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院長コラム

予防接種

少し前まで暑さが残っていましたが、急にひんやりとして秋が深まってきました。小児科はこの時期からインフルエンザワクチン接種が加わり、年内まで忙しい日々が続きます。私は朝、娘の連絡帳に日々の成長で気づいたことや園に伝えたいことなどを書きます。上の4人の子どもの時にはできなかったことで、保育士さんから園での様子を書いていただいて残った文章が子育てでの貴重な財産になっています。毎日いそがしい中連絡帳を書いているお母さん・お父さん、お子さんが大きくなったときにどんなに大切にされていたのかを伝えることができます。大変かと思いますが、一緒に書いていきましょう。今月は先月から定期接種化が始まったB型肝炎ワクチンについてお話します。

 

B型肝炎について

日本でのB型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。ウイルスが体に入ると肝炎が起こることもありますが、自覚症状がないことも多く、偶然行った血液検査で初めて感染に気付くこともあります。3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると約10%が慢性肝炎になると言われています。慢性肝炎になると将来、肝硬変や肝がんに進行することもあるため、低年齢での感染予防は重要です。また、B型肝炎ウイルスに感染すると急性肝炎から劇症肝炎を起こし死に至ることや、抗がん剤治療で免疫力が低下することで重症の肝炎が起きることもあります。
B型肝炎ウイルスは数種類のタイプがあり、日本において流行していた遺伝子型Cは慢性化することが少ないタイプだったため、問題になっていませんでした。しかし、最近慢性化しやすい遺伝子型Aというタイプが広がってきたため、慢性肝炎→肝硬変→肝がんへと進行することが心配されています。感染すると、キャリア化し将来の慢性肝炎→肝硬変→肝がんへの進行・長期にわたり新たな感染源になるという点で問題になります。

感染経路は血液だけではなく、唾液や汗、涙などにも含まれています。母子感染だけではなく、乳児期に父などからの感染や大人になってからの性交渉からの感染(水平感染)も考えられ、さらに感染経路がわからない場合もあります。保育園や学校の部活動を通じての集団感染事例も報告されています。

 

先月からようやく定期接種化

日本のB型肝炎対策は、1986年、キャリアの母親からの感染(垂直感染)予防から始まり、母子感染は減ってきました。しかし、予防スケジュールがしっかりと行われなかったり、水平感染もあることから、この対策だけではB型肝炎を制圧できない状態が現在も続いていました。

WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐに国の定期接種として接種するように指示しています。WHO加盟国95%以上の国々ではWHOの指示通りに定期接種になっていて、B型肝炎の患者さんが激減しました。日本も先月からようやく定期接種化されました。

対象は平成28年4月1日以降のお子さんで、生後2か月に1回目、4週あけて生後3か月で2回目、1回目から20週あけて生後7~8か月ごろに3回目を接種します。注意点としては平成28年4月生まれのお子さんは生後11か月までに3回接種しなければなりません。もし3回目接種が1歳超えた場合、自費になりますが、3回目をしっかりと接種してください。効果は20年以上続くと言われています。お母さん以外の同居家族内にHBVキャリアがいる場合などで感染リスクが高い場合は早く免疫をつけるために生後2か月より前にB型肝炎ワクチンの接種を開始することが可能です。もし、そのようなご家庭がありましたらかかりつけ医にご相談下さい。
なお、お母さんがHBVキャリア(お子さんが母子感染予防の対象)の場合には、赤ちゃんのB型肝炎ワクチンの接種スケジュールは異なります。1回目を出生直後(12時間以内)に、抗HBsヒト免疫グロブリンと同時接種し、その1か月後に2回目、1回目から6か月後に3回目を接種します。

 

参考文献

B型肝炎ワクチンに関するファクトシート  国立感染症研究所(平成22年7月7日版)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqf.pdf

