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院長コラム

 夏がやってきました。この3年間は制限の夏だったので、今夏は思いっきり遊んでください。コロナ禍だった頃、子どもたちが診察に来ると「鼻の検査する?」と泣きながらやらないでほしいと訴えてくるお子さん達に、熱がある場合はコロナの検査をしてきました。5類以降、コロナの検査をする機会が減り、子どもたちの検査の負担が減ってきてホッとしています。最近、感染対策の緩和、コロナ以外の感染症に対する免疫の低下のためか、RSウイルス・インフルエンザ・夏風邪・胃腸炎などの感染症が流行しています。

 5月末、うちの娘(小5)の運動会が保護者の人数制限なく盛大に開かれました。バトンリレー・組体操・ダンスに取り組んでおり、運動会の練習が始まったとたんテンションが上がっていました。当日は娘の姿を見て、成長を感じることができる日となりました。運動会は午前中のみの開催で午後までの開催を知る親としてはちょっぴり物足りなさを感じますが、先生方の働き方改革・子どもたちの練習の負担の両面から考えると妥当性を感じました。

 国立感染症研究所から国内の麻しん患者数が6月4日時点で14人と発表がありました。2020年10人、2021年6人、2022年6人の患者数から考えると、今年は今後の患者数の増加が懸念されます。まだ患者数が少ないのでパニックになる必要はありませんが、この機会に「麻しん」という病気を知っていただけたら幸いです。

 

麻しんとは

 麻しんは麻しんウイルスによって起こり、感染力は非常に強く、空気感染・飛沫感染・接触感染によって感染します。感染から約10日後に熱・せき・鼻水などの症状がでて、その後全身に発疹が出てきます。肺炎・中耳炎の合併症を伴うことも多く、1,000人に1人が死亡する重い病気です。特効薬はなく、確実な予防法は予防接種です。診断はインフルエンザのような迅速検査はなく、症状が熱・咳・鼻水といった風邪と同じような症状であるため、初期の診断は困難です。麻しんワクチンをしている人でもかかる場合はあり、症状が軽くなるため、

診断はさらに難しくなります。

 

麻しんにかからないために

 麻しんを予防する唯一の方法はワクチン接種です。定期接種で子どもたちは1歳台と年長で2回接種をします。まず1歳になったらすぐに接種をしてください。一番心配なのは接種対象の時期でない1歳前のお子さんです。

今年の麻しん患者の感染経路が共通の公共交通機関(新幹線などの電車)であったことが明らかにされています。麻疹ワクチンをしていない1歳前のお子さんは電車などの公共交通機関の利用を控えた方がよいのではないかと思います。さらに厚生労働省は麻しんが疑われる症状があった場合は、受診前に医療機関に連絡し、公共交通機関の利用は控えてほしいと述べています。

 大人も子どもと同じで麻しんワクチンを2回接種しているか確認してください。母子手帳をみて、わからない場合は血液検査で麻しんの抗体検査を行い、低い場合は接種をしてください。抗体検査は自費になるため、ワクチン接種していないようなら抗体検査をせず、ワクチンを2回接種しても構いません。迷うようであれば、かかりつけ医に相談をしてください。

 

麻しん感染により難病を患うことも

 麻しん感染により発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という難病があります。麻しんに感染してから数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数か月から数年の経過で神経症状が進行する病気です。治療法は確立されておらず、現在でも予後が悪い病気です。麻しん患者の数万人に1人が発症します。患者数は現在全国に150人程度います。以前は年間発症者数が10~15人くらいでしたが、麻しんワクチンの普及により最近の発症者はほとんどみられません。

 私はSSPEにかかったお子さんを持つ家族の会(SSPE青空の会)が行っているサマーキャンプに数年前から参加させていただいています。以前サマーキャンプで参加した時に、ご両親から聞いた話をお伝えします。「ワクチン接種対象年齢前の0歳代に麻しん感染し、その後は全く元気に普通の生活をしていましたが、楽しい高校生活を送っていた頃、足のピクつきがはじまり、やがて寝たきり生活になってしまった」「親としては発症し急激に症状が悪化しているにも関わらず、何もできずにいたことが一番つらかった」という内容でした。話を聞き、私はやりきれない気持ちでいっぱいになりました。麻しんに感染するとまれにSSPEにかかることがあります。この家族の会は、家族の交流だけではなく、SSPEという病気がなくなるために、麻しんワクチンを接種してもらうためにお子さんを連れて、学会や厚生労働省に接種を呼びかける活動をしています。

