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院長コラム

 寒さを感じるようになり、秋らしくなってきました。私は今月末にある富士山マラソンに備えて、少し長めにランニングをしています。

先月、自宅のトイレの便座部分のみが壊れたため、ネットで購入した便座をYouTubeで見ながら自分で取り換えることにしました。YouTubeを見ると30分で簡単にできるようだったので気軽な気持ちで始めました。途中、便座の型が違うことに気づき、やり方がわからない状態で四苦八苦していました。ウォシュレットトレイのため電気配線ボックスを開け、懐中電灯で照らしながら配線を抜き差ししました。狭い所があったので、私より手が小さい娘にも手伝ってもらい、2人で汗をかきながら1時間以上かかりなんとか取り換えることができました。

 10月12日、患者支援団体・医師などの専門家が企画した「第14回ワクチンパレード2023」に初めて参加してきました。数十人が参加して東京の六本木から日比谷までを「希望するすべての人たちに無料でワクチンを」とアピールするパレードを行いました。この日は秋晴れで大変気持ちよく行進できました。さらに武見大臣と面談し、各患者会からの要望書を提出し、記者会見も行いました。医療従事者と患者会の協働という貴重な経験をすることができましたので、各患者会から提出された要望書に関してお伝えします。

 

おたふくかぜワクチンの定期接種化を!

 両側難聴で人工内耳をつけている人工聴覚情報学会の理事の方が「おたふくかぜワクチンを定期接種化してもらいたい!」と訴えていました。おたふくかぜにかかると合併症として、無菌性髄膜炎が約50人に1人、一生治らない重度の難聴が約1000人に1人の割合でかかると言われます。

その理事の方から片側性難聴でも不自由さがあることを聞きました。音の立体感がわからず、どこで音がしているかがわからないそうで、自分のポケットからスマホを落としても音は聞こえるがどこで音がしているかがわからず、落としたことに気づくことができず、電車の発車ベルが鳴ってもどの電車から発した音がわからないといった不自由さがあることを知りました。

 

不活化ポリオ5回目の定期接種化を!

「ポリオの会」からは3人が参加していました。定期接種である生ポリオを飲んだ後、まれに起こる副反応でポリオを発症、足に麻痺がみられ、車椅子生活になってしまったワクチン被害者の方々でした。生ポリオワクチンによる小児まひを防ぐために、2012年から不活化ワクチンに切り替えられました。

現在、不活化ポリオワクチンの4回接種を実施していますが、接種から時間が経つと感染を予防する力が低下してきます。ポリオの会では、就学前の5回目接種の必要性を要望していました。

外務省の海外安全ホームページによると、ポリオの発生はアフガニスタン・マラウイなどだけでなく、アメリカ・イギリス・カナダの国も含まれていて、渡航時は追加接種を検討するように呼び掛けています。ただ、国内でもコロナ5類以降渡航者が増えている状況を考えるとリスクはあると思います。

 

HPVワクチンをどこでも、男子にも!

 今回のパレードでは日本産婦人科医会会長からHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種率が低いため、もっと接種率が上がるようにと切に訴えていました。さらに、今回のパレードの中心的な立役者である小児科医の細部先生からはHPVワクチン接種率が上がらない原因の一つである、大学生の接種が居住地と住民票が異なることで、書類のやり取りが複雑になり、接種のしづらさがある状況を解消して欲しいと要望していました。

 現役の男子大学生は、HPVワクチンを男子にも定期接種化することを訴えていました。アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダでは男性への定期接種が始まっています。HPVは肛門がん・陰茎がん・中咽頭がんの発症原因になり、HPVワクチンを接種することでそれらの病気を予防できます。HPV感染は性交渉でうつるため、男性が接種することで、これらのがん予防だけでなく、大切なパートナーへの感染の広がりを抑え、子宮頸がんなどの病気から守ることにもなります。いくつかの自治体で男性へのHPVワクチンの助成が始まっています。今後も最新のワクチン情報を収集しながら、小児科医として啓蒙活動に努めていきたいと感じた一日になりました。

 

参考文献

NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会 ホームページ

外務省 海外安全ホームページ ポリオの発生状況

みんパピホームページ 男性はこちら

 9月に入っても猛暑日が続き、夏が好きな私もさすがに体に応えましたが、皆さんはどうですか?