B型肝炎ワクチン作業チーム報告書
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rr1.pdf

VPDを知って、子どもを守ろう。http://www.know-vpd.jp/

ようやく夏が終わり過ごしやすくなってきました。夏休みが終わったことで、学校や園では運動会などの練習が行なわれている頃かと思います。この時期診療しているとお子さんの頭痛、腹痛などの不定愁訴での相談がみられます。かぜや胃腸炎が原因の場合もありますが、1週間以上続く症状があれば、運動会の練習による疲れで症状がでている場合があります。親は晴れの舞台を見ようと子どもに期待してしまいますが、中には練習に耐えきれずに体にまで症状がでて困っている子どもたちがいます。子どもに何らかの変調を感じた場合は時間を取りきちんと話を聞く姿勢が予防につながります。

昨年3月末に世界保健機関から日本が「排除状態」になったと認定を受け、麻疹の持続的な感染がなくなったと安堵していた矢先、今年8月から麻疹の患者数が増えてきました。国立感染症研究所によると9月13日、全国で今年に入り82人と関西国際空港・保育園(兵庫県尼崎市)での集団発生も報じられ、関西・関東にも広がっています。県内にも感染が広がってくるのは必至です。今月は麻疹についてお話します。

 

麻疹を知る

最近、麻疹の報道を耳にし、多くの方が不安を抱いていると思います。相手を知るつまり麻疹のことがわかると過剰な心配をしないで済みます。麻疹は麻疹ウイルスによって起こり、感染力は非常に強く、空気感染・飛沫感染・接触感染によってうつります。感染から約10日後に熱・せき・鼻水などの症状がでて、その後全身に発疹が出てきます。肺炎・中耳炎の合併症を伴うことも多く、1000人に1人が死亡する重い病気です。特効薬はなく、予防法は予防接種をすることです。日本産婦人科学会からは妊婦さんがかかると重症化しやすく流産・早産にもつながるため、感染者が多い場所への外出を控えるよう呼びかけています。診断はインフルエンザのような迅速でできる検査はなく、症状が熱・咳・鼻水といったかぜと同じような症状であるため、初期の診断は困難です。また麻疹ワクチンをしている人でもかかる可能性はあり、症状が軽くなる半面、診断はさらに難しくなります。

 

かからないようにするために

今年かかった82人の内訳では20~30歳代が6割、ワクチン接種していない方が多くいることがわかっています。麻疹ワクチンを接種していない人はすぐに接種していただきたいです。一番心配なのは体力もないまだ免疫もまったくない1歳前のお子さんです。1歳になったらすぐに接種をしてください。2期の対象である年長さんはまだ接種をしていない場合は早く接種をお願いします。保育園や幼稚園の先生方は園児さんの接種状況を確認して勧奨していただくと助かります。大人の方で麻疹にかかってなくワクチンもしていない人も接種をお勧めします。ご夫婦で自分の母子手帳をみて確認しましょう。接種回数は1回では免疫が不十分ですので2回接種がお勧めです。今後、状況によっては希望してもワクチンがなくなる恐れがありますので早めに医療機関に問い合わせて下さい。

 

SSPE(亜急性硬化性全脳炎)青空の会代表と患者さんらも厚生労働大臣へ訴え

先月初旬、東京で麻疹の怖さやワクチンによる予防の大切さを訴える集会が開かれ、先月号でお話しした「SSPE青空の会」代表の患者さんも含めた家族も参加し、厚生労働大臣にその要望書を手渡しました。この集会は医師が主催しましたが、麻疹にかかったSSPEの患者さんまでもが予防接種の啓蒙を訴えた姿に胸を打たれました。NHKや民放でもテレビで取り上げられていました。私自身はこの集会に参加できませんでしたが、医師と患者さんの両方で麻疹を含めた予防接種の必要性を伝えた非常にインパクトのある会だったと思います。

 

今月からB型肝炎ワクチンの定期接種開始!~今年4月・5月生まれのお子さんはご注意を~

特に平成28年4月生まれの方は接種間隔も決まっているため、10月に入ったらすぐに接種を始めないと3回接種が完了できなくなる恐れがありますので早めに接種しましょう。B型肝炎ワクチンについては来月号で改めてお話します。

 

