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院長コラム

ヒトメタニューモウイルス

小児科医から最新の医療情報と県内の子どもにまつわる情報をお伝えしております。
この内容は、県内子育て情報誌「ちびっこぷれす」の「午後10時、クリニックにて…〜おほしさまの先生からの子育て応援”談”!〜」に掲載されています。

 

 新元号は「令和」になりましたね。とても品のある元号で好きになりました。先月は新たな仕事や園・学校が始まり、生活のリズムにまだ慣れないご家庭も多いのではないかと思います。生活に慣れるには時間がかかりますし、体を慣らすために休息はとても大切です。10連休を利用しゆっくりと休んでください。うちも生活が変わりました。娘が小学1年生になり、今までより早く起床しなければならず、私たち親も意識して早めに寝かせるようにしています。私は娘と一緒に登校班が来るのを待っているのですが、緊張して不安そうな面持ちで娘は歩いていきます。帰宅後は娘から学校の様子を聞き、新たな友達ができて楽しそうな話を聞き、ホッとしているところです。

また先月、息子(高1)と一緒に南アルプス桃源郷マラソン大会(ハーフマラソン)に出場してきました。目標としていた2時間を切ることができ、1時間58分と息子より8分も早く走ることができました。身長は追い抜かれてしまった息子に中盤以降の粘りで勝つことができ、ダブルで喜べました。息子は10k以降ペースダウンし、次々と年長者に追い抜かれた経験から、日々の練習の大切さを痛感したそうです。

今月は聞きなれないウイルスである「ヒトメタニューモウイルス」についてお話します。

 

ヒトメタニューモウイルスって?

 まだ皆さん知らない方も多いと思います。このウイルスは2001年に発見され、RSウイルス流行後の3月から6月にかけて流行します。今年は少し早めから流行し始めています。5年前から保険適用になったことやインフルエンザの検査と同じような迅速検査ができるようになり、当科では今年から検査をよくするようになりました。

 咳・鼻水・熱が主な症状で、RSウイルスやインフルエンザウイルスにかかった時と似た症状を呈します。潜伏期間は約4~6日、くしゃみや咳による飛沫感染で広がります。1度かかれば、もうかからなくなるわけではなく、1回の感染では免疫が獲得できず、何度か感染します。ただ、何度かかることで免疫がつき、症状は軽くなります。この感染症はインフルエンザやRSウイルス感染症にかかるより、重くないことが多いですが、中には高熱が続き、咳がひどくなり、入院するケースもありますので、特に乳幼児期のお子さんがかかった時は注意が必要な病気です。

 

治療と予防は?

 インフルエンザにかかった場合、抗インフルエンザ薬で対応しますが、このウイルスには特効薬がありません。対処療法の薬を使用し、細菌感染が疑われる場合、抗生剤を使用する場合があります。熱が4~5日間続くことがあり、咳・鼻水が約1~2週間続きます。治癒証明書が必要な病気ではないので、感冒と同じように熱が下がり、食欲がもどり、咳・鼻水が落ち着いてきたら登園可能となります。予防はかぜと同じく手洗い・うがいです。

 

迅速検査のタイミングは?

 迅速検査をするタイミングはなかなか難しいと思います。地域の流行状況を考慮し検査を実施します。先ほど述べたように、わかったとしてもインフルエンザと違って特効薬がないため、確認をして原因がわかることで少し安心ができるといった位置づけになります。当科でもインフルエンザのように積極的に検査をするというより、長引く熱や咳がひどくなった場合に検査を実施しています。

 

風しんの追加対策について

風しん流行を広げない・止めるための取り組みとして、国は今年4月から3年間、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日(40歳~57歳)までの間に生まれた男性の風しん定期予防接種が追加されました。この世代は風疹の予防接種を受ける機会がなく、抗体保有率が低いと言われています。実施方法は抗体検査をして、抗体価が十分でない方は予防接種を行うというものです。

