますが、全身に及ぶ大きな副反応は稀になり、安全性は向上していますので安心して受けられるようになっています。小児科医は子どもたちにすべての予防接種を早いうちに接種することで、不必要な病気にかからないで済むことを願っています。

 

生後2ヶ月になったらすぐヒブ・肺炎球菌ワクチンを接種!

 予防接種は生後3カ月になったらと思っていませんか?定期接種である3種混合ワクチン・BCG・生ポリオワクチンは3カ月で始まりますが、生後2カ月になったらすぐにヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンを接種することができます。早く接種すれば、免疫を早く獲得でき、病気を守る体になります。そして、生後3カ月になったら、3種混合をして百日咳の免疫をつけてから、BCG・ポリオの順で接種をお勧めしています。但し、BCGは6カ月未満で接種しなければならないことを忘れないでください。

 

早く免疫をつけるために同時接種がお勧め!

 今秋からロタウイルスワクチンが始まります。生後2カ月から多くのワクチンを接種する必要がでてきます。多くのワクチンを早く接種する上でお勧めは、1度の接種で2~3種類のワクチンを接種する「同時接種」がお勧めです。今年3月にヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種が問題になりましたが、厚生労働省の最終答申では、「同時接種は問題なし」という結論が出されました。同時接種は世界中で普通に行われていて、問題となっていません。同時接種の安全性は1回接種である単独接種と変わらないと言われ、早く免疫を獲得でき、来院回数も減ることからお勧めです。ただし、単独接種ではいけないということではありませんので、かかりつけの先生と相談をして接種を進めてください。

 

不活化ポリオワクチン、来年認可へ

 ポリオワクチンについては3月号で詳しくお話ししましたが、日本では現在、ポリオワクチンには生ワクチンを使用していて、生ワクチンを飲んだことが原因でポリオにかかる人が年に数人程度みられることが問題になっています。このため、先進国のほとんどがポリオにかからないですむ「不活化ワクチン」へ切り替わり、日本もようやく来年には認可され使用できるようになりそうです。

認可まで待てないという保護者の声の高まりから、今年初めから個人輸入という形で不活化ポリオワクチンの接種を行う医療機関がでてきています。2011年8月現在で全国に166医療機関あります。うちのクリニックも保護者の声をきっかけに不活化ポリオワクチンを始め、県内だけでなく、県外の方からも来院されています。希望者が予想以上に多く、保護者の意識の高まりに驚いています。来月も続けて予防接種についてお話します。

 

参考文献

Know VPD VPDを知って子どもを守ろう!

http://www.know-vpd.jp/

小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種の再開について(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016yw1.html

不活化ポリオワクチン

http://sites.google.com/site/ipv4japanesechildren/home/ipvclinic

 

夏本番ですね!今年は6月から真夏日がみられ、例年と比較しても早い梅雨明けでした。山梨の夏は盆地のため、東京に比べて昼間の気温が高く、夜は低くなります。昨夏の熱帯夜(最低気温25度以上)の日数は東京が27.8日に対し山梨は4.0日でした。山梨の夜は東京に比べて過ごしやすいのですが、昼間は暑いので、熱中症対策はしっかりとしておかなければなりません。

今月は熱中症対策についてお話しします。

 

熱中症ってどんな病気?

私たちは体温が上がると、主に汗をかくことで、熱を逃がし、体温を下げます。熱中症は高温多湿の状態で、汗が蒸発できなくなり、体温調節が難しく体のバランスを崩してしまい、いろいろな症状が起こる病気です。

猛暑の戸外で活動しているときに起こることが多いのですが、子どもの場合は閉め切った室内や体育館、自動車の車内などで起こることもあります。地表に近いほど体感温度が上がり、同じ気温でも背が低い子どもは大人よりも高温になります。体温調節が未熟である子どもは大人と比べて熱中症になりやすい特徴があります。

 

症状は

今までは熱中症を重症度で日射病・熱けいれん・熱疲労・熱射病と分けていましたが、理解しにくいこともあり、Ⅰ度(軽症)・Ⅱ度(中等症)・Ⅲ度(重症)に変更されました。症状は軽いときはめまい・失神・筋肉痛・大量に汗をかくなどがみられる程度ですが、重症化すると、頭痛・嘔吐・意識障害・けいれん・高体温などがみられます。症状が軽い場合は風通しのよい涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、水分をとることが大切ですが、意識がない状態であれば、救急車を呼び早めの対応をしてください。

 体温が上がりげんきがなくなると、熱中症か、かぜか判断に迷うことがあります。体を冷やしたり、水分補給をしながら意識がしっかりしていれば慌てる必要はありませんが、意識がしっかりしていなければ熱中症の可能性がありますので医療機関へ受診してください。

 

