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院長コラム

 例年と比較して早く明けた梅雨でしたが、その後戻り梅雨のような陽気になり、ようやく夏らしくなってきました。コロナの感染増は気になりますが、夏祭り、花火大会が予定されています。感染対策を気にしながら、お子さんと一緒にいろんな体験・経験をしていただけたら幸いです。

8月15日は終戦記念日であり、77年前のこの日に第2次世界大戦が終結しました。この大戦で日本人の軍人の死者数は230万人、民間人の犠牲者数が80万にのぼりました。今の日本の平和は多くの犠牲者の上で築かれています。今年2月からはロシアがウクライナに進行しており、戦後も世界各国で戦争が絶えません。この機会にご両親から子どもたちに戦争の悲惨さ・平和の尊さを伝えていただけたら幸いです。

先月、ラジオNIKKEIの「小児科診療 Up-to-DATE」という番組から「子どもの自殺を考える」(10/27放送予定)の依頼があり、東京にあるスタジオに行き収録をしてきました。ラジオ番組の収録は初めてで緊張しながら話をしてきました。今回はこの収録を通じて、学んだこと・知ってほしいことをテーマに掲げます。

過去約40年間の厚生労働省「人口動態調査」から18歳以下の自殺者の日別自殺者数をみると、夏休み明けの9月1日に最も自殺者数が増えています。長期休み明けはお子さんの生活環境が変わる時期で大きなストレスがあります。今月は子どもの自殺予防の中で大切な要素と言われている「援助希求力を高める」ことの大切さについてお話します。

 

子どもの自殺の現状

 全国の自殺者数は2010年から減少傾向にあり、令和3年の自殺者数は21,007人でした。その中でも大人の自殺は社会問題となり減少傾向に向かっています。しかし、少子化にも関わらず10代の自殺者数は減少しておらず、令和3年の小中高生の自殺者数は473人でコロナ前に比べて約100人多く、ここ2年間の増加はコロナ禍であることが影響しています。いじめに関連した自殺があると報道され一時期な関心の高まりは見られますが、「子どもの自殺が増えている」ことに関しては社会的な関心が低いのが実態です。

子どもの自殺の原因は「いじめ」だと多くの人が思いがちですが、2020年コロナ禍の児童・生徒の自殺の原因をみると、原因が明らかにされた理由の第1位が「進路の悩み」、第2位が「学業不振」、第3位が「親子関係の不和」となっています。しかし、6割が原因不明であり原因を探ることも困難なのが実情です。

 

大人が子どもたちに伝えるべきこと

 子どもたちには、ひどく落ち込んだ時には親・教師・友達の誰でもいいので伝えやすい人に相談をするように伝えてください。思春期になると相談相手は大人よりも友人が多くなります。「死にたい」と打ち明けられたら、その友達の気持ちを大事にしながら話を聴いて、信頼できる大人につなぐことがとても大切であることを強調してください。

 

「死にたい」と訴えられたら

 信頼関係のある先生に子どもから「死にたい」と訴えてくるかもしれません。訴えられた人は強い不安に襲われると思いますが、Tell(伝える)・Ask(尋ねる)・Listen(聴く)・Keep safe(安全を確保する)という「TALKの原則」で対応してください。「大丈夫、頑張れば元気になる」といった励ましや「死ぬなんて馬鹿なことを考えるな」等と叱ると、開き始めた心が閉ざされてしまします。徹底的に聞き役に回ってください。こういった場合、学校と保護者だけでの対応には限界がありますので、精神科・心療内科・小児科といった医療機関へつなげていくことも大切です。

子ども自身が大切な命を自分の力で閉じてしまう自殺は「孤立の病」とも言われ、長い時間かかって徐々に危険な心理状態に陥っていくのが一般的です。「誰も自分のことを助けてくれるはずがない」というひどい孤立感・「私なんかいない方がいい」という無価値観・強い怒り・苦しみが永遠に続くという思い込み・心理的視野狭窄が挙げられています。自殺が現実に起きる前に子どもは必ず「助けて!」という必至の叫びを発します。 

現在のコロナ禍においては、子どもへのストレスが増強しており、さらなる生きづらさが子どもの自殺者数の増加の一因になっています。これ以上、子どもの自殺者数を増やさないためにもコロナ感染対策への緩和を求めます。子どもも大人も生きやすい社会がすべての人への自殺予防になります。

 