参考文献

国立感染症研究所ホームページ

あけましておめでとうございます。ちびっこぷれすの連載も早10年が経ちました。今年も最新の子どもの医療情報についてお伝えできるよう努めていきたいと思っております。皆さんは今年どんな年にしたいですか?私は「健康」な一年にしたいと考えています。若い時はそんなに意識していなかったのですが、年々自分の健康について考えるようになったのがきっかけです。体とこころの両面が健康でなければ、仕事で患者さんにもよい対応ができません。健康を維持するための体力づくりとして数年前からランニングをしています。月に100kmを目標に健康を維持したいです。合わせてわがままな私を受け入れてくれる妻にも感謝しながら家族を大事にする良き1年にしたいと思います。

今月は診察時によく質問されるようになり、関心が高くなってきた「化血研の不正問題」について詳しくお話しします。先月、100ページ以上にも及ぶ第三者委員会の報告書が発表され、血液製剤の不正からワクチン、さらに人だけでなく動物用ワクチンまで化血研の製品に製造手順の不正が見つかりました。ここ数年で新しいワクチンが誕生し明るい話題が多かったのですが、今回のワクチン不正問題については残念だというよりも憤りを感じます。

 

不正の詳細

化学及血清療法研究所(化血研)は血液製剤やワクチンを製造している会社です。昨年6月に血液製剤で承認された製造方法と異なる製造をしていることがわかり、ワクチンにも不正が見つかりました。化血研のワクチンはインフルエンザ・4種混合・日本脳炎・B型肝炎・A型肝炎ワクチンを製造、国内でも大きなシェアがあり、今回の騒動でワクチン不足が全国的に起きています。

 第三者委員会の報告書によると、40年前から不正があり、国側の検査に備え、1995年からは虚偽の製造記録を作成するなどの隠蔽工作を重ねて、当時の製造部門の部長の指示のもと、組織的に進められていました。まず、2種類の製造記録を作成し実際の製造記録は明朝体で記録しました。一方、国の査察用はゴシック体にして区別していました。また、過去の製造記録を書き直す際には、筆跡の似た職員にサインをさせて古い書類に見せかけるため、紙を紫外線で焼くなど手の込んだ改ざんが行われていたそうです。記者が化血研の理事長になぜ不正を改善しなかったのかと問いただしたところ「改革をすると血液製剤の供給がストップするから」と述べていました。倫理観の欠如が甚だしく、おごりとしか言いようがありません。

 

4種混合ワクチンの安全性?

一番皆さんが不安なのは、化血研のワクチンの安全性だと思います。厚生労働省が精査したところ、4種混合ワクチンの製造方法に細かい所も含めて348か所の違いが見られました。製造過程に書かれていない抗凝固剤であるヘパリンナトリウムが添加されていたり、ワクチンの能力である力価を調べる方法が変更されていたなどの不備が見つかっています。4種混合ワクチンは他のメーカーと比較して化血研のワクチンだけに副反応が多いという結果はでていないこともあり、「品質および安全性などに重大な影響を及ぼす可能性は低い」という報告が出されています。1日でも早く「安全であること」を発表していただきたいと思います。今回の化血研の不正を知り、自分が医師としてできることは化血研のワクチンを使用しないことだと考えています。

東芝の不正会計処理、横浜市のマンションの傾きで明らかになった杭打ちデータ改ざん問題と偽装だらけでいやになりますが、偽装してもいつかは発覚し会社の存続に関わる大きな問題となります。膿を出し切り健全な会社に改めていただくことを期待します。40年前、3種混合ワクチンが一時中止したことで接種率が下がり、百日咳が流行してしまった苦い経験があります。予防接種をしないことで防げる病気にかかってしまうリスクがあることも考えていただき、今回の不正をきっかけに安易にワクチンをしないという考えにならないでほしいと願っています。

 

たばこ増税案

 2017年4月の消費税率10%への引き上げ時に軽減税率を導入するための代替財源をたばこ増税に一部充てる話がでています。禁煙の理由でたばこ代が高くなったからということをよく聞きます。先進国に比べてまだまだ安いと言われていますので、ぜひともこの機会に料金を引き上げて禁煙する人が多くなることを期待しています。

 

参考文献

第三者委員会報告書(化血研)

http://www.kaketsuken.or.jp/credibility00.html

 先月は猛暑日が続き、体調をくずした方も多かったのではないでしょうか。猛暑が続いていた夜、小児夜間救急の診察中、バスケットボールの練習していた小学生が数人次々に倒れ、受診に来ました。頭痛・吐き気の症状があり、熱中症と判断、幸い軽症で済みました。まだ9月に入っても暑い日があると思いますので、くれぐれも体調管理には気を付けてください。

