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院長コラム

第5波はこれまでより感染者数が多く、医療への影響が大きかったため先が見えない不安感がありました。ようやくまん延防止等重点措置が解除され、小中学校も分散登校なども終了し、皆が揃った学校生活を営み始めたのではないでしょうか。さらにRSウイルス感染症も落ち着きました。一方で運動会や修学旅行等、子どもの行事への影響がまだまだ強く残っており、子どものいる家族も子どもとかかわる仕事をしている方も緊張感が強くなっているでしょう。親や子どもとかかわる仕事をしている方々の精神的なストレスも心配されます。理解しあえる仲間との繋がりが心を強くしてくれます。子どもたちのためにも、ご自身の心と体の健康に目を向けて下さい。合わせて最近では感染者数増加のため、コロナ感染を心配しているお子さんが多くなった印象があります。お子さんには過度な不安を与えないように、話をよく聞き、安心させてあげる声かけが大切です。気分転換として感染に気をつけながら、秋晴れの日には公園などに出かけ、お子さんと遊んでください。コロナに加えて、運動会のシーズンになると、練習が多くなり、子どもたちは疲れています。いつもより優しく対応していただけるとありがたいです。

最近では、12歳以上のお子さんの新型コロナワクチンについて迷われているかもしれません。8月号に続き、新型コロナワクチンについて話をします。

子どもたちは接種した方がいいか?

接種するメリットは、高い予防効果・自分が免疫を持つことで周囲の人を守ることができます。デメリットは接種した部分の痛みや腫れなどの局所反応がほとんどの子どもにおこることです。頭痛・全身倦怠感・発熱などの全身反応は2回目接種後の多くの子どもにみられます。特に副反応は高齢者と比べて、思春期の子どもたち・若年成人の方が高く見られます。反応は接種翌日をピークに減少し、1週間以内にほぼ改善します。接種しないと感染しやすく、感染したら軽症や無症状でも隔離が必要となり、隔離による精神的なダメージもあります。

日本小児科学会の調査によると、新型コロナに罹患した子どもの約8割が家庭内感染であるため、親がかからないことが子どもを感染から守ることになります。そのため、子どもよりも先に親が新型コロナワクチンを接種するとよいでしょう。また、文部科学省からの報告では高校生は症状のある感染者が多く、家庭内感染が少なく、学校内感染・感染経路不明が多いと報告されています。高校生には接種をお勧めします。

家族に1人感染者が出ると、濃厚感染者として2週間の自宅待機となります。つまり仕事や園・学校は行けなくなり、経済的にも精神的にも苦痛を伴います。感染した場合のリスクを自分だけではなく、家族全体の問題として捉える必要があります。

一番大切なことは本人の同意

私が実際、お子さんの新型コロナワクチンを接種して気になることがあります。お子さん自身が接種に同意せず、嫌々受けに来ることです。お子さんが接種に不安がある場合は接種を急がせずに、親から必要性を説明したり、お子さんが気になることを聞きましょう。親子で決められなければ、かかりつけ医に相談したり、接種したお友達に聞くのもいいかもしれません。

接種時の心構え

まず、接種時の痛みはイメージしているより、あまり痛くはありません。多くの方は「えっ、もう終わったの?」と言います。今まで予防接種や採血時などで気分が悪くなったことがある方は緊張や痛みなどのストレスによって、血管迷走神経反射(血圧の低下・脈拍の減少など)が今回の接種で起こる場合があります。予防策としては座って接種せずに、横になって接種する方法もおすすめです。睡眠も十分にとって体調を整え、リラックスして臨むとよいです。遠慮せず、予診時に相談することをおすすめします。

接種した翌日は副反応の影響が一番でやすいので、なるべく予定を入れないことをお勧めします。副反応が出ている場合は部活動などの体を動かすことも控えたほうが賢明です。

授乳中の方へ

授乳中の方も接種ができ、接種すれば新型コロナ感染の予防ができます。ママが感染すれば高い確率で赤ちゃんにも感染しますので接種をお勧めします。また、ワクチン自体の成分は母乳中には分泌されませんが、接種によってママの体には新型コロナウイルスに対する抗体が母乳から分泌されるので赤ちゃんを感染から守る効果が期待できます。接種することで安心して子育てしていただきたいです。