同じ思いの家族を出さないためにという活動に敬意を表します。

 

参考文献

国立感染症研究所 感染症発生動向調査2023年第22週(5月29日~6月4日)

厚生労働省 麻しんについて

SSPE青空の会

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(指定難病24)(難病情報センター)

 

 今月は梅雨、すっきりしない天候が続きますね。2023年4月末、うちの家族7人で東京で開催された「第4回夢の大橋あおぞらマラソン大会」のハーフリレーマラソンに参加しました。1周1.5㎞を14周、妻と娘が1周ずつ、私が2周、4人の息子が残りの周をバトンでリレーしました。家族7人で互いを励まし合い、家族の絆が深まりとても楽しい思い出となりました。結果は1時間26分、堂々の1位でした。来年も出場しようと思っております。

3月13日からマスク着用は個人の判断が基本となっていますが、多くの方がマスク着用をしていることが気になっています。本当はマスクをはずしたいと思っている人でも人目を気にして着用を続けている人も多いと思います。私は最近、診療以外ではマスクを思い切って取るようにしました。現在、コロナは季節性インフルエンザと同程度の病気と言われています。これからの季節、熱中症の予防などからも子どもたちにはマスクを外して生活をしてもらいたいと思っています。子どもは大人の真似をします。学校・園の先生方にはぜひ、マスクをはずして子どもたちと接してもらいたいです。うちのクリニック隣のこども園は現在、先生もマスクを外して保育をしています。

 5月14日、甲府市のやまなしプラザでLet’s Save A Child in Yamanashi Project主催の「第13回親子で学ぶ心肺蘇生講座」にうちの娘(小5)と私で参加をしてきましたので皆さんにこの講座の内容をお伝えします。

 

PUSHプロジェクトについて

 突然死とはいつでもどこでも誰でも起こる可能性があります。突然心臓が止まってしまった場合、助かる可能性は数%と非常に低く、日本で毎年約7万人が心臓突然死で亡くなっている現状があります。突然、心臓が止まった場合、一刻も早く胸骨圧迫を開始し、AED(自動体外式除細動器)を用いて、電気ショックをかける必要があります。「PUSHプロジェクト」とは、NPO法人大阪ライフサポート協会が中心となって活動しており、胸骨圧迫とAEDの使い方の普及を通じて、突然倒れた方を救命できる地域づくりを目指しています。

 

この講座に参加して

 第一部はPUSHプロジェクトの学校PUSHコースというプログラムで、映像をみながら、命の大切さを考え、胸骨圧迫・AEDのやり方を学びました。第二部は実物大の人形と練習用のAEDを使っての実技指導がありました。

『人が突然倒れたら心停止を疑い、119番通報とAEDを要請し、直ちに胸骨圧迫を行うことが大切であること』『胸骨圧迫は救急隊が来るまで休まずに交代をしながら、胸の真ん中、胸骨の下半分の位置で手の根元を使って、5cmの深さ、100-120回/分で行うこと』を学びました。そして、救急隊やAEDが到着するまでであれば、人工呼吸を行わない胸骨圧迫だけでも救命効果が充分にあることも説明してくれました。

1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下するため、救急隊を待っていては命を救うことができません。各学校へAEDが設置されていますが、そのAEDを適切に使用できるか私たちにかかっています。

話を聞くだけでなく、実際の場面を想定し体を動かし声を出しての体験学習は学びが深まりました。ボランティア含めたスタッフの方々もたくさんいて、丁寧に教えていただくことができました。ありがとうございました。

 

AED設置について

 日本循環器学会のAED検討委員会から「学校での心臓突然死ゼロを目指して」の中に、学校内の設置推奨場所については『人目のつきやすい場所』『学校内のどの場所からも片道1分以内で取りに行ける場所』『グランド、プール、体育館など心停止が発生しやすい場所へのアクセスを考慮する』『保管場所は施錠せずに24時間365日アクセス可能な状態にする』などが提言されています。各学校で設置場所を再確認していただけたら幸いです。