症状は

熱中症は死に至ることもありますが、適切に対応すれば防ぐことができます。予防で大切な3つのポイントは、①暑さを避ける ②こまめに水分をとること③吸湿性や通気性のよい素材で黒系を避けるなどの衣服の工夫です。

熱中症の患者数は、梅雨明けで暑くなり始めた頃や、前日と比較して急に暑くなる日のように体が暑さになれていない時期に増えています。節電の今夏はクーラーを使用しづらいですが、昼間の暑いときはもちろん、寝入る時にエアコンを上手に利用することも大切です。

お願いがあります。毎年夏、暑い車内に子どもが放置され死亡するというニュースが後を絶ちません。短時間であっても決して子どもだけで車内に残さないでください。

 

暑熱順化って? 外で遊ぼう!

暑熱順化とは暑さに体が適応した状態のことを言います。暑さに体を慣らすと汗をつくる汗腺の働きがよくなり、汗とともに出るナトリウムの量が再吸収され、塩分の少ない汗をかくことができるようになります。さらに血液循環がよくなり、体全体が暑さに強くなって、熱中症になりにくくなることがわかってきました。暑熱順化するには体を動かし適度な汗をかくことが必要です。  具体的にはウォーキングやサイクリングなどで汗をかくこと、子どもは外で遊ぶことです。クーラーに頼りすぎると体が暑さになれず、暑さの調節がうまくいきません。暑さに気をつけて涼しい朝や夕方などに適度な運動をすることが大事です。

 

参考文献

環境省:熱中症環境保健マニュアル www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/full.pdf

チャイルドヘルス Vol.14 No.7

 

りんご病が大流行

 ほおがリンゴのように赤くなる「リンゴ病」(伝染性紅斑)が流行しています。この病気は、ほっぺや腕・太ももに細かい発疹がみられます。子どもがかかっても重くなりませんが、大人がかかるとひどい関節痛などがみられる場合があります。特に、妊婦さんがかかると流産や死産の恐れもあります。発疹がでて病気がわかる時は感染する力がなくなり、園や学校へは発疹があっても元気であれば行ってもかまいません。周りの人にうつす時期は発疹がでる前の数日間と言われ、せき・くしゃみ(飛沫感染)や接触感染により広がります。そのため予防するのが難しく、人ごみにでるときにマスクをしたり、手洗いをするなどという一般的な予防方法となります。

 

 

今年の夏はこれまでの夏と異なり、互いに節電を意識しながら生活をしていきましょう。エアコンの設定温度を上げるなどの節電対策をしながら、水分を適切にとり、熱中症にならないように気をつけたいものです。今回の原発事故は私たちが使用している電気をどうするかを問われています。私たちは県内の電気をどうしたらいいのかを考える必要があります。山梨県は他県と比べて日照時間が長く、自然に恵まれ水が豊富にあります。県内の電気をどうするかを考え提言することは私たちが被災者の方々にできることではないでしょうか?

 わが家の高1の長男が高校の将棋部に入ったことをきっかけに、先月、息子から将棋をしようと初めて誘われ対戦しました。結果は2戦して全勝でした。父親として手を抜かず真剣に勝負をして勝ったこと、また幼い頃とは違った子どもの成長の2つの喜びを感じました。

 今月はPTSDというこころの病気に関する話をします。

 

PTSDとは

 PTSDとはPost Traumatic Stress Disorderの略で、心的外傷後ストレス障害と言います。不慮の事故や災害などにより思いがけない体験が心の傷となり、後にその記憶が様々なストレスとなり、不眠や不安・悪夢や恐怖・無気力感などの症状が現れます。子どもの場合、指しゃぶりをしたり、母親から離れないなどの退行現象が起こったりすることもあります。

PTSDという言葉は阪神・淡路大震災の後、マスコミで大きく取り上げられて多くの人に知られるようになりました。その後、大きな事件や出来事が起こるたびにPTSDが注目されるようになりました。

多くの人はショックな出来事を経験しても時間経過とともに心身の安定を取り戻していきますが、子どもは自我が未発達であることもあり、大きな出来事が起こるとこころが不安定になります。そのため、赤ちゃん返りなどが起こり、安定を求めるようになります。短期間であれば問題ありませんが、1ヶ月以上これらの症状が消えないときは専門的な関わりが必要になってきます。

5月、私の妻が保育士らと一緒に、被災地(岩手県山田町)の子どもたちの保育ボランティアに行ってきました。被災地の子どもが保育士に甘えるようにまとわりついたり、抱っこをせがんできたり、通常の年齢の子より幼い行動がみられ、こころが不安定な状態であったと知らされました。

 