参考文献

日本小児科学会ホームページ https://www.jpeds.or.jp/

厚生労働省ホームページ https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

VPDを知って子どもを守ろうの会ホームページ https://www.know-vpd.jp/

昨年に続き、今年の夏もコロナ感染対策を気にしながらの夏休みでしたね。我が家も家で花火をしたり、プールに行ったり、控えめな夏を過ごしました。

今まで以上に患者数が増加している第5波での感染が気になりますが、親としては子どもに笑顔で対応できるように、ご自身の心のケアにも気遣ってください。今月は予定していたコロナワクチンについてではなく、夏前から県内でも大流行しているRSウイルス感染症について変更してお話します。RSウイルス感染症は秋から冬に流行しピークが12月から1月になることが例年の流行状況でした。昨年はコロナの影響でほとんど発生がなかったためか、県内では今年5月から患者数が増えており、7月にピークを越えた状況にあります。しかし現在(2021年8月)も当院における診療で多く見られています。

 

RSウイルス感染症って?

 咳・鼻水・熱が主な症状で、風邪と同じような症状ですが、風邪よりも咳がひどくゼイゼイして、熱が4~5日続くこともあります。2~3歳以上のお子さんは大抵症状が軽く済むのですが、0~1歳のお子さんは重症化しやすく、気管支炎・肺炎・細気管支炎になり入院することもあります。症状がおさまるまでに2週間近く続きます。潜伏期間は2~8日、主な感染経路は飛沫感染・接触感染です。

 1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%かかります。1度かかれば、2度とかからない病気ではなく、繰り返し感染します。ただ、回数が増えるほど症状は軽くなります。大人も罹り、かぜの症状と変わらないため区別できないのが実態です。

 予防は飛沫や接触によって感染するため、コロナの予防と同じで手洗い・うがいをしっかりしてください。低出生体重児・心臓や肺に基礎疾患を持つ子どもたちは「シナジス」という抗体(抗RSVモノクローナル抗体)を注射して重症化を防いでいます。

 

診断と治療について

 診断は迅速検査でわかりますが、年齢が上がると症状が軽くなり、熱も出ないと感度も悪いため検査で陰性になる場合もあり、迅速検査の限界もあります。流行期は風邪との見分けが難しいこともあるため、咳・鼻水・熱といった風邪様症状があるときはRSウイルス感染症を疑う必要があります。コロナ禍においては診断がつくことでコロナ感染でないこともわかり安心できるメリットがあります。積極的に迅速検査をしてもらうことができないと不安を抱いている方がいると思います。その理由は診療報酬の体系が迅速検査をしても診療報酬(外来時)に認められていないことが挙げられます。結果として迅速検査をしても診療報酬として認めてもらえず、検査の試薬代が医療機関側の負担になってしまっています。このような背景から園では検査をお願いしたいが医療機関では消極的になり、その間の立場にあるご両親が困惑する現状があります。こういったことを解消するには診療報酬を改訂し、診療報酬に迅速検査を認める環境を整えていくことも必要ではないかと感じています。

治療は特効薬がなく、抗生剤も効きません。但し、細菌感染の合併があるときは抗生剤を使用することもあります。通常は気管支拡張剤・去痰剤・吸入療法などの対処療法を行います。咳がひどくなる・飲みが悪いなどの症状があった場合は早めの受診をお勧めします。特に生後1~2か月のお子さんは悪化すると無呼吸や突然死につながることもあります。

 

0・1歳児を守るために園がすべきこと

 0・1歳児がいるご家庭では、RSウイルス感染症流行期は咳・鼻水などの風邪様症状がある方との接触は控えた方がよいです。合わせて家族でこのような症状がある場合はRSかもと疑い対応することをお勧めします。

園は役割として一人一人のお子さんの健康と安全を確保するだけでなく、集団全体の健康と安全を確保し、流行を最小限に留めるようにガイドラインに示されています。流行期は咳・鼻水のあるお子さんはRSを疑い、再度保護者に理解を求め、感染が収まるまで通園を控えること、保育士さんも感染源になるので同様の症状があれば休むことも必要です。登園の目安は「呼吸器症状が消失し、全身状態がよいこと」であって、咳・鼻水が収まっていない場合は感染を広げる可能性があります。

 

今後の課題

 RSウイルス感染症は保険診療の体系として医療機関が迅速検査をしやすい環境整備、予防としてのワクチン、さらに治療薬としての抗RSウイルス薬の開発ができれば、もっと子どもたちが苦しまずに生活ができるようになります。今後の研究に期待したいです。

 