今年も我が家の夏休みの恒例行事となった市川の花火大会に行ってきました。大小、様々な形の花火でハートやかえるの顔の形までみられ、本当に見事でした。今年は加えて、初めて第26回清里フィールドバレエを観てきました。芸術にあまり触れる機会がない私ですが、多くのバレリーナの演技に圧倒され、屋外に設置された幻想的な舞台を楽しみました。

今月も先月に引き続き、ワクチンの話をします。

 

ヒブワクチンで髄膜炎が激減!

 ヒブワクチン導入前、細菌性髄膜炎の原因菌は半分がヒブ(インフルエンザ菌b型)でした。国内10都道府県の調査では導入前全国で年間約600人いた髄膜炎が、導入3年後罹患率が半分に減少、2013年には減少率が98%とヒブによる髄膜炎がほとんどいなくなりました。ヒブワクチンの効果は非常に高いものがあります。

 

肺炎球菌ワクチンも効果大!

 肺炎球菌ワクチン導入前、細菌性髄膜炎の原因菌は約25%が肺炎球菌でした。導入前と比べると、ヒブワクチンまでの効果はありませんでしたが、導入後髄膜炎の減少率は70%と罹患率を大きく減らすことができました。肺炎球菌は血清型というタイプがいくつもあり、すべての型に対応できておらず、導入時は頻度の多い血清型の7種類、現在は13種類に増え、より効果的になっています。

 

子宮頸がんワクチン2年間ストップ

 2年前、子宮頸がんワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が接種後みられたことから、現在厚生労働省から「積極的にはお勧めしていない」という状態になっています。子宮頸がんは、乳がんに次いで若い女性に2番目に多くかかるがんで、今でも年間9,000人がかかり、2,700人が亡くなっています。早めに発見することが大切です。20歳になったら必ず2年に1度の子宮頸がん検診を受けてください。

 

日本脳炎ワクチン

 8年前、マウス脳による製法で作られた日本脳炎ワクチンが重症の急性散在性脳脊髄炎の健康被害と関係があったため、一時中止となりました。5年前から組織培養による製法で作られた日本脳炎ワクチンに改良されたおかげで、現在、重い副反応の報告はありません。一時中止となった期間が3年間あった影響もあり、平成7~18年度に生まれた方は接種が不十分になっています。日本脳炎という病気は今でもあり、蚊を介して感染します。後遺症を残したり亡くなることもあります。計4回接種をお勧めしています。

他のワクチンでは、生のポリオワクチンは副反応でまれにポリオを発症することが問題になっていましたが、3年前不活化ポリオワクチンに変更されました。現在は不活化ポリオワクチンを3種混合ワクチンに加えた4種混合ワクチンを使用しています。世界的には5種、6種ワクチンが登場しており、日本でも早く使えるとお子さんの負担軽減につながります。10年前と比べてワクチンの数が大幅に増え、その効果が大きく、病気が減り、重症化も防げています。

 

平和の尊さ

今年は戦後70周年の節目の年となりました。私の父は昭和10年生まれ、満州で生まれ、10歳で終戦を迎えました。父の母は戦時中病死、継母によって育てられたそうです。安保法案の審議を聞いていると説得力のある説明ができていないように感じます。戦争に行くのは子どもたちです。同じ過ちをしないためにもこの法案の推移には強く関心を持っていく必要があると考えています。70年前、多くの人が戦争で亡くなりました。多くの悲劇がありました。戦争をしていいことは一つもありません。多くの犠牲者の上に今の平和があります。平和を維持することが戦争を回避する一番の手段ではないでしょうか?残念ながら学校ではあまり現代史を教えてくれません。平和や戦争については親が子に伝える必要があると思います。

 

参考文献 

国立感染症研究所 感染症疫学センター

     厚生労働省ホームページ

5月には真夏のような日が続いたかと思うと、先月は長引く梅雨が続きました。連日の雨で洗濯物が乾かず、我が家も初めてコインランドリーにある乾燥機のお世話になりました。梅雨の季節にフワフワの洗濯物を手にして本当にありがたいと思いました。ようやく夏本番、熱中症に気をつけながら夏を乗り切りましょう。