参考文献

文部科学省:子供に伝えたい自殺予防 2014

文部科学省:教師が知っておきたい子どもの自殺予防

 夏がやってきました。まだまだコロナの感染者が落ち着いてはいませんが、海外からの入国制限の緩和や学校の体育授業でのマスク着用をやめることなど少しずつ緩和の流れがあります。さらに5月14日東京都医師会からコロナの扱いを感染症法上の「2類相当」から「5類相当」に引き下げ、入院や就業制限や健康観察の措置を不要とするインフルエンザと同様の対処にすべきだとする案が出されました。私が診察でコロナにかかった子どもの様子をみると、多くが軽症で済んでおり、過度に恐れる必要はないのではないかと思っています。ご家庭でも感染対策を気にしながら、お子さんのために夏ならではの経験をしてください。

 私は健康のために週2日ほど、1時間程度ランニングをしています。先月気温が高い日にランニング後、血尿が出てとても心配になりました。信頼できる泌尿器科医の先輩に相談をしたところ、筋肉の一部が壊れたことによるミオグロビン尿ということがわかりました。水分摂取不足が原因と言われ、運動時は水分をしっかりととるように言われました。皆さんも気を付けてください。

今月は夏を迎え、コロナ禍での子どもの熱中症対策についてお伝えします。

 

熱中症とは

 熱中症は高温多湿な環境に長時間いることで、体温調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態で起こります。屋外だけでなく、室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送や、場合によっては死亡することもあります。お子さんの場合は公園で遊んでいる時や、スポーツなどで運動をしているときに起こりやすいです。車内はクーラーをかけていても高温になりやすいので子どもだけにするのは危険です。例年、炎天下でサッカーや野球などの部活動や試合で無理をして気分が悪くなり、受診されるケースがあります。炎天下での部活動や試合は行うべきではありません。

 初期の症状としてはめまい・立ちくらみ・筋肉痛・汗を多くかく・気持ち悪いなどがあり、症状が進行してくると、頭痛・嘔吐・だるさなどが出て、重症になると、意識がなくなる・けいれんが起こります。

 

子どもは大人より熱中症になりやすい!

 子どもが大人よりも熱中症になりやすいのは、子どもは体重に比べて体表面積が広い分、気温など周囲の影響を受けやすい・子どもは大人よりも身長が低いため地面からの照り返しの影響を強く受けやすい・子どもは発汗の機能(汗を出して体温を下げる)が弱いため、体温を下げる能力が低く、体の中に熱がこもりやすいためです。さらに、子どもは自分で適切な水分摂取ができないことがあります。のどが渇いていても親に訴えることができず、遊びや運動に夢中になると体の不調を訴えなくなるため、異変がないか大人が気にする必要があります。

 

予防法

 予防法はこまめな水分補給が大切です。水分補給は水とともにナトリウム(Na)などの電解質が失われるため、必要に応じてイオン飲料や経口補水液がお勧めです。お子さんが「のどが渇いた」と言ったときは、水分が失われています。のどが渇く前に少しずつ水分をとってください。通気性のよい涼しい服を着させ、帽子もかぶってもらえるといいです。子どもは大人よりも照り返しの影響を受けることを気にして、こまめに日陰や屋内で休憩をとってください。また、子どもは体調の異変を言葉にできないことを知っていただくことも大切です。もし、気持ち悪い・頭がいたい・くらくらするなどの訴えがあった場合は早めに対応しましょう。

 コロナ禍ではマスク着用が気になります。マスクをしていると皮膚からの熱が逃げなくなり、熱中症のリスクが高まります。屋外では人と2m以上離れていれば、マスクをはずすことをお勧めします。

 

対応法

 熱中症かもと思ったら、衣類をゆるめ、涼しいところに頭を低くして寝かせてあげてください。イオン飲料・経口補水液などをこまめに少しずつ飲ませてください。冷たい濡れタオルで体を拭き、クーラーの効いた部屋に寝かせて、積極的に体を冷やしてください。意識がない・けいれんをしている場合はすぐに救急車を呼んでください。

コロナ禍で子どもがコロナにかかり亡くなったケースはほとんどいません。そのため、マスク着用を気にしすぎて、熱中症でお子さんが亡くなることがあってはならないことだと思います。

最後に今月10日に参議院選挙が行われます。一票で何も変わらないように思いがちですが、決してそんなことはありません。一票の積み重ね、特に若い人が投票に行くことで若い人や子どもたちの声が政治に反映されます。ぜひ、子どもを連れて投票に行ってください。子どもが選挙のことを親に聞いてきたら、わかりやすく政治について話をしてください。選挙は子どもの教育にもなります。

