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院長コラム

師走となりました。小児科は12月が一番忙しく、例年年賀状が気になりながらも、気がつくと年末投函になっています。今年こそ早めに済ませたいと思っています。先日、聴覚障がいを持つ親御さん対象に子育て講演をする機会がありました。私の横に手話通訳者の方がついて説明をしてくれたため、いつもと違う雰囲気がありました。講演後、話をしていて、子どもの病気について電話で相談をすることができないという話を聞き、私の知らなかった子育て上の悩みを初めて知りました。

 今月は病気の予防が大切であることを改めて皆さんにお伝えしたいと思います。日頃、健康のありがたみに気がつかず、病気になり痛感させられることもあるのではないでしょうか。

 

予防のすすめ

病気の予防についての学問に「予防医学」という言葉があります。予防医学は病気を防ぐことだけでなく、病気になっても進行を抑えたり遅らせたり、再発を防ぐという考えが含まれています。健康診断や予防接種は予防医学の一つになっています。

生活習慣病という言葉をよく耳にしますよね。生活習慣病は長年の食生活・喫煙・運動不足等が深くかかわり、糖尿病・高コレステロール血症などの脂質異常、高血圧、高尿酸血症などの病気のことを言います。がん・脳血管疾患・心臓病の3大死因も生活習慣と関係が強いと言われています。対策としては、バランスのよい食事・禁煙・適度な運動が大切です。

 

予防が広がらないわけ

今の国の医療制度は病気になって治療をすることに対して保険が使用できます。予防接種や検診などの予防については保険が使えず、自費扱いになっています。ほとんどの先進国においては予防接種や健康診断が受けやすい環境が整っています。来年から国で子宮頸がん・ヒブ・肺炎球菌ワクチンの助成を行う話が検討されているようです。これからはもっと予防に予算をかけていただきたいと思います。

 

お父さん・お母さんは健康診断を受けていますか?

 私は毎年、健康診断を受けています。今年は体重が増えていると言われました。そのため、気にするようになり、自転車通勤と時間があればランニングをするように心がけています。お子さんのことも大事ですが、まずは自分の健康管理が第一です。さらに、こころの健康も大事です。こころが病んでもよくありません。子育てがつらいと感じているママは、旦那さん、祖父母、ファミリーサポートなどを利用して、ご自分のために息抜きする時間も作ってください。

 

予防のいろいろ

こどもの病気を予防することはどの親も考えることです。予防接種をきちんと受けることはまず大事なことです。定期接種とされるBCG・三種混合・ポリオ・麻疹風疹・日本脳炎・2種混合、さらに自費扱いになっている水痘・おたふく・ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんワクチンの接種もお勧めします。例えば、おたふくにかかることで、髄膜炎・難聴・睾丸炎などの合併症にかかることもまれではありません。ワクチンをしておけば先ほど述べた合併症にまで発展することはほとんどありません。

たばこは吸っている人のがん予防、循環器系や呼吸器系の病気などの多くの病気を予防できることがわかっていますし、家族やお子さんの喘息・中耳炎などを予防できます。

また、母乳育児をしていると、人工乳にはない免疫物質などが入っているため、お子さんが感染症にかかりにくく、ぜんそく・アトピー性皮膚炎・乳幼児突然死症候群の発病が減ることが明らかになっています。母親にとっては、子宮収縮が促されることにより貧血が予防され、乳がんなどの女性特有のがんの発症率が下がることがわかっています。さらに妊娠中に蓄えられた体脂肪が母乳に使われることで無理なく体重を減らすことができます。

こころの健康についても大切です。家庭が安定していると、子どものこころの安全基地になり、こころの健康を保つことができると考えます。体の病気の予防も大事ですが、こころの病気にならないことも同じくらいに大切です。

 

~インフルエンザのお知らせ2~

 県内でもインフルエンザの報告がみられています。今年10月以降、国内でA香港型(H3N2)の集団発生がみられており、新型(H1N1)だけでなくA香港型も合わせて流行するとも言われています。どの型であれ、高熱・咳・鼻水等が主な症状で、予防はまずワクチン接種、次に手洗い・うがいです。