ところで先日、追突事故に遭いました。お店の駐車場に車を止め、シートベルトをはずし車から降りる直前に、後ろから体に強い衝撃が走りました。幸い、首の痛み以外の症状はありませんでしたが、皆さんも車の運転にはくれぐれも気をつけてください。

例年、小児科は9月頃感染症が落ち着く時期なのですが、今年はコロナやインフルエンザの受診が多く、まだまだ落ち着いていない現状です。この3年間インフルエンザはコロナ禍の感染対策の効果もあって、流行が抑えられていました。多くの人たちはインフルエンザに対する免疫力が低下していることを考えると、今冬は例年通りにインフルエンザワクチンの接種も忘れずに備えるべきだと思います。

今月は、知的な遅れがないが「読み・書き」「計算」などの習得がうまくいかない発達障害の中の一つである「学習障害」について皆さんにお伝えしたいと思います。

 

学習障害とは

 学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力について習得できない、もしくはうまく発揮することができないため、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。学習障害は発達障害の一つとして位置づけられています。

原因は中枢神経系の何らかの機能障害によるものと推定されています。頻度として、2012年に小中学校教師を対象とした全国調査が行われ、学習面に著しい困難を示す児童生徒は4.5%存在することが示されました。タイプとして読字・書字表出の障害(読み書き障害、ディスレクシア)・算数の障害に分けられます。

 

学習障害の診断など

 幼児期に文字に興味がない・文字を覚えようとしない・文字を一つ一つ拾って読む・読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む・本を読んでいるとすぐ疲れるなどがみられるとディスレクシア(読み書き障害)の可能性があります。診断は特異的発達障害 診断・治療のための実践ガイドラインによると、知的発達が問題ないか知能検査(WISC-Ⅳなど)をし、読みや算数のテストを行い、平均からどの程度の遅れがあるかで判定していきます。

 

ディスレクシア(読み書き障害)について

ディスレクシアのお子さんは文字が読めないと表現されることが多いのですが、正しくは読むのが極端に遅く、よく間違えます。1文字を読むのに時間がかかり、間違えるため、読むだけで疲れてしまい、意味を把握する段階まで至りません。そのため読書に対する拒否感が生じてしまうことになります。その結果、語彙や知識が不足して、学業不振が著しくなっていきます。さらには心身症や不登校といった二次障害が起こることもあります。

 

学習障害のお子さんの対応方法

 読み書き・計算が苦手なのか、障害なのかを判定するのは簡単ではないと思いますが、努力しても習得に困難がある場合は学習障害を疑うことも大切です。診断は専門の医療機関で対応できますので、相談することをお勧めします。

学習障害がある場合は、通常学級にするか、通級や支援級にするか迷っている方もあるかと思います。発達障害の第一人者である本田秀夫先生著「学校の中の発達障害」では、小1で通常学級に入り「自分は失敗した、がんばれなかった」という挫折感を持つと子どものメンタルヘルスが損なわれるので、特性がみられるのであれば、入学時は通級や支援級を勧めています。通級や支援級で趣味の合う子が見つかる場合もあるようです。親としては通常学級を希望しがちですが、見学等を通してお子さんと一緒に考えると良いでしょう。親が子どもに勉強を教えると、力が入りすぎて、親子関係が悪くなります。学習のお手伝いをしてくれる放課後等デイサービスの利用も検討してはいかがでしょうか?

私が関わったケースでは、通学している学校に通級体制がなく、通級を利用したい場合は別の学校に移動するため、保護者が子どもを送迎しなければならない状況があることを知りました。通級をすべての学校に設置して、子どもに適切な教育を受けられる配慮をしていただけたらありがたいです。

 

参考文献

学習障害 文部科学省   

学習障害 e-ヘルスネット(厚生労働省)

ディスレクシア 国立成育医療研究センター

通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について2012 

稲垣真澄:特異的発達障害 診断・治療のための実践ガイドライン.診断と治療者. 2018

本田秀夫:学校の中の発達障害.SB新書.2023

今夏は猛暑で大変でした。連日の熱中症警戒アラート発生に、子ども達の外での遊びも制限せざるを得ない夏になりました。みなさんの夏休みはいかがでしたか?久しぶりの行事への参加・実家への帰省など各々の思い出ができたと思います。

私の夏の思い出の一つ目が神明の花火大会(市川三郷町)です。約2万発の花火は素晴らしすぎで感無量でした。二つ目は息子の部活大会の応援です。大学生の息子がボート部に所属しています。昨年の大会は猛練習していたのですが、大会直前に部員1人がコロナに罹り全員が出場停止となりました。今年は無事大会にシングルで出場し、なんと2位との差が0.3秒という僅差で優勝しました。息子の喜びを一緒に共有することができ、仲間の部員に胴上げされている息子を目にしてよい思い出となりました。

今月は先月に引き続き、認知度は高まってきたが、まだまだ関心が薄いLGBTQ+についてさらに理解を深めていきましょう。

 

SOGIE(ソジー)って?