 

参考文献

国立成育医療研究センターホームページ

厚生労働省ホームページ

熱中症診療ガイドライン2015

 今年のG・Wは行動制限がなく、少しずつ自粛の解除が感じられる雰囲気が出てきました。先月、17日文部科学大臣記者会見において「体育の授業ではマスクの着用は必要ないということ、気温とか湿度や暑さ指数が高い日には、熱中症への対応を優先させてマスクを外すこと」と述べています。昨年、大阪の小学5年男子が体育の授業でマスクをつけて持久走後死亡した報道がありました。これからの季節は特に感染対策を重視しすぎて熱中症のリスクを見逃してはならないと思います。

先月、国立成育医療研究センターがアンケート調査を行ったところ、小学高学年から中学生1~2割にうつ症状・3割は自分にうつ症状が出ても「誰にも相談しない」ということが明らかにされました。いらいらしている・朝起きられないなどのサインがあれば、子どもの話を聞く、必要ならためらわず医療機関に相談をしてください。先月、芸能人の自殺がありました。うつから自殺に発展します。子どもの自殺は増加傾向になっています。子どもの変化に気づくためにも日頃の親子の会話を大切にしてください。

今月は「教育」について考えます。先日現役の公立小学校の教師と本音で話す機会がありました。私も妻も我が家の子どもたちも公立小中高でお世話になっています。子どもたちに質のよい教育を受けてもらうためにも公教育について考えてもらえる契機になればありがたいです。

 

小学校教員採用試験倍率2.4倍

 文科省から発表された令和4年度の教員採用試験の倍率は全国平均3.4倍(うち小学校2.4倍)、10年前は5.8倍で年々低下傾向にあります。教師になりたいと思う人が少ない、人気がなくなってきている職種であることがわかります。教師は国の根幹である人づくりの立役者であり、子どもへの教育を通じて、日本を支える役割を担っていると言えます。

一方で最近は、教師の仕事は「ブラック」と言われています。小学校の担任先生はクラスの授業を朝から夕方まで担当し、休み時間は宿題のチェック、給食は自分も食べながら子どもたちと一緒で休む暇がありません。仕事を家に持ち帰ることもあると聞きます。質の良い授業をする上では休憩時間を取る・授業の準備をする時間が必要です。

魅力ある職場にするためには、休憩時間を増やす・雑務を減らすことが求められます。具体的には、担任の先生以外の先生にいくつか授業を担当してもらい、空き時間を作ること・雑務を減らす等が求められます。県内では全国初となる公立小学校1年生の1クラス25人学級の制度ができており、教育に力を入れています。教師の質にも着目し、教師側に立った両輪の政策が求められます。

 

じわじわとかさむ教育費

 うちの娘(小4)が昨年から学校から支給されたノートパソコンを家に持ち帰り、パソコンを使いながら宿題をしていました。このパソコンは国から支給されたようで無償でしたが、今年度より山梨県教育委員会が県立高校の新入生に対してノートパソコン購入を求めています。文科省によると公立高でのパソコンなどの導入の費用負担は保護者負担と行政負担が全国的に約半々でした。現在、少子化対策で医療費・教育費など家計の負担を抑える流れに逆行しているように思えます。 

子育て政策の充実(医療費・給食費・保育料・遊び場利用料・おむつ代の5つの無料化)により人口増加・税収増・経済の活性化が注目されている兵庫県明石市の市長によると「トップの決断で予算の無駄遣いを減らし、予算をシフトすれば、よりよい子ども施策が実現できる」と述べていました。県内でも実現可能ではないかと勇気をもらいました。

 

小学校のクラス替え

 小学校のクラス替えは2年に1度と信じ込んでいた私は、近年全国的にクラス替えが毎年へと変わりつつあることを知り驚きました。クラス替えは国や都道府県に明確な指針はないようで、各学校の判断に任されているそうです。

 2年に1度では一貫した指導がしやすく、教員と子ども・子ども同士で深い人間関係が築けるメリットはあります。一方毎年になると、様々な子どもや教員らと出会う機会が増えます。クラスの生徒や先生との相性が合わず、戸惑っているお子さんが腹痛・頭痛などの不定愁訴を認め、不登校に発展していた子がクラス替えをきっかけに症状が改善することもあります。少子化が進行していることもあり、様々な子どもたちとの出会いや交流を考えると毎年のクラス替えのメリットも考えながら、これまでの学校の判断を踏襲するだけでなく、検討する必要性もあるのではないかと感じました。