最後に、来年もみなさんの体とこころが健康でありますように願っています。

今年は10月に入っても夏日が続き、やっと秋が深まってきた感がありますね。みなさんいかがお過ごしですか?我が家は最近、家族でボウリングに行き楽しめるようになってきました。最近のボウリングは小さい子でもガターにならないようなしくみもあって、小2の坊主(本当に坊主です)も楽しめます。中学生の2人は何度か行ったことで上達してしまい、私よりうまくなりつつあります。負けるようになったら教室に通おうかと真剣に考え始めています。
今月はこの夏に参加した全国病児保育研究大会での夜尿の専門家である帆足英一先生の「おむつはずれとおねしょ」という講演会を基にしました。この講演で無理なトレーニングでおむつをはすずのではなく、子どもの発達の流れでおむつが自然にはずれていくこと、親子共にこにこしながらおむつがはずれていくことが大事だと述べていました。演者が書いた「やさしいおむつはずれ」(赤ちゃんとママ社)の本も参考にしながらトイレットトレーニングについてお話しします。

 

いつごろ始めたらいいか?

1歳代でトイレットトレーニングを始めると完了するまで1年以上かかることもありますが、2歳から2歳半で開始すると短期間でオムツがはずれるというデーターがあります。早く始めると思うように進まず、親子の関係が悪くなることも気になります。2歳から2歳半で始めるのが一つの目安です。
始めるポイントとしては、ひとりで歩くことができる、言葉が理解できる、いくつかの言葉が話すことができる、おしっこの間隔が2時間ぐらいになるなどといった発達が見られたらスタートです。2時間ぐらいおしっこをためることができるということは、無意識でもおしっこをがまんできるようになっていることになります。遅くとも3歳半までにはスタートしていだきたいです。
トイレットトレーニングを進めるポイントは、①チー(おしっこ)出る感覚 ②チー見る感覚 ③チー聞く感覚の3点と言われています。これは、失敗しても成功してもチーが出た感触を体験することが大事で、親(大人)が「チーが出たね」と声をかける、最後に、チーをみて目から覚えてもらうという3つの感覚を体験させるということです。失敗しても、怒らず対応してください。これらの経過を経て誘ったときに出る確率が7割以上になったら、布パンツにしましょう。布パンツにして、誘わないで成功してきたら完了です。安定するには1~2ヶ月かかります。

 

あせりは禁物

「うちの子はもうおむつとれたよ」などと聞くと、トイレットトレーニングをしなければとあせってしまったり、急ぐあまり怒る回数が増えたりすることで、親子関係がよくなくなることもあります。2歳は自己中心的な面が見られてくる子育ての悩みの多い年齢です。この年齢でトイレットトレーニングもするのですから、親御さんの負担もたいへんだと思います。おむつははずすものではなく、はずれていくものです。焦らず、怒らず、お子さんの発達に合わせて排泄が自立するのを待ちましょう。一旦成功しても失敗が重なったり、下の子が生まれて赤ちゃんがえりがあってうまくいかなかったりしたときは、一時休むのも大事なことです。

 

おねしょとトイレットトレーニングは別物

トイレットトレーニングは子どもの発達に合わせてトレーニングをすることで身につけていくものですが、おねしょは本人の努力やトレーニングでよくなるものではなく、膀胱の大きさや寝ているときの尿量が影響して起こります。小学生になってもまだおねしょが続く場合はかかりつけ医にご相談ください。おねしょの生活指導で大事な3原則は「起こさず、あせらず、おこらず」です。

 

~インフルエンザのお知らせ1~

昨年は新型インフルエンザで大騒ぎでしたね。今のところ、まだ流行はしていませんが、毎年必ず流行しますのでご注意ください。今年は新型がでてくるかわかりません。新聞やテレビの情報が一番早いと思います。予防接種については、昨年はインフルエンザワクチンを季節型と新型の両方を別々で接種したのでたいへんでしたが、今年は新型と季節型が一緒に入っていますので、大人は1回、12歳以下は2回となります。効果は5~6ヶ月しかないので、今年も接種してください。1~2歳の小さい子ほどお勧めします。