参考文献

小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021

保育所における感染症対策ガイドライン2018年改訂版

 猛暑がやってきました。今年の夏も昨年同様、マスク着用を気にしなければなりません。猛暑時は通常より熱気がマスク内側にこもり、息苦しくなりやすいため、特に幼児はマスクを外して顔の表情を確認してください。

 6月末、県内でオリンピック聖火リレーが行われました。うちの息子(大学生)が企業枠で応募し聖火ランナーの1人に選出していただいたため、沿道での応援に行ってきました。親として子どもの応援者として関わり、子どもの成長を感じ、親孝行をしてくれた息子に感謝・感無量の時間となりました。

 ここ最近、県内にてRSウイルス感染症が猛威を振るっています。RSウイルス感染症は咳・鼻水・熱が主な症状で風邪と同じような症状ですが、風邪よりも咳がひどくゼイゼイして発熱が見られたり、熱が長引くこともあります。0~1歳代のお子さんがかかると、重症化しやすく気管支炎や肺炎になって入院することがありますので、インフルエンザと同様、注意すべき病気です。園で流行した場合は重症化しやすい0~1歳児を守るために、咳や鼻水の症状があるお子さんはRSウイルス感染症の可能性があることを気にする必要があります。RSウイルス感染症にかかった場合の当園のめやすは「呼吸器症状が消失し、全身状態がよいこと」(保育所における感染症ガイドラインより)となっています。

 今年に入り、国内でも新型コロナワクチン接種ができるようになりました。医療従事者から高齢者、さらに64歳以下の方へ接種対象者が広がって、当科でもお子さんや妊娠・授乳している方はどうすればいいのか、質問が増えてきましたので、今月は新型コロナワクチンについてお話をします。

 

子どもを守るには子どもの接種より大人の接種が大切!

 日本では新型コロナウイルス感染症にかかった人が2021年7月までに約83万人が感染、約1.5万人が亡くなりました。新型コロナウイルス感染症対策としての切り札として期待されているワクチンの対象者が医療従事者・高齢者・さらに64歳以下の方へと広がっています。

 国内においては、新型コロナにかかった子どもの7割が家庭内、1割強が学校や保育所などでの感染であることがわかっています。子どもを取り巻く周囲の大人がワクチン接種することで家庭内や保育所にウイルスを持ち込まないことが重要ですので、子どもが接種する前段階として、周囲の大人である親や教師・保育士が接種し子どもたちを守ることが大切です。

 7月12日、重度障がい者や医療的ケア児を在宅で介護しているご家族が感染することで生活が立ちいかなくなることが危惧されるため、県から市町村へ早めの接種への配慮の必要性について文書にて伝えられました。対象者は遠慮せず、お住いの市町村に問い合わせをしていただければ幸いです。

 

12歳以上の子どもへの接種について

 日本小児科学会から重篤な基礎疾患のあるお子さんは重症化が危惧されるため、ワクチン接種で重症化が防ぐことが期待されること、12歳以上の健康な子どもも受ける意義があることが言われています。12歳以上の健康なお子さんの接種についてはメリットとデメリットを本人と養育者が十分に理解することが大切です。

 メリットは海外の報告で小児(12~15歳)への接種経験で、新型コロナワクチン2回接種後、ワクチン接種群で新型コロナウイルス感染症を発症したのは1,119人中0人、プラセボ群(接種していない人)では1,110人中18人でした。この報告から高い予防効果が期待できます。また、自分自身が接種によって免疫を持つことで周囲の人を守ることにつながり、大勢の人がワクチンを受けることで流行を抑えることができます。

 デメリットとして、国内の医療従事者2万人の調査の結果から接種した同日から翌日にかけて、8~9割の人が接種した腕の痛みや重み、5~6割が倦怠感や頭痛、2~3割が悪寒や筋肉痛、2割が38度以上の発熱がみられました。しかし、いずれの症状もほとんどの場合は2~3日で軽快しています。まれに接種直後にアナフィラキシーという重度のアレルギー反応が起こることがあるため、15~30分間、接種会場で様子を見る必要があります。主に若年の男性にワクチン接種数日以内にまれに心筋炎が発生することが報告されていますが、ほとんどが軽症でした。

 今後もいろいろな報告が出てきます。最新の情報を知りながら、メリットとデメリットを考えて決めていただきたいと思います。大切なお子さんの接種となると慎重になります。かかりつけの小児科医の助言もお聞きになって判断してはいかがでしょうか。来月もワクチンの話をしますね。