 

引用文献

末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年5月17日)

国立成育医療研究センターホームページ

【まちづくり】こども家庭庁の創設に際して‐発想の転換を-

 

 新緑の季節に入り、体を動かしたくなる季節になりました。我が家では娘が以前よりもゲームをやりたがるようになり、時間を決めて対応をしていましたが、ゲームから気持ちを離すために先月ネットで数千円の子ども用卓球台を購入したところ、思った以上に私との対戦を楽しんでくれています。今後もゲーム以外の対人の遊びを企画していきます。

 先月から子宮頸がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの積極的勧奨が再開されました。2013年から定期接種化されたものの、副反応と疑われた症状が報告され、積極的な勧奨は控えられていました。その後、安全性について特段の懸念が認めらないと判断されました。子宮頸がんは毎年、約1.1万人が新たに診断され、約3000人が亡くなり、20~40代の女性に多い病気です。HPVワクチンは世界80か国以上で定期接種化され、世界で約8億回も接種されており、他のワクチンと比べて特別に重い副反応を起こしやすいわけではないことがわかっています。子宮頸がんの95%以上がHPVの感染によるもので、17歳未満でHPVワクチンを接種すると子宮頸がんの88%を防ぐことが報告されています。対象者は小学6年生から高校1年生の女子です。また、平成9~17年度の女性でHPVワクチンの接種ができなかった場合でも公費負担で接種できますので、接種券がない場合は市町村の担当者に問い合わせてください。

 今月は、コロナ感染対策について他国の現状や様々な指標を基に検討したいと思います。今年に入り新型コロナウイルス感染症は第6波でオミクロン株に変わり、今までの株より感染力が強い、一方で重症化しづらいという特徴があります。最近、一部の政治家・専門家からの自粛解除への声が聞かれるようになってきました。また、コロナとの共生を歩み始める国々が出ています。コロナ対策の舵を少し緩和する流れについて考えていきたいと思います。

 

新型コロナウイルスの新規感染者数について

 毎日のように新型コロナウイルスの新規感染者数が発表されています。全体を示す感染状況の把握の一つの指標になりますが、社会活動が妨げないように考える指標で一番大切なのは「病床使用率」と「重症者数」ではないかと思います。病床使用率が高くなれば、助けられる命が助けられなくなった昨夏の状況に陥る可能性があるため、病床使用率は常に気にする必要があります。病床が逼迫してくれば、まん延防止等重点措置・緊急事態宣言で感染拡大を防ぐことが大切です。県内の状況をみると、4/13現在、病床使用率(118床使用/389床)30%、重症者数1人(1床使用/24床)となっています。病床数と重症者を念頭に置きながら、自粛強化の度合いを考えることが大切です。つまり、私たちが必要な情報は新規感染者よりも、助ける命を救う指標として、病床使用率・重症者数を意識すべきです。

 

各国のコロナ対策緩和へ

 同じコロナウイルスと戦っている世界では、国により対策が違っています。スウェーデンは今まで規制をせず、コロナ前と同じように対応してきた珍しい国です。一方で中国は感染者を出さないゼロコロナで対応しており、今現在(4/18)、上海はロックダウンをしています。多くの国々ではある程度の規制をしてきましたが、最近、緩和解除の国々が出てきました。アメリカのニューヨーク市では今年3月から公共の建物の屋内や学校でのマスク着用が義務ではなくなりました。イギリスでは4月から規制を撤廃、韓国では4月15日からマスク着用義務は残すものの、大半の規制は撤廃しました。

 

国内の規制を緩めていかないと

 オミクロン株の弱毒化・3回目のコロナワクチン接種が進んでいること・治療薬の進歩によりある程度コロナ対策ができてきたので、規制によるストレスという「負の影響」も考慮し、コロナウイルスとの共存を模索していく段階に入っていると感じています。負の影響として、経済を回せていないことはもちろん、大人こども問わず不安に起因する様々な体の不調の訴えが増えています。そして、子どもにとっては楽しみにしている園・学校の様々な行事や部活動が中止や縮小となり経験が失われてきました。コロナ対策の現状をがんの治療で例えるならば、がんを叩きすぎて、QOLが低下してしまい、生きていく元気がなくなってきてしまっている感じがします。コロナを叩くことだけにエネルギーを使わずに、バランスを考えていくという、ウィズコロナの対策が求められると思います。昨今、強い対策を続けることへの疑問の声も上がってきています。少しずつ日常生活との両立について声を上げる時期に来ていると思います。