 SOGIEは性の多様性を表す際に使われる言葉で、性的指向(好きになる性別:Sexual Orientation)、性自認(自分の性別についての認識:Gender Identity)、性表現(服装や髪形など性別についての表現:Gender Expression)の頭文字を取っています。LGBTQ+は「どんな人」であるかを表すのに対して、SOGIEはLGBTQ+だけでなく、誰もが持っている性の要素です。これらの要素の組み合わせで性のあり方が決めると考えることができます。

 

SOGIEハラ(そじはら)に注意!

 LGBTQ+の当事者であると周りに伝えることを「カミングアウト」と言い、カミングアウトされたことを、本人の同意なく、第三者に「その人がLGBTQ+である」ことを暴露することを「アウティング」と言います。

 SOGIEハラはアウティングやSOGIEに関する差別やいやがらせのことを言います。「女の子なのに」「男らしくない」「あの子レズなんじゃない?」「あまえらホモかよ」「女の子なんだからちゃんと制服のスカートをはきなさい」などはSOGIEハラになりますので気をつけましょう。

 2020年6月から施行された改正労働施策総合推進法(いわゆる「パワハラ防止法」)に基づき、SOGIEハラ防止の対応が企業や地方自治体に義務づけられています。

 SOGIEハラを見かけた場合は注意をしたり、他の話題に切り替えたり、SOGIEハラを受けた人に後から声をかけたりして、サポートできると良いと思います。一緒になって笑ったりするような同調行為をしないように気をつけるべきです。

 

LGBTQ+の人たちの現状

 周りの人にカミングアウト(公表)しているLGBTQ+の人はまだ少ないのが現状です。最新の厚生労働省の調査によると、「誰にもカミングアウトしていない」という回答が6~7割に上っています。気づく時期は思春期が多く、中学卒業までに約9割の当事者は自覚していたという調査結果もあります。

また、性のあり方は肌の色や目の色などと同じように、基本的には生まれつきと考えられています。努力して治る類のものでもありません。例えば、恋愛対象として「異性が好き」という方が、気づいたら異性が好きという感情が自然に芽生えていて、同性が好きになるように努力してもそうならないのと同じと考えてください。

これまでの社会の仕組みがLGBTQ+の存在を想定せずに作られているために、自分の性別に違和感を持たず、異性が好きな人しかいないという前提が広く共有されています。このため、疎外感を味わいながら生きている当事者も少なくないことを知っておくことが大切だと思います。

 

カミングアウトされたら

 カミングアウトされた時は、驚いたり、当惑したり、様々な感情が湧きおこるのは自然な反応です。もしかしたら本人も、とても悩んで、必死の思いであなたに打ち明けたかもしれません。まずは本人の話をじっくり聴いて、どうやって寄り添っていけるか一緒に考えてほしいと思います。また、聴いた話は本人の同意を得ずに勝手に他の人に伝えない(アウティングしない)ように注意してください。本人はできたら、特別扱いせず、一人の人として尊重してほしいと思っています。「一人で悩んでつらかったでしょう。私に話してくれてありがとう。何か困っていることがあったら遠慮せずに言ってね」というような受け止めが嬉しかった、肩の荷が下りたという当事者の声も聞かれるようです。

 私自身、カミングアウトされた経験はありません。LGBTQ+の人たちは私たちの周囲にいて、いろいろと悩んでいます。カミングアウトしやすい社会になると、当事者がもっと生きやすくなってくるのではないでしょうか。

 

参考文献

LGBTQ+/SOGIEの基礎知識 明石市ホームページ

 梅雨明けする前から猛暑といわれる暑さですね。熱中症にはくれぐれも気をつけてください。最近の学校でのマスク着用は小中高とも比較的男子は多くがはずせているようです。一方で小中高の女子は周囲の目が気になって、多くがはずせないでいるようです。2学期に入ったら、互いにマスクなしで会話ができると良いですね。

 7月初旬甲府七夕祭りが3年ぶりに開催されました。うちの娘は母親とお友達と一緒に行ってきました。私が帰宅後の娘に感想を聞いたところ、「楽しかった!」と言ったので何が楽しかったのかと聞いたら、「とにかく楽しかった!」と何もかもが楽しかったようで興奮していました。コロナ禍だった3年間、いろいろな行事がなくなって体験できていなかったので、この夏はなるべく多くの体験をさせてあげたいと思っています。