              

参考文献

日本小児科学会ホームページ

厚生労働省ホームページ

VPDを知って子どもを守ろうの会ホームページhttps://www.know-vpd.jp/

 

 まもなく、梅雨が明け、真夏に突入です。しかし、未だコロナ過のため自粛しながら生活しなければならず、気持ちがすっきりしませんね。

うちの娘(小3)は学年が上がってすぐ運動会の練習が始まり、本番の日に雨が降らないようにてるてる坊主を作ったり、自宅で踊りの練習をしたりと運動会が終わる5月末まで運動会モードでした。当日は半日だけの開催でしたが天候にも恵まれて、無事終了しました。一方結果は、娘の赤組は負けで、3年連続負けているとがっくりしていましたが、親子共とても楽しむことができました。コロナ過とは言え、今後も子どもの行事は感染対策をしながら実施していただくことを望みたいです。

 コロナ終息へ向けて新型コロナワクチン接種が医療従事者や高齢者だけではなく、広がり始めています。私は5月中旬に新型コロナワクチンの2回目を接種しました。1回目より2回目に副反応が出やすいという話を聞いていました。実際は1回目より多少、接種部位の腫れや違和感、重たい感じがありましたが熱は出ませんでした。うちのクリニック勤務の20代ナースは接種翌日39度台の熱が出ました。国内の医療関係者約2万人の調査から、接種部位の痛みなどの頻度は高く、若年者の方が高齢者より接種後に発熱・全身倦怠感・頭痛などの全身反応を認める割合が高いことが明らかになっています。これから接種の予定にある方は、接種翌日の生活負担を軽減させながら進めていただければと思います。

 先月、全国医療的ケア児者支援協議会が6年間訴え続けてきた「医療的ケア児及びその家族に関する支援に関する法律」(以下、医療的ケア児支援法)が可決されました。今回はこの法律が成立した経過や現状について、皆さんに知っていただきたいのでお伝えします。

 

医療的ケア児支援法とは

 人工呼吸器や胃ろう等を使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な子どもたちのことを「医療的ケア児」と言います。この医療的ケア児は全国で約2万人(厚生労働省報告)、医療技術の進歩で10年前の2倍に増加しています。その家族は日々のケアで疲弊しており、その上医療的ケアがあるため保育所で受け入れてもらず、学校へは親の付き添いが求められています。結果として保護者の離職につながり、家族にとって経済的にも精神的にも大きな負担となっているのが現状です。

 この法案の目的は「医療的ケア児の健やかな成長とともに、その家族の離職を防止し、安心して子どもを生み、育てることができる社会を実現すること」、さらに「医療的ケア児やその家族に対する支援は医療的ケア児の日常生活や社会生活を社会全体で支えること」と明記されました。具体的には、保育者や学校などに通う機会が平等に得られるように、保護者の付き添いなしで医療的ケアを行う看護師らの配置をすること、県に相談や情報提供を行う「医療的ケア児支援センター」の設置をすることを求めています。法律が施行されることにより、これまでは自治体の「努力義務」から「責務」に変わりました。この法律により、医療的ケア児とその家族が生活しやすくなることに繋がると考えられます。

 

安心して生み、育てられる社会に向けて小児訪問診療から見えること

 私は自分のクリニックに医療的ケア児を昼間預かる施設を併設し、かつその子たちの訪問診療に従事し、日々母親を中心とした家族の声を聞いています。主の介護者である母親の声からは、日々のケア・子どもの急変・通院やリハビリ・医療的ケア児の兄弟や夫婦関係などの対応で疲労が溜まっていることが感じられます。そのため母親は自分自身の身体や心の状況まで考えられない状態です。この法律をきっかけに県内にいる100名弱の医療的ケア児とその家族を社会全体で支えていくしくみを作ってもらえたらと願っています。この法律には「医療的ケア児やその家族の意思を最大限に尊重すること」が記されています。医療的ケア児やその家族の声を聞き、制度化されることを切望します。保育所や学校への看護師配置の具体策として、先進的な地域ではそのお子さんのケアに精通している訪問看護ステーションの看護師を学校に派遣している事例もあり、地域の実情にあった体制づくりが求められます。

 妊娠経過が問題なく、出産時のトラブルで医療的ケアが必要になるお子さんが生まれる場合も少なくなく、他人事ではありません。県内で生まれたどんなお子さんも安心して生活でき、親亡き子の生活まで社会全体で体制作りを考えていただきたいです。