 

Let’s Save A Child in Yamanashi Projectについて

 「山梨県における学校での生徒突然死ゼロ」を目指し、生徒への心肺蘇生方法を普及させるための市民講座をこれまでに13回開催しています。県内病院の小児科医・看護師らのスタッフで運営しています。親子で参加できる無料イベントでありながら、内容のレベルが高く、専門スタッフから直接学ぶことができる貴重な機会だと思いました。また、心肺蘇生法を学びながら、親子の触れ合いにもなりました。ぜひ皆さんも参加されることをお勧めします。

 

参考文献

PUSHプロジェクト ホームページ

学校での心臓突然死ゼロを目指して 日本循環器学会AED検討委員会

 

とても過ごしやすい季節になりましたね。私は先月2日に行われた「第18回笛吹市桃の里マラソン大会」で20キロに出場しました。当日は天候に恵まれ、さらに桜と桃の花がダブルで咲き誇り、景色を満喫しながら走ることができました。1時間52分と記録も満足のいくものでした。

先月から学校でのマスクの着用の考え方について文科省から通知がありました。「マスクの着用を求めないこと」「給食での黙食を求めない」と変更となりました。いよいよ、マスク着用せずに済むようになりましたが、うちの娘(小5)に実際の学校の様子を聞くと、クラスでマスクしていないお子さんはたった1人だけのようです。もちろん、先生も着けているそうです。3年間、マスク着用を続けていたので無理もないと思います。とはいえ、給食は黙食でなくなったことで、娘は大喜びしていました。お話をしながらの食事は格別ですよね。

ゴールデンウイーク明けからは新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類になります。暑くなり、熱中症が気になる季節に入りますので、マスクをはずせるお子さんが多くなることを期待します。

今月は子どものマスク着用についてお話したいと思います。

 

マスクバイバイ

今月は私が尊敬している山口県下関市で開業している小児科医金原洋治先生推薦の絵本について紹介します。「マスクバイバイ」(作いしもとみかよ、東京図書出版)という書籍で3月に出版されました。マスクの世界で過ごした3年間。お友達や先生の顔を見ないで過ごした子ども達。そんな子ども達のこころの声が絵本になっています。この本のあとがきには「『命』を守ることは大切ですが、子ども達の変わってしまった毎日を今一度考えてほしい。子ども達に、笑顔いっぱいの未来の扉が開かれますように。」と書かれています。本音を大きな声で伝えられない子ども達の素直な感情が描かれており、読んでいて胸が締め付けられる思いがしました。

同時にマスクとの付き合い方を再考していく必要性を感じました。

 

私たち大人からマスク外していきませんか?

 子どもたちにマスク外していいよと言っても、大人が外していかないと難しいと思います。成長期である子ども達は顔の表情を読んで学んで大人になっていく大切な時期です。周囲の目やコロナ感染も気になると思いますが、そろそろ私たち大人、特に学校・園の先生方には率先してマスクを外していただきたいと思います。そこから、子ども達も安心してマスクを外し始めるのではないかと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

 

同調圧力を気にしすぎないで

 このコロナの3年間で、親も子もストレスを抱えています。マスクをはずしてもいいよと言われたものの、島国で人の入れ替わりが少ないこともあり、お互いのことを気にして生きていく国民性の中では、なかなか難しいのが現状です。そのため、集団で意見や行動を多数派に合わせるように仕向けるための無言の圧力である「同調圧力」が今回、マスクを外せずにいる原因の一つとも考えられています。同調圧力が強すぎると、マスクを外したい人も外せません。

文科省の学習指導要領の中に、学校で学んだことが子ども達の「生きる力」になってもらいたいこと、さらに「主体的な学び」について言及されていています。主体的とは「自分の意志・判断で行動する」ことを意味します。同調圧力を気にすると、主体的な学びになりません。マスク外しも主体的な学びにも同調圧力を意識しすぎないことが必要ではないかと考えます。

 

こころが疲れたとき

 先月、日本小児科学会で国立成育医療研究センターこころの診療部田中恭子先生の話を聞いてきました。コロナ禍で親も子もこころが疲れた時の対処法として、ストレスに気づいたときのセルフケアがあり、同センターのホームページに動画がアップされているそうです。この動画は4部構成で全部みても10分で終わります。ぜひ、親子の心のケアにご活用ください。

