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院長コラム

予防接種

秋が深まってきました。2011年も残すところ2か月となりました。今年は3・11の地震と津波、さらに原発事故で甚大な被害がでました。まだまだ復旧作業が続いています。私は4月被災地へ医療ボランティアに出向きましたが、自然の脅威に圧倒されました。原発事故は日本の方向性を変えた大きな出来事です。節電を続けながら、私たちに何ができるかを考え続けなければなりません。

政権が自民党から民主党に変わり、世の中が大きく変わったのでしょうか?原発事故であれほど大きな被害がでても、9月に行われた山口県上関町の町長選で原発建設推進派が勝利しました。原発ができて町が潤う構図があるのでしょうか?目先のことではなく、将来のこどもたちが安心できる社会にするために我々大人は考えなければならないと思います。読者の皆さんである若い方々の力が必要な時代がやってきています。

先月お話ししたロタウイルスワクチンが始まりそうです。今月もまだワクチン情報を伝えていきます。

 

インフルエンザワクチンの接種量が増量!

 昨シーズンまで生後6~11カ月は1回0.1ml、1~5歳は1回0.2ml、6~12歳は1回0.3mlを計2回接種していました。今シーズンから、アメリカなどの国々と同じ接種量に変更されました。生後6~11カ月は1回0.25ml、1~5歳は1回0.25ml、6~12歳は1回0.5ml、に増量され、接種回数は今までと同じ2回です。生後6~11カ月のお子さんは昨年に比べて2.5倍増しに増量されました。接種量が増えることで、抗体量(=免疫)が上がり、インフルエンザから守る力が増します。今まで以上にインフルエンザワクチンの効果が期待できると思います。まもなく、インフルエンザがやってきます。うがい・手洗いでの予防、ワクチンを接種することで、インフルエンザに対する備えをしましょう。

 予防効果は他のワクチンと比べて、低いと言われていますが、今回、接種量がアップしたことで、予防効果は上がってくると思われます。ワクチンをしても、インフルエンザにかかることはありますが、かかっても症状がひどくないことが多いので、小さい子ほど、毎年の接種をお勧めします。

 

B型肝炎ワクチンもお勧め!

 不活化ポリオワクチンが来年度(来年12月以降)に認可される予定となり、一歩一歩、日本の予防接種政策も先進諸国からの遅れを取り戻しつつあります。不活化ポリオワクチンと同じく導入が大幅に遅れている予防接種として、B型肝炎ワクチンがあります。まだあまり知られていないワクチンですが、B型肝炎ワクチンはほとんどの国で定期接種になっています。日本ではHBs抗原陽性の母親から生まれたお子さんに対して、B型肝炎ワクチンを接種しています。実は、母子感染だけでなく、乳児期に父などからの感染や大人になってからの性交渉からの感染も考えられています。さらに、感染経路が分からず感染することもあります。 日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。B型肝炎ウイルスに感染することで慢性肝炎になり、将来、肝硬変や肝臓がんに進行することもあります。生まれたら、できるだけ早いうちにB型肝炎ワクチンを接種し病気を予防しましょう。世界標準の接種スケジュールは生まれた時・生後1カ月・生後6カ月時の計3回接種します。

 

おまけ~エピペンが保険適応!~

エピペンって知っていますか?エピペンはハチなどに刺されたり、卵などを食べて、呼吸困難・めまい・意識障害・ショックなどの強いアレルギー症状(アナフィラキシー)がでた場合に使用する薬剤です。エピペンを携帯して、アナフィラキシーになったらすぐにその場で、注射します。今までは保険で取り扱いができなかったため、高額の自己負担が必要でしたが、今年9月から保険適応になっています。アナフィラキシーがあった方が対象になりますので、かかりつけ医に相談してください。

 

参考文献

Know VPD VPDを知って子どもを守ろう!