 2023年6月にLBGT理解増進法が施行されました。今月と来月にわたってLGBTQ+についてみなさんと理解をより深めていきたいと思います。

 

性を構成する4つの要素

 「性のあり方」は一般的に言われる「男性」「女性」という二通り以上にもっと多様であるという考え方が広がっています。人の性を構成する4つの要素として①出生時に割り当てられた性別(身体的性)②自分の性をどのように思っているか(性自認)③どのような性別の人を好きになるか(性的指向)④服装や髪形、しぐさ、言葉遣いなどを通して、自分がどのような性であると表現したいか(性表現)があります。

 

LGBTQ+って?

 LGBTとは、Lがレズビアン(女性が好きな女性、女性同性愛者)、Gがゲイ(男性が好きな男性、男性同性愛者)、Bがバイセクシャル(男性も女性も好きになる人、両性愛者)、Tがトランスジェンダー(身体的性別と性自認が一致しない人)、それぞれ四つの性的なマイノリティの頭文字をとった総称で、性の多様性を表す言葉です。L・G・Bは性的指向、Tは性自認にあたります。LGBTの4つがよく知られていると思います。

しかし、実はもっと様々な性があります。性的指向も、はっきり同性愛、異性愛とくくれない人もいます(基本的には異性愛でも、ごくまれに同性にも惹かれるなど)。性自認も、男性にも女性にも当てはまらないという人、流動的な人(昨日は男性、今日は女性と移り変わる人など)、さまざまです。つまり、いわゆる「セクシュアルマイノリティー(性的少数者)」は、LGBTの四つだけではなく、もっとさまざまな分類があります。Qはクエスチョニング(自分自身の性的指向や性自認がはっきりとしていない人)またはクィア(性的マイノリティを包括する)を意味します。+はLGBTQ以外の多様な性を表しています。また、はっきりと区切られるものではなく、性のあり方は「グラデーション」であると言われています。

 

LGBTQ+の生きづらさを知る

 2020年12月に電通が行った全国20~59歳の計6万人を対象としたLGBTQ+に関するインターネット調査があります。LGBTQ+に該当する人の割合は8.9%、40人のクラスがあれば3~4人が性的マイノリティに当たります。認知度は80.1%(5年前、37.6%)であり、認知度は高まってはいるが、周囲にLGBTQ+当事者がほぼいないなど、自分事として考えるきっかけがないことがわかりました。

 認定NPO法人ReBitが2022年9月、全国の12~34歳のLGBTQ+当事者約2600人にインターネットで調査しました。10代LGBTQ+は過去1年に48.1%が自殺念慮、14.0%が自殺未遂、38.1%が自傷行為を経験と回答。日本財団の「日本財団第4回自殺意識調査(2021)」と比較し、10代LGBTQ+の自殺念慮は3.8倍、自殺未遂は4.1倍と高い状況にあることがわかりました。さらに、約9割が保護者や教職員に相談はできないなど、自殺や孤独・孤立の高いリスクを抱えていました。

LGBTQ+の人々や子どもたちに対して、学校でのいじめや職場でのハラスメントがたくさんあり、心無いいじめや差別の中で、生きていく展望を奪われて自殺に追い込まれる人々・子どもたちもたくさんいます。

以前、私が大学生に対して講義をしたときに、外見が男っぽい感じだったので勝手に男子と思いこんでしまい、「○○くん」と声をかけて、周囲の学生から女子であると教えていただいたことがありました。その学生にはすぐに謝罪をしましたが、大変申し訳ないことをしました。外見だけで、性別を区別してはいけないと反省した苦い経験です。性的マイノリティの人たちが偏見や差別を受けることのない社会をつくるために、まず私たちは無関心でいるのではなく、理解していかなければならないと思います。

 

参考文献

LGBTQ+/SOGIEの基礎知識 明石市ホームページ

LGBTQなど性的マイノリティを取り巻く問題。私たちにできること 日本財団ホームページ

LGBTQとは わかりやすく活動家が解説 SDGs ACTION!

