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院長コラム

 今月もまだ寒い日々が続いていていますが、なるべく子どもと一緒に外遊びをしましょう。今回の年末年始は久しぶりに実家に戻った人もいたと思います。うちも県外にいる大学生の息子たちと会えました。対面でゆっくりと話すことができ、子どもたちの成長を感じました。父親としての私は息子には何でも負けたくないという気持ちがあるのですが、スマホの使い方に関しては明らかに負けています。今回「スクリーンショット」のやり方を教えてもらいました。

 年明けから再びコロナの感染者が増加してきました。昨夏のデルタ株から今回はオミクロン株に変わってきたようです。オミクロン株は今までの株に比べて、感染力が強い一方で重症化しにくいということがわかっています。これからも感染者数だけではなく重症者数と死亡者数も意識して、冷静に対応していただくことが大切です。今のところ、オミクロン株で子どもへの重篤な影響や重症化の割合が増えているというデーターは報告されていません。

 先月は『子どもよりも最後まで付き合っていく夫婦関係の方が大切であること』『6歳までの子育てはゲームやスマホの時間を少なくして、たくさん抱きしめたり遊んだりスキンシップを意識すること』をお伝えしました。

今月は「小学校時代」の子育てについてお話します。

 

規則正しい生活が一番大切

 小学生の時期に一番大切なのは「規則正しい生活」を身に付けさせることです。遅くまで起きているため、朝起きることができず毎日困っているご家庭もあるかと思います。早く寝かせるためには、お子さんと一緒に両親も寝ることです。親も寝てしまえば、子どもも諦めて寝ます。子どもが寝てから家事をしているご家庭の場合は朝早めに起きて家事をしたり、家事の内容を見直し家事の量を減らしたり、家事を子どもにも手伝ってもらうのはいかがでしょうか。子どもに家事を手伝ってもらうには、小さなことから手伝ってもらい、手伝ってくれたことを褒めることが大切です。家族の一員として役立つ経験や家族に認めてもらえるということは、子どもの自己肯定感を高めることに繋がります。我が家もカーテン開けや新聞取り・机の上を拭く・ゴミ出し・洗濯物を干す・食器を洗う・拭く・しまう等子どもたちに家事を担ってもらいながら、共稼ぎの忙しい生活を回してきました。また、私は独身時代、夜型の生活をしていましたが、子どもが生まれてからは子どもと一緒に寝ています。そして朝早めに起きて、時間を有効に使っています。

 

学校生活について

次に大切なのが、お子さんが学校生活を円滑に過ごせるためにサポートすることです。学校では勉強を学ぶこと以上に大切なのが人とのコミュニケーション力を養うことです。学校生活がうまく過ごせるように、家に帰ったらしっかりと休ませてください。学校が終わると毎日習い事に通うことで疲れているお子さんが腹痛や頭痛を訴え受診するケースがたびたびあります。腹痛や頭痛を訴える、もしくは学校に行くことを渋るお子さんは生活を見直して下さい。どのお子さんも学校で一生懸命にがんばっていて疲れています。学校から帰ってきたら、しっかりと休んで十分に眠りエネルギーを蓄えて朝を迎えると症状がなくなってきます。

 友達との関係で困った場合はご両親が本人の気持ちを聞き、親子で対処ができなければ、親から先生に相談をして改善策を見つけることも大切です。日頃から学校の話をお子さんから聞いていると小さな問題で対処でき、大きな問題に移行しにくいです。気になる友達とはどのくらいの距離感で過ごしていくかを学校で経験することで、その先の人生の生きていく糧になります。子どもに親の経験談を話すこともよいお手本になります。

 

発達障害が気になる場合

 うまく相手の気持ちを読み取ることできない・落ち着きがない・整理整頓が苦手・忘れ物や紛失物が多いなどの不注意・読み書き計算などの学習面の困難さなどがあると発達障害を疑われます。医療機関は診断だけで終わりません。検査などをすることで客観的な指標を基に、お子さんの生きづらさについて少しでも楽になるようにお話をします。

例えば、聴覚系が弱い(耳からの情報が伝わりづらい)タイプの場合は、お子さんが何かしている時に声をかけても反応しないことを経験すると思います。無視されたと勘違いをするかもしれませんが、本人の特性がわかると親や先生は落ち着いて対応できます。子育てに困っている・生きづらさを感じている場合は医療も加えてください。気になる場合は専門の小児科・児童精神科へ受診してください。