http://www.know-vpd.jp/

運動会が開催される心地よい季節がやってきました。子どもたちのがんばっている姿をみることで、親は子どもの成長を感じますね。

先日、「僕と妻の1778の物語」のDVDを観ました。感動で涙があふれました。突然、妻が不治の病になったら夫はどのように対応しますか?実際あった話を映画化したそうです。人生80年、どんな人生をみなさんは歩みたいですか?私は42歳になりました。マラソンに例えると折り返し地点を過ぎたところです。自分は悔いのない日々を過ごしながら、子ども以上に妻と一緒に人生を楽しみたいと思っています。子育てで忙しい毎日だと思いますが、夫婦一緒にぜひ観ていただきたいです。子どもが生まれる前、自分たちはどんな夫婦像を持っていたのかを振り返る良い機会になるかもしれません。

今月は先月に引き続き、最新の予防接種についてお話します。

 

新しい子宮頸がんワクチンが登場!

ちょうど2年前、子宮頸がんワクチンである「サーバリックス」が登場しました。全国的に公費負担で接種ができるようになった影響で、サーバリックスが不足し、最近になってようやく接種が再開されました。

先月からサーバリックスに加えて、もう1つ「ガーダシル」というワクチンが使用できるようになりました。両ワクチンともにヒトパピローマウイルスの16型、18型の2つのタイプを予防しますが、「ガーダシル」はさらに6型と11型のタイプも予防することで、尖圭(せんけい)コンジローマという陰部にイボができる良性の病気なども防ぐことができます。

厚生労働省が自治体向けにこの2つのワクチンを説明した文章(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/pdf/news_qa.pdf

がありましたが、効果の違いに関しては述べていません。普通に考えると4種類も入っている「ガーダシル」の方がよい印象がありますが一概に言えないようです。接種する時は、かかりつけ医と相談して決めてください。早く国や学会レベルでしっかりとしたコメントを出していただきたいと希望します。現在、9種類入る子宮頸がんワクチンも開発中のようです。ワクチンの進歩に期待をしたいです。

子宮頸がんはがんの中で唯一ワクチン接種により予防できる病気です。原因がヒトパピローマウイルスで、ワクチンを接種することでこのウイルスにかからないようにし、がんの発症を防ぎます。ただし、ワクチンの効果は7~8割しかないため、定期的な検診がとても大切です。最近、20~30歳代に発症する方が増加し問題になっています。検診も同じくらい大切です。決して忘れずに!

 

来月、ロタウイルスワクチンが登場!

 胃腸炎には、乳幼児が重症化しやすいロタウイルスがあります。なんと、ロタウイルスに対するワクチンが来月、使用できるようになります。胃腸炎は冬の始めにノロウイルスによる胃腸炎が流行し、その後にロタウイルスが流行します。ノロウイルスよりもロタウイルスの方が重症になりやすく、特に0~1歳のお子さんがかかると入院することもしばしばあります。5歳までにほとんどのお子さんがかかると言われています。発症すると抗生剤は効かず、特効薬もなく対処療法のみとなります。けいれん・脳炎・脳症などの重い合併症が起こることもあります。

 ロタウイルスワクチンは、8割の予防効果があり、また重症化を9割防ぐと言われています。つまり重症化を防ぐことで、入院や点滴を避けられます。このワクチンは生ポリオワクチンと同じく、生ワクチンで飲むタイプです。生後6ヶ月までに4週間をあけて2回飲むのが基本になります。まだ、公費負担の話はでていないので、実費になるのではないかと思います。価格や年齢などの詳細はまだ未定です。ロタウイルスワクチンを接種して病気を守りましょう!