PTSDにならないために

親の適切な対応で子どもたちの心の傷を癒すことができます。今回の震災のような大災害などが起こったときの子どもたちの動揺を大人がどのように対応していけばいいのかについて箇条書きで、分かりやすく書いてある冊子をご紹介します。日本小児科医会から発行されている「もしものときに・・・子どもの心のケアのために」というもので「http://jpa.umin.jp/download/kokoro/PTSD.pdf」から無料でダウンロードできます。その冊子には、親が子どもに対して「大丈夫だよ」と言葉に出して子どもに伝えること・子どもの話に耳を傾けること・赤ちゃん返りをしてもバカにしないこと・十分なスキンシップをとることなど、子どもに安心感を与えるように対応することが大切だと述べられています。さらに、親自身も動揺しているため信頼できる人に話をすること・がんばりすぎないように自分のペースを守ることなどが大事であると付記されています。

 

PTSDは他人事ではない

PTSDは被災者の方々だけではなく、私たちにも関わってくることだと思います。まだまだ収束しない原発問題で今後も私たちは不安を抱きながら生きていくことでしょう。大人が不安になると、子どもも不安になります。例えば、テレビで原発や津波のニュースを見ていてお子さんが不安になるようでしたら、子どもがいない時に見るようにしてください。お子さんが不安そうであれば、たくさん抱きしめてください。また、震災に関連する質問をしてきたらわかりやすく話をしてあげてください。こうした対応でお子さんを安心させることができます。

 

4月から入園したお子さんはやっと生活が慣れてきたところではないでしょうか。

ところで皆さんは「楽しく子育てできていますか?」の質問にどうお答えになりますか?「イエス」なら心配ありません。今までの生活で大丈夫です。「ノー」の方は早めの修正が必要かもしれません。人は誰しも生活に余裕がないとイライラしやすくなり、大事なお子さんに余裕をもった対応ができなくなります。育児が楽しめなくなっている方は周囲の手助けを求めてみてはいかがでしょうか。うちは妻が隣の保育園で働いており共働きをしています。義父の協力を得たり、子どもにも家事を手伝ってもらい家がまわっています。家事をすることは子どもの発達のためにも大事なことだと思っています。

さて、今月は医療ボランティアとして被災地へ赴いた話をします。

 

出発まで

震災後、早3ヶ月が過ぎようとしていますが、原発・被災地のニュースを耳にしない日はありません。どちらもすぐに解決できないほど大きな問題になっています。被災地の映像を目にするたびに、自分自身ショックを受け何かできないかと毎日考えていました。そんな中「特定非営利活動法人 ジャパンハート」の震災ボランティア医師募集を見つけ、家族・クリニックスタッフの理解を得て、4月15日から4日間、クリニックを臨時休診とし参加させていただきました。急遽、臨時休診することになり患者さんには申し訳ない気持ちがありましたが、患者さんの親から「気をつけてがんばってきてくださいね」などの温かい励ましの声をかけられ、またクリニックスタッフから励ましの色紙を手渡されて、気が引き締まる思いで出発しました。

 

被災地で診療を行う

被災地に行く途中の東北自動車道では、自衛隊の車両・被災地援助物資移送中と横断幕の書かれたトラックが多くみられました。福島県に入ると、地震の影響で舗装がしっかりとされておらず、道路の凹凸により車が大きく揺れることもありました。今回、私が赴いた所は宮城県石巻市渡波という場所でした。渡波地区は海岸に近い家々は全壊、少し離れている所で半壊、道の脇はがれきの山、津波で流され壊れた車が多数放置されていて、津波の威力を肌で感じました。実際の光景に出くわすと言葉にならないものでした。ライフラインがまだ整わない中、学校や保育園などを避難所として多くの方々が生活をしていました。

私はプレハブの診療所で診療をしました。被災者の気持ちに寄り添いながら1人1人丁寧に診療をさせてもらいました。感冒や胃腸炎などの感染症が多かったのですが、被災した家の片づけ中のケガや、地震の影響で凹凸した道を自転車に乗って転倒したというような方々、また「これくらいの症状なら・・」と我慢して受診せずにいた方も多く来院しました。

 診療終了後、ある患者さんからぜんざいとサラダの差し入れをいただき、夕食の1品としてスタッフみんなで感謝しながら頂きました。多くのスタッフとそれぞれの職場や参加動機など様々な話をし、貴重な時を過ごしました。外は寒く、強風でプレハブがガタガタ揺れ、余震の不安を抱きながら寝袋で床に就きました。翌朝は寒さで目が覚めました。1ヶ月前の震災は雪が降っていたそうで、その当時のことを思うとゾッとしました。

今回、私自身、初めてのボランティア活動でした。「医療の届かないところに医療を届ける」を基本理念に掲げている「ジャパンハート」の医療ボランティアに参加できたことで被災者の方にほんの少し貢献できたのではと思っています。こういった機会を与えていただいた「ジャパンハート」のスタッフには本当に感謝しております。医療は生活になくてはならない分野であることを再認識させられ、私の人生にとって感慨深い経験になりました。

 

熱がでたら翌日は園を休んで!