 新年あけましておめでとうございます。今年こそお祭りや花火大会など自粛が緩和されて本来の楽しみが経験できるようにと祈願しています。

 昨年11月中旬、武田の杜で行われたXmasリース作りに娘と妻と私の3人で参加しました。子どもが主体の企画なので私は娘が作っている姿を横でじっと眺めていました。周りは親も一緒に作っていましたが、それでもなるべく親は手を出さないことが大切だと自分に言い聞かせていました。娘が手伝ってと言うので、渋々手伝っていたところ、途中から楽しくなり、最後には娘に構わずに熱中してしまう自分がいました。娘はリースを見ながら、毎晩その日のことを思い出しています。今年も子育てを通じて色々なことに挑戦をしてみたいです。

 今回で200号となりました。このコラムを書き初めて早17年近くになりました。書き始めはまだ小学生だった子どもが昨春、社会人になり、やっと1人巣立ちました。まだ4人の子どもが学生で、大学生3人が県外、娘(小3)が家にいます。今月は自分の子育ても振り返りながら令和時代の子育てについて自戒を込めてお伝えします。

 

子育ては大切ですがパートナーの方が大切!

 26年前、自分の初めての子が誕生しました。誕生した瞬間、生まれてきてくれてありがとうといううれしい気持ちで一杯でした。抱っこしたり、お風呂に入れたり、初めてのことの連続でした。仕事もまだ駆け出しであったこともあり、仕事と子育てだけで毎日が終わっていました。楽しいことばかりではなく、自分も妻もお互い余裕はなく、妻との衝突も度々ありました。今でも妻から言われるのが、朝食に小粒納豆が出たところ、私が大粒納豆でなかったと妻に怒ったことが(私はすっかり忘れていました)あったそうです。今思うととても大人げない行動だと思いますが、その当時は一度伝えたのだから相手がわかっていると思い、些細なことでキレる自分がいました。その後も何度となく、同じようなことを繰り返してしまう未熟な自分でしたが、年々トラブルが減り、今ではお互いをリスペクトしながら夫婦関係も少しずつ穏やかになっています。言葉で思いを伝え、少し余裕を持ちながら生活できることを意識しています。子どもも大切ですが、子どもはやがて巣立ちます。一番大切なのは死ぬまで一緒にいてもらえるパートナーです。最後の別れは妻に見守られながらあの世に行けることを私は夢見ています。

 

6歳までの子育て

 学校に入る前の子どもたちは「パパ、ママ」と言って親を求めてきます。子どもたちは親から愛されたいのです。この求めに応じてください。この時期は子どもといっぱい接してください。

 子育てで気になるのがスマホとの付き合い方です。スマホはいろんなものを検索したり、動画が見たり、携帯性に優れとても便利で重宝します。動画を見させれば泣いている子どもも泣き止み、ついスマホを利用したくなります。子どもが求めるのは親からの愛情であり、スキンシップはとても大切です。肌のぬくもり、肌触り、親が発する声、親の顔の表情を感じて、子どもは安心して育ちます。スマホを使用すると親と子の間にスマホが入ることで距離が開きます。スマホ子育てはスマホを見せて泣いていた子どもはすぐに泣き止み、食い入るように画面を見つめ、即効性があるように見えますが、親からの直接的な対応と異なります。非常時はスマホを利用してもいいと思いますが、スマホ依存にならないように親と子の真ん中にスマホを置かないことをお勧めします。子どもが泣いたら、スマホではなく、抱っこしてあげる・泣いている理由を聞いて安心する声掛けをする・困っていることを改善してあげることが大切なのでしょうか。

パパにはママが諦めず、スマホを使わずに子どもたちと遊ぶように刺激をしてください。子育てで一番楽しいのはこの6年間だと思います。仕事も大切ですが、仕事の力の入れ方を車に例えるとギアはⅮ(ドライブ)ではなく、2(セカンド)で少しゆっくり進んでください。子どもが学校に入ってきたら、子どもは友達と遊び始めますので仕事のギアを少しずつ上げるといいです。仕事ばかりして子育てを後回しにしていると、すぐに子どもは巣立っていなくなります。子育ては期間限定です。子育てを楽しんでください。

私は26歳で1人目が誕生、友人との飲み会も大分断るようになり、早20数年の月日が経ち、まだ仕事と子育てに専念しています。随分長いことと子育てにハマっていますが、とても楽しい日々を送っています。人生100年の時代なので自分の楽しみは後にしようと思っています。来月も続きます。