 

参考文献

厚生労働省ホームページ

七月にはマスクを外そう 浜松医療センター矢野邦夫 文芸春秋2022年4月号

 子どもたちにとっては進学・進級の春がやってきました。コロナ禍で気分が落ち込む中、梅や桜の花が心を癒してくれますね。一方で連日ウクライナ情勢の情報が伝わるたびに、戦渦の子どもたちを思い心苦しくなります。改めて平和を考える契機になると共に、一刻も早い解決を心から願います。

我が家の子どもが昨年に続き、また1人が今月から社会人になりました。親となった日から20数年間、長かったようにも短かったようにも感じ、色々なことが思い起こされて感無量です。まだ残り3人いるのでもう少し子育てを楽しみたいと思います。

 今年に入り新型コロナ感染症は第6波でオミクロン株に変わり、今までの株より感染力が強く、子どもたちへの感染報告が多く見られています。昨夏の第5波は2か月で終わりましたが、この第6波についてはピークを過ぎたようですが、なかなか収束が見通せていません。今月はコロナについてお話します。

 

子どもたちのコロナ感染状況

山梨県内では3月17日のコロナ感染者は陽性者228名(うち0~19歳が71名)、感染経路不明109名と発表されました。19歳以下の感染者が約3割、感染経路不明者が約5割ということがわかります。日本小児科学会からの調査ではオミクロン株流行期では感染者の約8割が発熱で、悪心・嘔吐が15%、味覚・臭覚障害はほとんどないことがわかっています。

当院(げんきキッズクリニック)の1月から3月15日迄の診療では、18歳以下でコロナ感染を疑い検査(抗原・PCR)した292人中24人陽性で陽性率が約8%でした。コロナ感染者は9割以上が発熱を認め、咽頭痛・嘔気・咳などの症状を伴っていました。感染経路不明例が約4割と少なくなく、つまり園・学校・家庭からの感染例ばかりではなかったことは気になる点です。

さらに、当院で感染が判明した24名の子どもの感染者の症状は、多くが1~2日の発熱で終わり、普通の感冒と変わらぬ経過でした。1晩のみの熱で終わったお子さんもいて、子どものコロナ感染は重症化しにくい印象を受けました。

 隣接するこども園を始めとする園や学校ではクラスターを出さないように教職員の先生方や子どもたちによる感染対策が徹底されています。これを基本にしつつ、第6波における子どものコロナ感染者の症状は多くが発熱であるため、発熱があった場合はコロナを疑う必要があります。園・学校でクラスターを発生させないために1晩の熱だけでもコロナの感染を疑うべきと感じています。第6波については高齢者死亡・医療ひっ迫などのメディア情報だけでコロナをイメージすると実際の現場とのギャップを感じます。

 

5~11歳小児へ新型コロナワクチンについて

 先月から5~11歳の子どもたちへの新型コロナワクチンが始まり、診察時に5~11歳の子どもに新型コロナワクチンをすべきかと質問を受けることが多くなりました。

日本小児科学会から海外のデーターによると、5~11歳の子どもがコロナワクチン接種するとオミクロン株での発症予防効果が30~50%、重症化予防効果は50~70%、副反応としては2回接種後の局所反応が57.5%、全身反応が40.9%、発熱が1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%に認められたと報告されています。

 また、日本小児科学会からは、子どもたちをコロナから守るには子どもたちと関わる周囲の大人への接種が大切であること・基礎疾患のある子どもはワクチン接種で重症化を防ぐことが期待できると述べています。

私としては子どもたちがコロナにかかっても多くは軽症で済んでいることを考えると、焦って接種を急ぐ必要はないと考えています。メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を理解しかかりつけ医に事前に相談することをお勧めします。

最後に3月21日をもって、まん延防止等重点措置が全ての都道府県で終了となり、ようやく社会全体が緩和の流れが出てきました。第6波の子どものコロナ感染は軽症の経過を辿っている場合が多いため、必要な感染対策のみに見直しを行い、子どもたちの日常(部活動や様々な行事)をもう少し戻していく必要があると思います。先月、県知事が経済回復にアクセルを踏むと話されましたが、子どもたちの活動回復にもアクセルを踏んでほしいと願っています。

 

参考文献

日本小児科学会ホームページ

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