 

参考文献

ロタウイルスワクチン Vol.28 p 302-302:2007年10月号

http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/332/fr3322.html

残暑が厳しいですが、体調管理はいかがですか、秋はもうすぐです。今夏、手足口病が大流行しました。かかったお子さんも多かったのではないでしょうか。ここ数年、我が家の夏のトピックスは地区の子どもクラブで行われるソフトボール大会です。この時期になると朝食・夕食ともに家族の話がソフトボール大会一色になります。学校がある朝は自分から起きない子どもたちがソフトボールの朝練の日は自ら起きてきます。小学生や中学生が入り混じるチームはクラブ活動とは違った和やかな雰囲気があり、子どもたちだけでなく、親も楽しめました。

今月は最近、変化の激しい予防接種事情についてお話したいと思います。

 

病気はかかる時代から予防する時代へ

最近の予防接種の動きをみていくと、状況が大きく変わっています。日本脳炎ワクチンが改良され、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンが登場しました。ここ数年で大きく変化してきましたが、日本はまだまだ予防接種については欧米に大きく遅れをとっています。例えば、日本でようやく登場したヒブワクチンは、欧米では20年前から使用されています。日本で問題になっている生ポリオワクチンは、アメリカで2000年(13年前)から不活化ポリオワクチンに切り替えられています。日本では来年ようやく不活化ポリオワクチンを使用できそうな状況です。今秋には、ロタウイルスワクチンが使用できるようになります。新しい予防接種の登場で、防げる病気が増えるのでとてもありがたく思います。副反応についても当然、気になると思います。ワクチンの品質が向上し、以前に比べて、ゼラチンをはじめいろいろな不純物を除去することで、副反応が減ってきています。熱や局所の腫れは起こりますが、全身に及ぶ大きな副反応は稀になり、安全性は向上していますので安心して受けられるようになっています。小児科医は子どもたちにすべての予防接種を早いうちに接種することで、不必要な病気にかからないで済むことを願っています。

 

生後2ヶ月になったらすぐヒブ・肺炎球菌ワクチンを接種!

 予防接種は生後3カ月になったらと思っていませんか?定期接種である3種混合ワクチン・BCG・生ポリオワクチンは3カ月で始まりますが、生後2カ月になったらすぐにヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンを接種することができます。早く接種すれば、免疫を早く獲得でき、病気を守る体になります。そして、生後3カ月になったら、3種混合をして百日咳の免疫をつけてから、BCG・ポリオの順で接種をお勧めしています。但し、BCGは6カ月未満で接種しなければならないことを忘れないでください。

 

早く免疫をつけるために同時接種がお勧め!

 今秋からロタウイルスワクチンが始まります。生後2カ月から多くのワクチンを接種する必要がでてきます。多くのワクチンを早く接種する上でお勧めは、1度の接種で2~3種類のワクチンを接種する「同時接種」がお勧めです。今年3月にヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種が問題になりましたが、厚生労働省の最終答申では、「同時接種は問題なし」という結論が出されました。同時接種は世界中で普通に行われていて、問題となっていません。同時接種の安全性は1回接種である単独接種と変わらないと言われ、早く免疫を獲得でき、来院回数も減ることからお勧めです。ただし、単独接種ではいけないということではありませんので、かかりつけの先生と相談をして接種を進めてください。

 

不活化ポリオワクチン、来年認可へ

 ポリオワクチンについては3月号で詳しくお話ししましたが、日本では現在、ポリオワクチンには生ワクチンを使用していて、生ワクチンを飲んだことが原因でポリオにかかる人が年に数人程度みられることが問題になっています。このため、先進国のほとんどがポリオにかからないですむ「不活化ワクチン」へ切り替わり、日本もようやく来年には認可され使用できるようになりそうです。

認可まで待てないという保護者の声の高まりから、今年初めから個人輸入という形で不活化ポリオワクチンの接種を行う医療機関がでてきています。2011年8月現在で全国に166医療機関あります。うちのクリニックも保護者の声をきっかけに不活化ポリオワクチンを始め、県内だけでなく、県外の方からも来院されています。希望者が予想以上に多く、保護者の意識の高まりに驚いています。来月も続けて予防接種についてお話します。