 コロナ禍でまだ自粛モードではありますが、コロナ感染者数が今夏をピークに急減し、先月は県内の感染者数ゼロが続きました。感染予防を考えながらも楽しみやリラックスの時間を確保するのも大切ではないかと思っています。

先月、甲府市の千代田湖近くにある武田の杜で行われたツリークライミング体験に娘と一緒に参加しました。ツリークライミングは専用のロープを利用して木に登り、自然との一体感を味わう活動です。コロナ禍のため親の参加はできませんでしたが、娘がロープを使って楽しそうに木に登っている姿や、紅葉の中散策し甲府盆地や富士山を見ることができ最高の一日になりました。

 今月は『帯状疱疹ワクチン』について取り上げます。対象年齢が50才以上になるため、多くの読者の方が対象外になってしまいますが、皆様のご両親等の健康のために参考にしていただけたら幸いです。

 

帯状疱疹とは

 水痘・帯状疱疹ウイルスの感染に伴って水痘(みずぼうそう)にかかり、治った後もウイルスが体内(神経節)に潜伏し、過労やストレスなどで免疫が低下すると、再び活性化して、帯状疱疹を発症します。発症すると体の片側に水疱を伴う紅斑が帯状に広がります。症状は痛みを伴うことが多く、3~4週間ほど続きます。治療は抗ヘルペスウイルス薬を使用します。全国では毎年約60万人が発症し、80歳までに約3人に1人が経験すると推定されています。日本人成人の90%以上は水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏しているのでほとんどの人が帯状疱疹になる可能性があります。

 最も多い合併症として帯状疱疹後神経痛(PHN)があり、これは皮膚症状が治った後も、3か月以上痛みが続きます。50才以上で帯状疱疹を発症した人の約2割の方がかかります。

 帯状疱疹を発症した場合、接触感染によって水痘にかかる可能性があります。そのため、水痘ワクチンがまだしていない乳児や水痘にかかったことがなく、さらに水痘ワクチンもしていない人とは接触を避けてください。

 

帯状疱疹の患者数が増加傾向

 水痘は定期接種化が始まる前までは、毎年子どもを中心に約100万人がかかり、約4千人が入院、20人弱が死亡と推定されていました。2014年から水痘ワクチンの定期接種化が始まり、水痘の患者数が大きく減少しています。一方で、帯状疱疹の発症者は増加しています。宮崎県においては1997年から2017年にかけて人口は減少しているが、帯状疱疹の発症数は増加しているというデーターが出ています。

水痘ワクチンの定期接種がなかった時代は、自然の水痘が一定の割合で流行しており、自然感染による免疫の増強(ブースター)を受けて、結果的に帯状疱疹の発症を免れてきました。水痘ワクチンの定期接種により、水痘に対する免疫の低下から、帯状疱疹にかかりやすくなっていると言われています。

つまり、水痘の患者がいなくなり、免疫の増強を受けられなくなったことから、免疫を増強させる目的として帯状疱疹ワクチンがあります。

 

帯状疱疹を予防するワクチン

 帯状疱疹の予防ワクチンは「水痘ワクチン」と「乾燥組替え帯状疱疹ワクチン」の2つがあります。対象は50才以上のすべての方です。

「水痘ワクチン」は子どもが定期接種として使用しているものと同じで生ワクチンで1回接種です。50才以上に帯状疱疹ワクチンとして2016年から認可されました。「乾燥組替え帯状疱疹ワクチン」は不活化ワクチンで2回接種です。2020年から認可されました。2つのワクチンは予防効果・持続期間・副反応などで違いがあります。情報をしっかりと収集していただき、かかりつけ医に相談をし、ぜひとも前向きに接種していただくことをお勧めします。

今年1月、元横浜市長が帯状疱疹にかかり、左顔面麻痺を合併し1か月間入院したことが報道されました。ご本人は帯状疱疹にかかった痛みは「耳に鉛筆を刺されたような痛さ」であったと語っていました。

 今回の対象者は50才以上の方になります。ぜひ、対象年齢である周囲の方にお伝えいただけたら幸いです。

 

参考文献

公益社団法人 日本皮膚科学会ホームページ

予防接種に関するQ&A集 一般社団法人日本ワクチン産業協会

帯状疱疹ワクチンに関するファクトシート(平成29年2月10日版)国立感染症研究所

 先月までの暑さがうそのように秋が深まってきました。今夏はコロナの第5波により子どもの感染者も増加し心配していましたが、その後、急速に患者数が減少、気持ちが少し和らいでいます。