 

参考文献

学習指導要領 文部科学省

こころが疲れたときのリラクゼーション動画 国立成育医療研究センター

 

 少しずつ暖かくなり、例年よりも早い桜の開花に気持ちも和らいできますね。先月からはマスク着用の緩和が開始され、今月からは学校でのマスク着用が不要になります。しかし、周囲を見回してもまだまだマスクを着けている人が多い印象です。子どもたちの中にはマスクを様々な理由で外したがらない場合もあります。お子さんの気持ちに寄り添ってもらいたいと願っています。

 今月は学校の教師働き方について皆さんと考えたいと思います。子どもを育てる上で教育は大変重要な分野の一つです。質の高い教育を受けることは、素晴らしい能力の子どもを育てることに繋がります。教育は親だけで担えるわけではなく、様々な個性の子どもたちが存在する学校での学びは欠かすことができません。一方で、教育を司る教師の働く環境は課題が山積しています。教師にとって働きやすい環境が整うことで、教師は子どもたちによりよい教育を提供することができます。私たち親も子どもたちのために教師の職場環境について考えていく必要があります。

 

私からみえる教師の姿

 私は小中高を千葉県の公立学校で過ごし、私の4人の子どももすべて県内の公立小中高校で、5人目も公立小学校でお世話になっています。自分自身が子どもの時はあまり気づきませんでしたが、親として教師の働く姿を目にすると、正直「献身的」という言葉に尽きる気がします。朝から勤務に入り、子どもたちが休み時間の時でも休んでいません。うちの子どもに先生は休み時間は何をしているのかと聞くと、「休み時間は宿題の丸つけ、もめごとの調整をする時もある」と話していました。給食も子どもたちと一緒に食べているので、気が休まる時間はないでしょう。教師も人間ですので、授業をしたら、しっかりと休憩をするといった基本的なことを見直した方がよい授業ができると思います。授業終了後はしっかりと休んでいただくことが大切です。

令和3年度に精神疾患で休職した公立学校の教員が5,897人(全教員の0.64%)と過去最多を記録しました。長時間労働・コロナ禍も増加の要因と言われ、職場環境の改善が叫ばれています。

 

部活動の地域移行が始まる

 2022年6月、スポーツ庁から「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」について提言が出されました。これまでの部活は教師による献身的な勤務の下で成り立ち、休日を含め長時間勤務の要因であることや、指導経験のない教師にとって多大な負担であるとともに、生徒にとっては望ましい指導を受けられないことがありました。今年度から公立学校の部活を学校単位から地域単位の取組とすることが示されました。

私は中学バスケットボール部、高校はサッカー部に所属し、様々な経験をさせていただきました。うちの子どもも陸上部、バスケットボール部、卓球部、山岳部などにお世話になりました。土日問わず、先生方が携わっていただいたおかげです。

「給特法」という法律をご存じでしょうか。給特法は教師には残業代を給料の4%分の「手当」を出す以外は、時間外・休日勤務については何時間働いても残業代は出さないというものです。教師の夫がいるかかりつけのママにご家庭の様子を聞くと、「旦那は土日も家にいない」「うちは母子家庭です」と言った声をよく聞きます。土日も休みなく、働き続ける教師の職場環境は決してよい状態ではないと思います。

私たちは中学高校の部活動を教師のほぼ無報酬で営まれてきたことを反省し、今年度からの部活の地域移行を自分たちのこととして考えていく必要があると思います。変革に戸惑いはつきものですが、これ以上教師を苦しませることがないように考慮すべきです。

 

保育園の職場環境も    

うちの妻が園長として園の運営を行っているので学校同様に保育園・こども園も非常に多忙な厳しい環境であると実感しています。保育者は人手不足の業種であり、資格を持っていても別の職種になる人もいます。教師同様、保育者も更なる労働条件の悪さが指摘されており、小さなお子さんの命を預かる責任の多い大変さ仕事であるにも関わらず、給料の安さや長時間勤務も指摘されています。さらにこのコロナ禍においては子どもたちへの感染対策、親への対応といったことも重なり保育者の疲弊感は高まるばかりです。保育現場にも保育者一人当たりの園児数の改善や業務負担の見直しなど国を挙げて取り組んでほしい課題が山積しています。子どもにかかわる職種が希望の持てるような環境で仕事をして欲しいと切に願っています。