 

参考文献

Know VPD VPDを知って子どもを守ろう!

http://www.know-vpd.jp/

小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチンの接種の再開について(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016yw1.html

不活化ポリオワクチン

http://sites.google.com/site/ipv4japanesechildren/home/ipvclinic

 

2度の積雪もあっという間に溶けて、もうすぐ春の到来ですね。

最近話題の「大相撲の八百長問題」は本当に残念です。すべての取り組みがもしかして八百長?なんて考えるとつまらないものに感じてしまいます。膿をしっかり出し切って生まれ変わり、将来の宝である子どもたちに夢が持てるような大相撲になることを期待します。  

今年に入ってから保護者から不活化ポリオワクチンについての問い合わせが続いており、意識の高まりを感じています。今月は不活化ポリオワクチンについてお話をしていきます。

 

ポリオって?

 ポリオは、ポリオウイルスが中枢神経への感染により引き起こされ、手足の麻痺が生涯にわたり残る病気です。日本は1960年代にポリオの大流行があり、生ワクチンを導入した結果1981年以降はポリオにかかる人がいなくなりました。生ワクチンは口から飲むタイプで、針が必要なく気軽に接種できることから、大流行を阻止する方法として当時の日本で即効性がありました。現在でもポリオの流行地域にはかかせないものです。

しかし、現在は生ワクチンを飲んだことが原因でポリオにかかる人が年に数人程度でることが問題になっています。生ワクチンを飲んだ乳幼児だけでなく、その周囲の方々にも感染の危険があります。さらに昭和50年から52年生まれの方(ポリオの抗体価が低い)・免疫が低下している方・抗がん剤治療後の人は健康な方より危険が高まります。

 

先進国のほとんどが不活化へ、日本はまだ生

 アメリカではこのような背景から2000年に不活化に変更しました。不活化にすればワクチンが原因によるポリオの発生はなくなります。日本においては不活化の導入は数年先という話を聞いていますが、見通しが立っていないのが現状です。このまま生ワクチンを続けていると生ワクチンが原因によるポリオの患者さんが続いてしまいます。この悲劇を防ぐには不活化ワクチンへの切り替えを国に求めていかなければなりません。
 昨年12月、患者団体「ポリオの会」は、約3万5000人の署名を持って「不活化ワクチンの緊急輸入」を厚生労働省に申し入れました。現在もパキスタン・アフガニスタン・インド・ナイジェリアの4カ国ではポリオの流行が続いています。グローバル化された昨今、流行地域からいつポリオが入ってくるかわかりませんので、免疫はつけておく必要があります。ポリオワクチンは不活化でも生ワクチンでも必ず接種はしてください。今年に入ってから、県外の医療機関で個人輸入をしてワクチンを入手し、不活化ポリオワクチンの接種を行う医療機関が増えてきています。

最後に、ポリオワクチンだけでなく、日本のワクチン事情は先進国中最下位で大変遅れています。不活化ポリオワクチンを早期に認可することだけでなく、おたふく・水痘・B型肝炎ウイルスを定期接種化することが子どもたちに不要な病気にかからせないことだと思います。私たち小児科医だけの力だけでは難しく、皆さんの力が必要です。

 

参考文献 

国立感染症研究所「ポリオワクチンに関するファクトシート 平成22年7月7日版」http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bybl.pdf

 

~山梨子育て再発見!~

先月から多くの自治体でヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンの助成が始まりました。小さいお子さんほど効果が期待されますので、早く接種していただき子どもたちを病気から守ってください。

山梨県は、全国的に早い時期からヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんワクチンの助成が導入されています。先日東北へ転勤が決まったある患者さんから、「転入先の自治体では、医療費助成が就学前までのみで、3つのワクチンの補助もない」と聞きました。さらに県内では、ここ数年医療費助成の対象年齢が引き上げられています。山梨県の子育て対策の先駆的な面が見られ、県民として嬉しく思っています。