この夏は異常な暑さでしたね。我が家はエアコンがないので、扇風機をフル回転しながら、なんとか夏を乗り切りました。最近の報道で各国の国内総生産(GDP)に占める公的な教育支出の割合が発表されました。割合が多い上位国は北欧の国々で、日本は主な国28カ国中最下位でした。日本は教育にお金をかけない、言い換えれば、「子ども」にお金をかけない国であることがわかります。子ども手当や高校授業料無償化はやっと子どもに対してお金をかけようと国が考えてくれるようになったのだと思います。色々と課題は山積していますが、子どものためによい国づくりを政府に期待したいです。

 そして、10月からたばこが1箱あたり約100円の値上げになります。この機会にぜひ禁煙を考えてみませんか?パパが禁煙する場合、ママのサポートが大切です。失敗しても責めず、支えてください。禁煙補助薬として、ガムやパッチや飲み薬もあります。専門の医療機関に相談することもよい方法だと思います。

今月は私が虐待に関してお話をします。2年程乳児院の嘱託医として、虐待された子どもたちの健康管理をしてきました。諸事情により先月で嘱託医を辞めてしまいましたが、その経験も踏まえながらお話をしたいと思います。

 

虐待とは

虐待は、殴る・蹴るなどで傷を負わせる「身体的虐待」、性的行為を強要する「性的虐待」、家に閉じ込める、病院に連れて行かないといった「ネグレクト」、言葉による暴力・自尊心を踏みにじる「心理的虐待」の4つタイプがあります。

虐待相談件数は平成21年度44,210件で、6年前と比べて40倍に急増しています。内容は身体的虐待とネグレクトが全体の8割を占めています。虐待をしているのは実母6割、実父2割で、実母が圧倒的に多いことがわかります。虐待を受けて育った子どもは、親になった時、我が子に虐待を加えてしまいやすい(「虐待の連鎖」)と言われています。この夏、大阪市西区のマンションで幼い姉弟2人の遺体が見つかった虐待死事件が報道されましたが、こういった報道が後を絶ちません。多くの場合、一つだけの要因だけでなく、親自身が虐待された経験・経済問題・夫婦不和・育児不安・地域社会の疎遠化などのいくつかの要因が重なっています。また、相談件数の増加から児童相談所の役割も大きくなっています。さらなる児童相談所の機能強化つまり人員増加が必要となっています。虐待は人ごとではなく、身近な問題であることをわかっていただきたいと思います。

 

里親が足りない!

 児童相談所によって保護された子どもは、現在日本で約4万人います。そのうち9割が「施設」で育ち、実の親に代わる「里親」は1割に過ぎません。施設は乳児院と児童養護施設に大きく分かれます。私が嘱託医をしていた乳児院では20数名の子どもたちが一緒に生活をしています。0~1歳で入所した子どもたちは4~5歳になると児童養護施設に移り、それに伴い担当職員も代わります。現状の制度では多くの子どもたちがこのような集団で育てられています。一般の家庭とは大きく違った環境で育っています。そういった子どもは大集団での施設で生活していますが、安らぎながら生活することができるでしょうか?愛着形成の点からも好ましい育て方ではなく、家庭的に育てたほうがよいことはみなさんおわかりでしょう。外国では9割が里親、1割が施設となっています。日本は里親の割合が少ないことで国連から非難されています。

福岡市では「すべての子どもに愛ある家庭を」をスローガンに里親を普及させる目的で「子どもの村福岡」の会を立ち上げ、福岡市の里親委託率を1割から2割に増加することができました。県内でも多くの子どもたちは施設で生活をしております。里親に関して皆さんに理解していただき、里親に関心を持ち、温かい目で見守っていただきたいと思います。そして、子どもたちのためにも他国並みに里親という制度が普及するようになることを願っています。