9月に屋内運動施設でクラスターが発生しました。このクラスターではお子さんの陽性者もいたため、地域の学校や園、そのご家庭に影響が出ました。当院のスタッフも検査の対象ではないものの、自粛して勤務を数日休みました。1人1人が意識を高く持ち、人に広げないように、特にお子さんと接する方は体調が悪い場合はコロナに罹ってなくても、接触を控える配慮をしていただけたらと願っています。

 先月、娘が校外学習に行ってきました。数日前から、バスの隣の席の子の様子や工場見学での話を楽しみにしていました。当日の朝は気持ちが高ぶり、帰ってきてからもとても機嫌がよく、いろいろな話をしてくれました。コロナ禍で様々な行事が変更される中で、予定通りに実施してくれたことに感謝したいです。

 今夏、文部科学省は2020年度の学校保健統計調査の結果を公表しました。肥満傾向がある児童の割合が高校1年を除く全学年で前年度より上昇し、県内では8歳男子でその割合が全国最高となりました。コロナ禍で家にいることが多く、運動不足などが原因と言われています。今月は子どもの肥満についてお話しします。

 

子どもの肥満はどうやって評価する?

 大人の肥満を評価するBody Mass Index(BMI)は子どもでは成長期であるため不適切とされ、子どもは肥満度で評価します。

肥満度とは『標準体重に対して実測体重が何%上回っているかを示すもの』で、【肥満度=(実測体重―標準体重)/標準体重×100(%)】で計算されます。  幼児では肥満度15%以上:太りぎみ20%以上:やや太りすぎ30%以上:太りすぎとされ、学童では肥満度20%以上:軽度肥満30%以上:中等度肥満50%以上:高度肥満と言います。ただし、乳児の肥満は多くが様子をみてよいとされています。肥満度は日本小児内分泌学会ホームページの「肥満」の中に掲示されている「肥満度判定曲線」を利用すると、身長と体重からすぐに肥満度が調べられます。肥満の多くは明らかな病気がない原発性肥満とされていますが、まれには中枢神経系や内分泌系などの病気が原因で肥満になる二次性肥満があります。

 

肥満は心理的問題にも影響する

 肥満は特に生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などが原因となり、これらは動脈硬化を促進し将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めます。さらに脂肪肝や睡眠時無呼吸への移行や、膝・腰などに悪い影響を与えますので肥満の状態を長く続けていることはよいことではありません。今まで述べたような身体的な問題だけでなく、心理的な問題も指摘されており、肥満はいじめの標的になりやすいといわれています。また自己肯定感・自尊心の低下から無気力や不登校に陥る例もあります。

 

治療法は

 子どもの肥満は大人の肥満に移行しやすいことがわかっています。肥満度が高く、年齢が高いほど大人の肥満リスクが高くなっています。子どもの軽・中等度肥満の20-45%、高度肥満の約75%が大人の肥満に移行しています。このことから早い時期からの対応が大人の肥満に移行せずに済みます。子どもの時期は肥満があっても対応が遅れがちですが、将来のことを見据えて、親がお子さんのために生活習慣等気にしていただくことが大切です。

 治療の目標は体重を減らすことではなく、過剰に蓄積した内臓脂肪を減少させて、肥満に伴う合併症の数や程度を減少させることで、まずは肥満度をそれ以上増加させないことです。

具体的には朝食の摂取・野菜の摂取・薄味・間食を与えすぎない・清涼飲料水はできるだけ与えないなどの食生活だけでなく、テレビやゲームなどの時間を1日2時間以内とし外遊びをしたり、早寝早起きの生活を心がけたり、毎日の体重測定といった生活も含めて対応することが大切です。

私の体重は長らく68kg前後で推移していましたが、数か月前70kg超えてしまい、慌てました。対策として仕事帰りに楽しみにしていたコンビニでの買い食いを止め、運動も気にするようにしたところ、以前の体重に戻りました。体重測定の大切さを実感しました。

肥満の治療は毎日コツコツ、地道な対応が大切ですので、親から子どもに強制させると長続きしません。親子で一緒にできることから始めてください。さらに専門家である医療機関と一緒に治療を進めることをお勧めします。

 