電通、「LGBTQ+調査2020」を実施 株式会社電通

調査速報 10代LGBTQの48%が自殺念慮、14%が自殺未遂を過去1年で経験。

 夏がやってきました。この3年間は制限の夏だったので、今夏は思いっきり遊んでください。コロナ禍だった頃、子どもたちが診察に来ると「鼻の検査する?」と泣きながらやらないでほしいと訴えてくるお子さん達に、熱がある場合はコロナの検査をしてきました。5類以降、コロナの検査をする機会が減り、子どもたちの検査の負担が減ってきてホッとしています。最近、感染対策の緩和、コロナ以外の感染症に対する免疫の低下のためか、RSウイルス・インフルエンザ・夏風邪・胃腸炎などの感染症が流行しています。

 5月末、うちの娘(小5)の運動会が保護者の人数制限なく盛大に開かれました。バトンリレー・組体操・ダンスに取り組んでおり、運動会の練習が始まったとたんテンションが上がっていました。当日は娘の姿を見て、成長を感じることができる日となりました。運動会は午前中のみの開催で午後までの開催を知る親としてはちょっぴり物足りなさを感じますが、先生方の働き方改革・子どもたちの練習の負担の両面から考えると妥当性を感じました。

 国立感染症研究所から国内の麻しん患者数が6月4日時点で14人と発表がありました。2020年10人、2021年6人、2022年6人の患者数から考えると、今年は今後の患者数の増加が懸念されます。まだ患者数が少ないのでパニックになる必要はありませんが、この機会に「麻しん」という病気を知っていただけたら幸いです。

 

麻しんとは

 麻しんは麻しんウイルスによって起こり、感染力は非常に強く、空気感染・飛沫感染・接触感染によって感染します。感染から約10日後に熱・せき・鼻水などの症状がでて、その後全身に発疹が出てきます。肺炎・中耳炎の合併症を伴うことも多く、1,000人に1人が死亡する重い病気です。特効薬はなく、確実な予防法は予防接種です。診断はインフルエンザのような迅速検査はなく、症状が熱・咳・鼻水といった風邪と同じような症状であるため、初期の診断は困難です。麻しんワクチンをしている人でもかかる場合はあり、症状が軽くなるため、

診断はさらに難しくなります。

 

麻しんにかからないために

 麻しんを予防する唯一の方法はワクチン接種です。定期接種で子どもたちは1歳台と年長で2回接種をします。まず1歳になったらすぐに接種をしてください。一番心配なのは接種対象の時期でない1歳前のお子さんです。

今年の麻しん患者の感染経路が共通の公共交通機関(新幹線などの電車)であったことが明らかにされています。麻疹ワクチンをしていない1歳前のお子さんは電車などの公共交通機関の利用を控えた方がよいのではないかと思います。さらに厚生労働省は麻しんが疑われる症状があった場合は、受診前に医療機関に連絡し、公共交通機関の利用は控えてほしいと述べています。

 大人も子どもと同じで麻しんワクチンを2回接種しているか確認してください。母子手帳をみて、わからない場合は血液検査で麻しんの抗体検査を行い、低い場合は接種をしてください。抗体検査は自費になるため、ワクチン接種していないようなら抗体検査をせず、ワクチンを2回接種しても構いません。迷うようであれば、かかりつけ医に相談をしてください。

 

麻しん感染により難病を患うことも

 麻しん感染により発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という難病があります。麻しんに感染してから数年の潜伏期間の後に発病し、発病後は数か月から数年の経過で神経症状が進行する病気です。治療法は確立されておらず、現在でも予後が悪い病気です。麻しん患者の数万人に1人が発症します。患者数は現在全国に150人程度います。以前は年間発症者数が10~15人くらいでしたが、麻しんワクチンの普及により最近の発症者はほとんどみられません。

 私はSSPEにかかったお子さんを持つ家族の会(SSPE青空の会)が行っているサマーキャンプに数年前から参加させていただいています。以前サマーキャンプで参加した時に、ご両親から聞いた話をお伝えします。「ワクチン接種対象年齢前の0歳代に麻しん感染し、その後は全く元気に普通の生活をしていましたが、楽しい高校生活を送っていた頃、足のピクつきがはじまり、やがて寝たきり生活になってしまった」「親としては発症し急激に症状が悪化しているにも関わらず、何もできずにいたことが一番つらかった」という内容でした。話を聞き、私はやりきれない気持ちでいっぱいになりました。麻しんに感染するとまれにSSPEにかかることがあります。この家族の会は、家族の交流だけではなく、SSPEという病気がなくなるために、麻しんワクチンを接種してもらうためにお子さんを連れて、学会や厚生労働省に接種を呼びかける活動をしています。

同じ思いの家族を出さないためにという活動に敬意を表します。

 

参考文献

国立感染症研究所 感染症発生動向調査2023年第22週(5月29日~6月4日)

厚生労働省 麻しんについて

SSPE青空の会

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(指定難病24)(難病情報センター)

 

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