熱は朝下がることがありますが昼から夜にかけて上がってきます。夜、熱がある場合、朝、熱が下がり元気になったからと園に行くと、昼過ぎに熱がでて呼び出されることがあります。熱がでたら翌日は熱が出ないことを確認する余裕を持っていただきたいと思います。仕事の関係もあると思いますが、休むことでお子さんの体も休まり、他の方へ病気を広げずに済みます。

5月に入り、ようやくスギ花粉がなくなり、ホッとしている人も多いのではないでしょうか。今年は花粉が多かったので本当につらかったと思います。私も花粉症なので目のかゆみ、鼻水、鼻づまりでたいへんでした。

予期もしなかった大地震・津波・余震による不安・原発による放射能汚染で水や食料の不安・お祝い事・祭りの自粛など日本にとって1945年の敗戦以来の大惨事となっています。一方で敗戦後の日本の復興をみると、驚異的で今では世界第3位の経済力を持っています。世界各国でトヨタ・ホンダ・日産など車が走っていて、日本の強さを感じます。敗戦後日本が経済発展した実績を考えると、震災後の復興も間違いなく早い時期に達成できると確信しています。日本人って、まじめで勤勉な国民だと思います。今、自粛のムードが漂っていますが、そろそろ暗い気持ちなどを吹き飛ばし、前を向き生きていきましょう。

 今回、地震と津波による被害だけでなく、原発事故が大きな問題になっています。放射能汚染が空気中や水に広がり、私たちの生活にとって不安要素となっています。政府は健康上今のところ大きな問題はないと言っておりますが、放射能の問題は長い間かけてじわじわと影響してきます。海水も汚染し魚が汚染され、それを食べる人への影響も考えねばなりません。乳幼児や妊婦さんはより慎重に考える必要があります。これからも情報をしっかりと受け止め対応していきましょう。

夏の電力不足は直近の大問題で、夏はクーラーの使用を減らし節電することで乗り切っていきたいものです。私の診療所でも夏は極力クーラーを使わず診療しなくてはと思っています。今後、私たちは電気を何から作っていけばいいのでしょうか?原発を今後も使用するべきか?水力・火力・風力・太陽光・地熱などをどのようなバランスにするのか?これからのエネルギー政策を注意して見守っていかなければなりません。今回の事故はもう2度と起こらないのでしょうか?原発が存在している限り、事故が起こる可能性はゼロではないでしょう。

 

ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン接種が再開!

先月号で「ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン接種中止」について述べました。中止後1ヶ月も経たない3月末に、安全性に問題がないことがわかり、4月から再開になりました。今回、7人のお子さんが接種して1週間以内に亡くなり、詳細な検討が行われました。検討の結果、死亡原因は感染症や乳幼児突然死症候群などの病気の可能性が考えられ、すでに国内で100万人から150万人が接種しているので、死亡頻度は10万接種あたり0.1-0.2と諸外国の報告と大きな違いがないということがわかりました。 

今後の接種のやり方の注意点として1)1回・2回の接種後の間隔が予定より多少開いてしまった場合でも免疫の効果に問題がないこと、2)同時接種は副反応の頻度が増加することはないこと、3)7人のうち3人が心臓の病気を患っていたことから何らかの病気を患っている場合は同時接種ではなく単回接種も考えながら健康状態に注意して接種をすることが確認されました。ワクチンは病気が予防できるメリットと副反応が起こるデメリットを十分に理解してかかりつけ医としっかりと相談をして接種してください。今回のことで接種に不安になってしまっている人もいると思いますが、海外では以前から定期接種化しており、今でも問題なく行われています。

 

参考文献

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン接種再開に関する厚生労働省からのお知らせhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016yw1.html

 

入園時に血液型を調べる必要がありますか?

答えは「ノー」です。以前はよく生まれたときに調べていたのですが、最近は必要性がないこともあり、調べなくなり、わからない人も多いかと思います。病院の方では事前にお子さんの血液型がわからなくて構いません。血液型が必要な時は輸血を行う時で、そのときはすでに血液型がわかっていたとしても必ず本人から採血をして血液型を確かめます。さらに輸血する血液と本人の血液を試験管に入れて凝固しないかを調べます。どうしても調べたい場合は血液検査をする機会があったら一緒にお願いをすることをお勧めします。ただし、血液型は自費扱いになります。

 

最後に4月中旬に被災地へ医療ボランティアに参加してきます。

 

来月号にてご報告いたします。

 

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