先月、岩手県の中学2年生がいじめを苦にして自殺したとみられる問題に日本中が大きな悲しみに包まれました。学校関係者の対応については今後より詳細な経過が明らかにされると思いますが、大いに反省をすべきです。また、親としての気づきも大切ではないかと痛感しました。思春期になると親子の会話も少なくなるかもしれませんが、顔の表情や食欲など何らかのサインがあったときは親として積極的に関わるべきで、学校だけをパッシングして終わらしてはいけないと思いました。

今月は最近の予防接種の成果についてお話をしたいと思います。7年前のヒブワクチンに始まり、肺炎球菌ワクチン・不活化ポリオワクチン・ロタウイルスワクチンと新しいワクチンが次々に登場し、昨秋は水痘ワクチン、来年にはB型肝炎ワクチンが定期接種化されます。飛躍的に国内の予防医学におけるワクチンの環境がよくなっています。日本はワクチン後進国と言われていましたが、先進国にあと一歩まで近づいてきています。

 

麻疹排除を達成!

 強い感染力を持ち高熱や発疹など重い症状がでる麻疹(はしか)は、世界保健機関から日本が「排除状態」になったと認定を受けました。8年前はまだ日本で麻疹の流行があり、県内でも高校生を中心に流行がありました。麻疹の予防接種率が高まってきて、今回の排除で麻疹による持続的な感染は国内になくなりました。ただ、接種率が低下すると再び流行することがありますので、これからも接種率を高く保つことが大切です。1歳と年長の時期に2回の接種をお願いします。

 

水痘(水ぼうそう)にかかる人が減少!

 昨秋から水痘ワクチンの1~2歳児に対する定期接種化が始まり、医療機関での定点当たりの水痘にかかる発症数が例年の半分以下に減っています。接種したお子さんが今後さらに増えることにより、患者数が激減することが予想されます。水痘がまれな病気になる日もそう遠くはないでしょう。3歳以上(大人も含めて)で水痘にかかっていない場合は自費になりますが、2回接種をお勧めします。

 

ロタウイルスワクチンで点滴する人が激減!

 4年前、ロタウイルスワクチンが登場するまでは、ロタウイルスによる胃腸炎にかかると、重症化し点滴をしたり入院するケースが多く見られました。私自身、診療を長年していてロタが流行する冬は点滴処置をよく行なっていました。10年前の開業時は点滴を管理するための輸液ポンプが5台ありましたが、今は2台で十分です。ひと月に点滴を数人しか行なわなくなり、入院依頼をするお子さんも激減しました。

新潟県新発田市において、ロタウイルスワクチンの導入前2011年と導入後の昨年との比較で、重症化した患者数が約80%減少したという報告がありました。ロタウイルスワクチンにより胃腸炎で苦しむお子さんが大幅に減っています。ただ、副反応で腸重積のリスクが増加する可能性があると言われています。原因不明である腸重積は生後4か月から患者数が増えてくるため、腸重積になりづらい生後早期に接種を始めることが勧められています。まだ任意接種のため費用がかかりますが、お勧めしたいワクチンです。

ここ最近は製造工程で使用する細胞を変えたり、添加物を減らしたり、ワクチンの品質も向上し重い副反応の報告も減ってきています。ただ、副反応がまったくないワクチンはなく、接種した周りが赤くなったり、発熱がでることはあります。かかりつけ医とよく相談をし、お子さんのために前向きに接種をしていただけたら幸いです。

 

参考文献 

国立感染症研究所 感染症疫学センター

 

電気を考えよう3

 最近、家の屋根や遊休地に太陽光発電をみかけるようになってきました。山梨県は晴天率が高く、太陽光発電に向いています。遠方から運ばれる送電線の場合、最初に作られた電気の65%が失われてしまいます。電気を県内でまかなう「電気の地産地消」ができれば、県内で電気に関する仕事が増え雇用も生まれ、災害に強くもなります。山梨県は2050年に県内の電気を100%再生エネルギーにする計画を立てています。


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