今年の夏は本当に暑かったですね。私は夏休みに大阪に行って、甲子園で行われた全国高校野球大会の観戦をしました。礼儀正しい高校球児が全力で野球をしている姿を見てとても感動しました。
 今月は、ちびっこぷれすの中で何度か取り上げてられている「病児保育」についてお話したいと思います。私と園長で7月の連休に行われた「第20回全国病児保育研究大会」に参加しました。全国各地で精力的に行われている病児保育のスタッフからいろいろなことを学び、親睦を深めてきました。病児保育はまだまだ発展途上の分野であり、社会全体で理解を深めなければいけないと感じました。

 

病児保育のはじまり

病児保育室は、40年前、大阪府枚方市で始まりました。保育所の父母とそれを受け止めた小児科医・自治体単独事業として認めた行政の3者がうまく機能したことで今でも続けられています。ここをきっかけに近隣自治体から全国へ広がりました。現在、県内でも病児保育・病後児保育が徐々に増えてきています。

 

病児保育って何ですか?

病児保育は、一般的に保育園や幼稚園に通っている子どもが病気にかかり、集団保育が不可能な場合に、その子どもを預かることを言いますが、正式には全国病児保育協議会により「病児保育とは、単に子どもが病気のときに保護者に代わって子どもの世話をすることを意味しているだけでなく、病気にかかっている子どもに、子どもにとって最も重要な発達のニーズを満たしてあげるために、 専門家集団(保育士・看護師・医師・栄養士等)によって保育と看護を行い、 子どもの健康と幸福を守るためにあらゆる世話をすることである」と定義されています。子どもが病気にかかると親は不安になります。その際経験豊富な専門家が全面的にサポートしていくものです。

 

病児保育に携わって

昨年9月からげんき夢保育園が主体で、保育園の保育士が中心となり、食事は栄養士が個別に対応し、クリニックの看護師がサポート、そして小児科医である私も関わり実施しています。初めは場所や人に慣れないで泣いていた子どもも保育士になれて、楽しそうに遊んでいます。現在の利用人数は平均1~2名程度で、アットホームな感じで対応しています。利用されたご両親から感謝の言葉を聞くと、存在意義を感じます。病児保育を上手に利用すれば、子どもの安静が保て親の不安も軽減できるのではと思っています。

 

問題点はまず2つ

1つ目は「病気のときぐらいは親(特に母親)がみるべき」と考えている社会の冷ややかな目です。祖父母などがサポートしてもらえたらありがたいのですが、すべての家庭がそうであるとは言えません。毎回、病児保育を利用した方がいいと言っていませんが、「困ったら病児保育がある」という安心感が子育て中の両親には必要ではないかと思います。子育ては親だけでできるものではなく、社会全体で子育てを行うべきものです。皆さんに病児保育の存在意義をわかっていただきたいと願っています。

2つ目は、経営的な問題があります。病児保育があまり広がらないのは病児保育に対する補助金が少なく、多くの病児保育施設が赤字経営であることです。保護者からの声は多くありニーズを感じますが、現状の補助金の制度では毎年変動があり、安定経営が心配されます。

今後、共働き世帯が増えていく中、女性が出産・育児をしながら、安心して仕事も続けられるようなしくみを私たち一人一人が考え、声を上げていく必要があるのではないでしょうか。

 

あとがき~お子さんはビタミンKを飲みましたか?~

先々月、山口市の助産師が出産を担当した女児に、厚生労働省が指針で与えるよう促している「ビタミンK」を与えず、その女児が頭蓋内出血のため生後2か月で死亡したというニュースがありました。ビタミンKは血液凝固に関与するもので、新生児や乳児はビタミンKが充分にないため、出産直後、1週間後、1ヶ月後の計3回、ビタミンKが入ったシロップを飲んで出血予防をしています。お子さんが飲んだかどうかは母子手帳に記載されていますので確認して下さい。

 

夏本番となりましたね。夏は高温多湿のため細菌が増殖しやすく、あせもやとびひなどの皮膚の病気が多くなります。汗をかいたら、シャワーを浴びるように心がけましょう。

 先月に引き続いて、今月もアトピー性皮膚炎についてお話します。今月は治療についてです。20年前は顔が真っ赤で浸出液が見られるアトピー性皮膚炎の患者さんがたくさんいましたが、最近は治療の進歩によりこのような方が減ってきました。アトピー性皮膚炎は難病ではありません。「標準治療」をすることで、うまくコントロールできる病気であることを理解していただけたら幸いです。

 

「標準治療」って?