妊娠初期の方が風しんにかかると赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかることがあります。先天性風疹症候群にかかると難聴や心疾患など、赤ちゃんの成長に影響を及ぼす障がいがみられます。安心した妊娠・出産の環境作りのためにもぜひ対象年齢にある男性については、お住いの市町村に確認をしてください。費用は無料です。

 

参考文献

国立感染症研究所ホームページ

 

新生活が始まって一か月が経ちましたが、皆さん少し生活が落ち着いてきた頃でしょうか。うちでは今春から手塩にかけて育ててきた息子が旅立ちました。1人減るとなんとなく静かな感じになり、まだいないことに慣れていないこともあり落ちつきません。家に残っている子どもは3人しかおらず、上2人は夜も家にいないことが多いことから、2歳の娘だけが私たち夫婦を楽しませてくれてかろうじて家はまだ明るい状態です。初めての女の子で遊び方も男の子と違い、お絵かきをしたり、歌を歌ったり、お人形遊びをしたりと動きが激しくなく、若くない私たちには丁度良い楽しい子育てとなっています。

昨秋に水痘ワクチンが定期接種化になり、来年度からさらに「B型肝炎ワクチン」が定期接種化されることが決まりました。残るはおたふくかぜワクチンとロタウイルスワクチンの2つのみです。現在ワクチン研究に携わっている医師などが中心となって、ワクチンの効果を検証しており、効果が認められた後に、この2つのワクチンが定期接種化されるそうです。一日も早い定期接種化を望みます。

富士吉田市市民の方には朗報です。他に先駆けて今年4月からロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンの助成が始まりました。対象となる方にはぜひ接種していただきたいと思っております。そして他の市町村にも波及することを期待します。

今月はまだあまり知られていない「ヒトメタニューモウイルス」についてお話します。

 

ヒトメタニューモウイルスって?

このウイルスは2001年に発見され、RSウイルス流行後の3月から6月にかけて流行します。咳・鼻水・熱が主な症状で、RSウイルスやインフルエンザウイルスと似ています。潜伏期間は約4~6日、くしゃみや咳による飛沫感染で広がります。

検査方法はインフルエンザと同じように鼻に綿棒を入れて鼻汁を採取します。最近、迅速検査ができるようになり、調べられるようになりました。肺炎が疑われる場合に胸部レントゲンと一緒に検査をするのが一般的です。一度かかれば、もうかからなくなるわけではなく、1回の感染だけでは免疫が獲得できず、何度か感染します。ただ、何度かかかるにつれて免疫がつき、症状は軽くなっていきます。

 

治療と予防は

薬はインフルエンザと同じような特効薬はなく、対処療法の薬のみで細菌の2次感染がある場合は抗生剤を使用します。予防はかぜやインフルエンザと同じで手洗い・うがいが大切です。このウイルスは突然現れた新種の病気ではなく、最近ウイルスが見つかり迅速検査ができるようになり、知られるようになってきました。病気の程度としてはインフルエンザやRSウイルスよりは軽いが、普通のかぜより重いと思ってください。熱が出て、咳がひどくなり、ゼロゼロしたときはこのウイルスも考える必要があります。

 現在今回取り上げたヒトメタニューモウイルスに加えて、迅速検査は溶連菌・マイコプラズマ・インフルエンザ・RS・アデノ・ロタ・ノロウイルスなどができます。適切な検査をするには、園・学校・地域での流行状況を踏まえ、お子さんの体調を丁寧に伝え、検査の負担も考慮しながら、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。

 

参考文献

国立感染症研究所ホームページ

 

電気を考えよう(1)

 昨冬自宅に太陽光発電を設置したのをきっかけで、電気の専門家ではない私が電気について非常に興味を持つようになりました。電気が太陽の光によって自分たちで作ることができることに大きな驚きと感動を覚えました。帰宅後、今日一日でどのくらい電気が作られたかをモニターでみて一人で楽しんでいます。食べ物は自分が口にするので体によい物を取ろうと意識するのと同じように、電気も何の原料で作られたのかを考える時代がそう遠からず来るのではないかと思っています。少なくとも私は意識するようになってきました。


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