 

参考文献

学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について スポーツ庁

令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査について

 

 2月10日の大雪は大変でしたね。当日朝はまだ雪も降っていなかったものの、雪の予報ということもあり、念のため長靴を履いて出勤しました。その後からは雪が降りやまず、患者さんの受診も少ないため、スタッフには早めに帰ってもらいながら私もいつもより早めに帰宅しました。子どもは雪に大喜びでしたが、私としては春が待ち遠しい今日この頃です。

3月はスギ花粉が猛威を払う時期です。昨年よりもスギ花粉の量が多い予想が発表されており、症状がひどくなると思われます。対策としては薬だけではなく、洗濯物を室内干しにする・外出時のマスクや眼鏡、帽子の着用など花粉との接触を少なくする工夫も大切です。最近は根本治療とも言われる舌下免疫療法が登場し5歳以降が適応で症状に悩むお子さんにもお勧めです。

先月18日、私たち夫婦に子どもたちからのサプライズがありました。うちの息子宛の届け物があったため、何だろうなあと思っていたところ、娘がその届け物を私たちに隠れて、うれしそうに取り出しました。そして、私たちに「兄弟みんなでお金を出し合って買った結婚記念日のプレゼントです。どうぞ」と言いランニング用の帽子を頂きました。親を慕ってくれる子どもたちに感謝です。子育てのご褒美はこんな風に届くのだなぁと思いました。

皆さんもご存じの通り、3月13日からマスクの着用についての方針が大きく変わります。3年以上マスクを着け続けた子どもたちへの関わりについてお話をします。

 

3月13日以降のマスク着用について

 厚生労働省からの発表により「マスク着用については、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断にゆだねる」となるようです。すでに3年以上、マスクをし続けたので、3月13日から個人の判断となっても、同調圧力(周りの視線)の点からも急にマスクなしの生活には移行しにくいと思います。医療機関・高齢者施設に行くときはマスク着用が望ましいとも言われており、3年続けた習慣を急になくすのは難しいため、ゆっくり移行する方向で良いのではないかと思っています。

 

園・学校での対応

 子どもは生活の場が園・学校のため、園・学校での対応が気になります。園・学校の節目は3月末になるので、13日からマスク着用を変えるのは現場で動揺があるのではないかと思います。マスクに慣れているお子さんにとってはマスクをはずすことで、隠れていた顔の部分を見られることへの羞恥心があったり、マスクをつけることでの息苦しさ・かぶれなど一長一短があると思います。卒業式でマスクをどうするかと議論になっていますが、主人公である子どもたちの声に丁寧に耳を傾け、対応法を決めていただけたら幸いです。子どもたちになるべく理解できるような説明をしていただけたらありがたく思います。

 

コロナ禍での子どもたち

 出生数の低下が止まらず、2021年が81万人、2022年は80万人を割り込むような状況で、少子化が止まりません。そして、3年にわたるコロナ禍で子どもの自殺・不登校・いじめ・肥満の増加や体力低下がみられています。また、国立成育医療研究センターのグループで子どもを対象として調査したアンケートから、集中できない・すぐにイライラしてしまう・寝つけない・ひとりぼっちだと感じる・自分や家族を傷つけてしまうなどの7割超が何らかのストレス症状をかかえていることがわかり、こころの問題も見逃すことができません。子どもたちにとっても生きづらい状況があります。

 5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行します。コロナの死亡率も季節性インフルエンザと同じぐらいまでに下がってきました。今までと同じようにコロナ感染を気にしすぎると、子どもたちの体と心に影響が出ます。両者のバランスを考えて、私たち大人たちは子どもたちがコロナ前の生活に戻れるように考えるべきです。園・学校さらにご家庭でお子さんたちの声に耳を傾けてほしいと願っています。

 

参考文献

コロナ禍における子どもたちの心とからだ 国立成育医療研究センター

令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について 厚労省

卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について(通知)文科省

 

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