標準治療とはアトピー性皮膚炎の専門医により効果があると認められ、多くのアトピー性皮膚炎の人が良くなっている科学的に根拠のある治療法のことです。この標準治療を理解することで、保険で認められていない薬・健康食品・入浴剤などの購入を勧めるいわゆる「アトピービジネス」の誘惑に引き込まれることなく、しっかりと治療に専念できます。

 

スキンケアのコツ

アトピー性皮膚炎の方は皮膚が乾燥状態にある「ドライスキン」になっています。ドライスキンの状態では、汗・食べかす・ほこりなどの刺激物が容易に皮膚の中へ入りやすく、炎症をおこしやすくなります。車にワックスを塗るように、皮膚を刺激物から守るために保湿剤を使用してください。シャワーや入浴時は、ゴシゴシこすらず、石鹸をしっかりと泡立てやさしく洗い、石鹸のカスが残らないように洗い流して下さい。高い温度のお湯だと体が熱くなり入浴後かゆみが強くなりますので、今の時期はぬるま湯で対応するといいでしょう。保湿剤は入浴後、服を着る前に皮膚の潤いがあるうちに使用しましょう。

 

薬物治療をしっかり理解しよう~ステロイド軟膏を怖がらないために~

 治療の中心は「保湿剤」・「ステロイド軟膏」・「抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬」の3つを症状に応じて使い分けます。10年前にタクロリムス軟膏(商品名:プロトピック軟膏)という免疫抑制作用を持つ軟膏が登場し、ステロイド軟膏とうまく組み合わせることにより、よりよい状態を保つことができるようになっています。

 「ステロイドは大丈夫?」と思ってしまう人もいるはずです。ステロイドの内服薬は全身の副作用に注意しながら使用しますが、アトピー性皮膚炎で使用するステロイド軟膏は皮膚患部に直接作用するため、皮膚から吸収されても血中に入る量はきわめて少ないため、通常の使用量では全身性の副作用は発現しません。ステロイド軟膏は発売されてから50年以上たっています。ステロイド軟膏の副作用には塗った部分が「薄くなる」「毛がふえる」「毛細血管が拡張する」「赤くなる」などがありますが、正しく使えば大変有効なお薬です。「ステロイド軟膏を塗ると肌が黒くなる」と言った誤解あります。ステロイドは皮膚の色素産生を抑えるため、肌の色はむしろ白くなり、軟膏の副作用で肌が黒くなることはありません。ストロイド軟膏を使用せず炎症が強くなり、目の周囲の皮膚を掻く・たたくなどの状況が続くことで、白内障や網膜剥離などの目の合併症がみられることもあるので注意が必要です。

ステロイド軟膏を塗ってもよくならない時に、塗る量が少ない場合が多くあります。ガイドラインが推奨している塗る量の目安として使われている「FTU(finger-tip unit)」をご存知ですか?人差し指の先から第一関節まで押し出した量が手のひら2枚分程度の広さを塗る量だと言われています。塗る量も確認してください。

アトピー性皮膚炎は難病ではありません。ステロイド軟膏を中心とした「標準治療」をしていけばよくなる病気です。この病気とうまく付き合っていくことで、日常生活に支障がない状態にもっていくことは可能です。ステロイドを怖がらずしっかりと病気と向き合っていけば前向きな生活を送ることができます。

 

参考文献

アトピー性皮膚炎 診療ガイドライン2009(日本アレルギー学会作成)

患者だからわかるアトピー性皮膚炎(小学館)

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