コロナがなかなか落ち着かない中、医療従事者と高齢者が対象で新型コロナワクチンの接種が始まりました。私も先月、1回目の接種をしました。接種した当日は痛みもほとんどありませんでしたが、翌日、接種した部位の痛みがあり、2日後にはその痛みもなくなりました。2回目の接種の方が副反応は強くでるそうで気になっています。

5月15日、厚労省から新型コロナウイルスに感染した子どもたち(1662例)の詳細が発表されました。これによると、約半数が無症状で、9割が治療することなく回復、感染経路は7割が家庭内感染、そのうち半数が父親からの感染で、変異株でも同様な傾向であったという結果でした。安心は禁物ですが、子どもに感染させないようにするには、私たち親が感染に気をつけることが大切だと考えられます。

コロナ禍も加わり腹痛・頭痛などの症状があり、学校に行きたくないと訴え、うちのクリニックに相談に来るケースが増えています。学校に行きたくない理由の一つとして「給食時間の悩み」があります。今月はこの給食の悩みについて取り上げてみたいと思います。

 

学校給食について

平成31年3月文科省からに発表された「食に関する指導の手引き」によると、学校給食とは児童生徒の心身の健全な発達や食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであり、さらに給食時間は児童生徒が友達と担任などと和やかで楽しく会食する時間で、ゆとりある落ち着いた雰囲気で食事ができるように、日頃から安心して食べられる環境を整えることが大切であると書かれています。つまり、給食は「楽しく食べて、食事の大切さを学ぶ場」です。

 

あるお子さんのケース

 楽しいはずの給食が、お子さんによっては嫌な時間に変わる場合もあります。先月末、クリニックに相談に来られた小1の女子の話です。学校に行く日になると朝から腹痛が続いていましたが、何とか登校をしていたそうですが、とうとう学校に行けなくなり、受診に至りました。話をよく聞くと、給食を全部食べなければならず負担になっていることがわかりました。私は母に「本人が食べられる分だけお皿に盛ってもらう」ように学校に伝えるように話をしたところ、本人も安心したようで笑顔で帰りました。その後、学校側も快く量を減らし対応していただき、以後腹痛もなく学校へ行けています。このようなケースは珍しいことではなく、度々経験します。

 

食べることを強制せず、楽しい時間に

給食時間の気になることは、教師からクラス全体で給食を残さないように強制されたり、自分の量が食べ終わるまで給食後も居残って食べなければならないことがあります。担任が変わると、居残り食べずに済んでホッとしたことも聞きました。お子さんは体格などの個人差があり、食べる量が違うので、行き過ぎた指導は子どもたちへの負担となります。あまり食べられない人は盛る量を少なくしてもらう方法が得策です。子どもから給食の様子の話を聞き、ご両親から先生に伝えてもらえるとお子さんも安心して学校生活を送ることができます。

また、発達障害のお子さんや発達に特性があるお子さんの中には触覚や嗅覚などの感覚の過敏さで偏食がみられる場合があるため、特性を受け入れ配慮していただけたらありがたいです。また、食事量が極端に少ない場合や体重減少もみられる場合は摂食障害の可能性もあります。この場合は医療機関に相談をすることが大切です。

クラスへ配膳された給食を食べ残さないように指導することは大切ですが、強制になってはいけないので、毎日食べ残してしまうなら、クラスに割り当てる量全体を減らしてもらうことは難しいのでしょうか。無理なく食べ切ることを学校全体で考えてもらえるとありがたいです。無理に食べさせると、嘔吐・腹痛から発展し、不登校・摂食障害・心的外傷後ストレス障害(PTSD)になる場合もあります。逆によく食べるお子さんは「子どもの貧困」があるかもしれません。子どもの貧困は見えづらいと言われます。給食の時間等を通じて担任の先生が気づき配慮していただけたら幸いです。

給食は和やかで楽しい時間であることを忘れてはならないと思います。一方で、コロナ禍にある給食時間は和やかで楽しい雰囲気を作ることが難しいかもしれません。集団生活の中で唯一マスクを外すことができる時間に、先生が和やかに美味しそうな表情で食事をしていることは、子どもたちに安心感を与えることになります。

 

参考文献

食に関する指導の手引-第二次改訂版-(平成31年3月):文部科学省 (mext.go.jp)

新型コロナウイルスの小児への 影響の解明のための研究

https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000779606.pdf

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