入園・入学や進級に伴う変化が多い4月。その変化にやっと慣れてきたことかと思います。家族皆でG・Wにリフレッシュしてください。

さて、前の選挙でも焦点に挙げられた子ども手当の支給が6月から始まります。ようやく子どものことを考えてもらえるような政治になったと感じる一方で、お金のばらまきだけでなく、子育てしやすい環境整備にも目を向けて、将来の社会を支える子どもを大事にする社会を作っていただきたいと切望します。

今月は最近よく耳にするようになった「予防接種の同時接種」を中心にお話をします。

 

同時接種って何?

同時接種とは、同じ日に2種類以上の予防接種を接種することです。多くが2種類行われ、左右の腕に接種します。1度の来院で2回分の予防接種が済むという利点があります。同時に2回接種することに不安になる方もいると思いますが、すでにジフテリア・破傷風・百日咳(DPT)の3種混合ワクチンは3種類、麻しん風しん(MR)混合ワクチンは2種類を1度で接種して安全性も確立されています。アメリカにおいては生後2カ月にDPT(ジフテリア・破傷風・百日咳)、ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザb型菌)、ポリオ、肺炎球菌、ロタウイルスの計7種類のワクチンを1度に接種しています。1度に7回接種するのではなく、5種の混合ワクチンと肺炎球菌とロタウイルスの単独ワクチンの3回同時接種を実施しています。アメリカだけでなく多くの国で同時接種が普通に行われています。当然、効果や副反応が気になりますが、同時接種の効果や副反応の発生率は単独接種と同じであると言われていますのでご安心ください。

 

同時接種が広まったきっかけは?

同時接種はこれまでも急な海外出張などの特別な理由でのみ行われてきました。しかし昨シーズンの新型インフルエンザ騒動から季節型と新型の2種類のワクチンを流行前に接種する必要性に迫られて同時接種が広まり、一般的になってきました。さらに、最近のヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの広がりにより、これまで以上に多くの予防接種をしなければならないことから同時接種が広がってきています。同時接種は「定期の予防接種の実施要領」(平成19年3月29日付健発第0329020号厚生労働省健康局長通知)に「二種類以上の予防接種を同時に同一対象者に対して行う同時接種は医師がとくに必要と認めた場合に行うことができること。」と認められていますので、かかりつけで相談されることをお勧めします。

最近、DPTとヒブワクチン、DPTと肺炎球菌ワクチンなどの形で2回同時接種が一般的になってきました。単独接種と比較しても効果や副反応に差がないため、受診回数が減って時間の節約になります。なお、同時接種した日から次の予防接種を行うまでの間隔は生ワクチンが4週間、不活化ワクチンが1週間あけることは今までと変わりありません。

 

ポリオワクチンの問題点

 先月、神戸市に住む9か月のお子さんがポリオを発症したという報道されました。ポリオという病気は小児まひと言われ、手足などに麻痺が生じます。自然感染はまったくありませんが、現在のポリオワクチンは生ワクチンのため、ワクチンを飲んだ人の便を介して、ワクチン由来のポリオに感染してしまうケースがあります。このようなケースが約600万回に1回起こると言われており、多くの国では不活化ワクチンに変わっています。不活化ワクチンに変えるとワクチン由来のポリオ発生がゼロになります。そのためポリオ患者会「ポリオの会」などを中心に厚生労働省に不活化への移行を訴えています。

今回ポリオの問題点を挙げましたが、他にも1回接種で済む5種、6種の混合ワクチンの開発、ロタウイルスワクチンの導入、ヒブワクチンをはじめ多くの任意のワクチンの定期接種化(公費負担)など、これらにはすべてお金がかかることです。限られた国の財源をどこにかけるべきかを皆さんで一緒に考えていただけたら幸いです。もっともっと子どもにお金をかける世の中になることを切に願っています。


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