参考文献

日本小児内分泌学会ホームページ http://jspe.umin.jp/public/himan.html

小児肥満症診療ガイドライン2017

幼児肥満ガイド 日本小児医療保健協議会

第5波はこれまでより感染者数が多く、医療への影響が大きかったため先が見えない不安感がありました。ようやくまん延防止等重点措置が解除され、小中学校も分散登校なども終了し、皆が揃った学校生活を営み始めたのではないでしょうか。さらにRSウイルス感染症も落ち着きました。一方で運動会や修学旅行等、子どもの行事への影響がまだまだ強く残っており、子どものいる家族も子どもとかかわる仕事をしている方も緊張感が強くなっているでしょう。親や子どもとかかわる仕事をしている方々の精神的なストレスも心配されます。理解しあえる仲間との繋がりが心を強くしてくれます。子どもたちのためにも、ご自身の心と体の健康に目を向けて下さい。合わせて最近では感染者数増加のため、コロナ感染を心配しているお子さんが多くなった印象があります。お子さんには過度な不安を与えないように、話をよく聞き、安心させてあげる声かけが大切です。気分転換として感染に気をつけながら、秋晴れの日には公園などに出かけ、お子さんと遊んでください。コロナに加えて、運動会のシーズンになると、練習が多くなり、子どもたちは疲れています。いつもより優しく対応していただけるとありがたいです。

最近では、12歳以上のお子さんの新型コロナワクチンについて迷われているかもしれません。8月号に続き、新型コロナワクチンについて話をします。

子どもたちは接種した方がいいか?

接種するメリットは、高い予防効果・自分が免疫を持つことで周囲の人を守ることができます。デメリットは接種した部分の痛みや腫れなどの局所反応がほとんどの子どもにおこることです。頭痛・全身倦怠感・発熱などの全身反応は2回目接種後の多くの子どもにみられます。特に副反応は高齢者と比べて、思春期の子どもたち・若年成人の方が高く見られます。反応は接種翌日をピークに減少し、1週間以内にほぼ改善します。接種しないと感染しやすく、感染したら軽症や無症状でも隔離が必要となり、隔離による精神的なダメージもあります。

日本小児科学会の調査によると、新型コロナに罹患した子どもの約8割が家庭内感染であるため、親がかからないことが子どもを感染から守ることになります。そのため、子どもよりも先に親が新型コロナワクチンを接種するとよいでしょう。また、文部科学省からの報告では高校生は症状のある感染者が多く、家庭内感染が少なく、学校内感染・感染経路不明が多いと報告されています。高校生には接種をお勧めします。

家族に1人感染者が出ると、濃厚感染者として2週間の自宅待機となります。つまり仕事や園・学校は行けなくなり、経済的にも精神的にも苦痛を伴います。感染した場合のリスクを自分だけではなく、家族全体の問題として捉える必要があります。

一番大切なことは本人の同意

私が実際、お子さんの新型コロナワクチンを接種して気になることがあります。お子さん自身が接種に同意せず、嫌々受けに来ることです。お子さんが接種に不安がある場合は接種を急がせずに、親から必要性を説明したり、お子さんが気になることを聞きましょう。親子で決められなければ、かかりつけ医に相談したり、接種したお友達に聞くのもいいかもしれません。

接種時の心構え

まず、接種時の痛みはイメージしているより、あまり痛くはありません。多くの方は「えっ、もう終わったの?」と言います。今まで予防接種や採血時などで気分が悪くなったことがある方は緊張や痛みなどのストレスによって、血管迷走神経反射(血圧の低下・脈拍の減少など)が今回の接種で起こる場合があります。予防策としては座って接種せずに、横になって接種する方法もおすすめです。睡眠も十分にとって体調を整え、リラックスして臨むとよいです。遠慮せず、予診時に相談することをおすすめします。

接種した翌日は副反応の影響が一番でやすいので、なるべく予定を入れないことをお勧めします。副反応が出ている場合は部活動などの体を動かすことも控えたほうが賢明です。

授乳中の方へ

授乳中の方も接種ができ、接種すれば新型コロナ感染の予防ができます。ママが感染すれば高い確率で赤ちゃんにも感染しますので接種をお勧めします。また、ワクチン自体の成分は母乳中には分泌されませんが、接種によってママの体には新型コロナウイルスに対する抗体が母乳から分泌されるので赤ちゃんを感染から守る効果が期待できます。接種することで安心して子育てしていただきたいです。

参考文献

日本小児科学会ホームページ https://www.jpeds.or.jp/

厚生労働省ホームページ https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

VPDを知って子どもを守ろうの会ホームページ https://www.know-vpd.jp/

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