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院長コラム

予防接種

5月には真夏のような日が続いたかと思うと、先月は長引く梅雨が続きました。連日の雨で洗濯物が乾かず、我が家も初めてコインランドリーにある乾燥機のお世話になりました。梅雨の季節にフワフワの洗濯物を手にして本当にありがたいと思いました。ようやく夏本番、熱中症に気をつけながら夏を乗り切りましょう。

先月、岩手県の中学2年生がいじめを苦にして自殺したとみられる問題に日本中が大きな悲しみに包まれました。学校関係者の対応については今後より詳細な経過が明らかにされると思いますが、大いに反省をすべきです。また、親としての気づきも大切ではないかと痛感しました。思春期になると親子の会話も少なくなるかもしれませんが、顔の表情や食欲など何らかのサインがあったときは親として積極的に関わるべきで、学校だけをパッシングして終わらしてはいけないと思いました。

今月は最近の予防接種の成果についてお話をしたいと思います。7年前のヒブワクチンに始まり、肺炎球菌ワクチン・不活化ポリオワクチン・ロタウイルスワクチンと新しいワクチンが次々に登場し、昨秋は水痘ワクチン、来年にはB型肝炎ワクチンが定期接種化されます。飛躍的に国内の予防医学におけるワクチンの環境がよくなっています。日本はワクチン後進国と言われていましたが、先進国にあと一歩まで近づいてきています。

 

麻疹排除を達成!

 強い感染力を持ち高熱や発疹など重い症状がでる麻疹(はしか)は、世界保健機関から日本が「排除状態」になったと認定を受けました。8年前はまだ日本で麻疹の流行があり、県内でも高校生を中心に流行がありました。麻疹の予防接種率が高まってきて、今回の排除で麻疹による持続的な感染は国内になくなりました。ただ、接種率が低下すると再び流行することがありますので、これからも接種率を高く保つことが大切です。1歳と年長の時期に2回の接種をお願いします。

 

水痘(水ぼうそう)にかかる人が減少!

 昨秋から水痘ワクチンの1~2歳児に対する定期接種化が始まり、医療機関での定点当たりの水痘にかかる発症数が例年の半分以下に減っています。接種したお子さんが今後さらに増えることにより、患者数が激減することが予想されます。水痘がまれな病気になる日もそう遠くはないでしょう。3歳以上(大人も含めて)で水痘にかかっていない場合は自費になりますが、2回接種をお勧めします。

 

ロタウイルスワクチンで点滴する人が激減!

 4年前、ロタウイルスワクチンが登場するまでは、ロタウイルスによる胃腸炎にかかると、重症化し点滴をしたり入院するケースが多く見られました。私自身、診療を長年していてロタが流行する冬は点滴処置をよく行なっていました。10年前の開業時は点滴を管理するための輸液ポンプが5台ありましたが、今は2台で十分です。ひと月に点滴を数人しか行なわなくなり、入院依頼をするお子さんも激減しました。

新潟県新発田市において、ロタウイルスワクチンの導入前2011年と導入後の昨年との比較で、重症化した患者数が約80%減少したという報告がありました。ロタウイルスワクチンにより胃腸炎で苦しむお子さんが大幅に減っています。ただ、副反応で腸重積のリスクが増加する可能性があると言われています。原因不明である腸重積は生後4か月から患者数が増えてくるため、腸重積になりづらい生後早期に接種を始めることが勧められています。まだ任意接種のため費用がかかりますが、お勧めしたいワクチンです。

ここ最近は製造工程で使用する細胞を変えたり、添加物を減らしたり、ワクチンの品質も向上し重い副反応の報告も減ってきています。ただ、副反応がまったくないワクチンはなく、接種した周りが赤くなったり、発熱がでることはあります。かかりつけ医とよく相談をし、お子さんのために前向きに接種をしていただけたら幸いです。

 

参考文献 

国立感染症研究所 感染症疫学センター

 

電気を考えよう3

 最近、家の屋根や遊休地に太陽光発電をみかけるようになってきました。山梨県は晴天率が高く、太陽光発電に向いています。遠方から運ばれる送電線の場合、最初に作られた電気の65%が失われてしまいます。電気を県内でまかなう「電気の地産地消」ができれば、県内で電気に関する仕事が増え雇用も生まれ、災害に強くもなります。山梨県は2050年に県内の電気を100%再生エネルギーにする計画を立てています。

一年で一番寒い2月がやってきましたね。この寒さを乗り切るために最近色々な温泉に下の子ども2人と共に行っています。山梨には温泉がたくさんあり、低価格でいろんなお風呂が楽しめる上リフレッシュできます。山梨のいい所の一つで私は温泉好きになりました。

昨年12月に水痘ワクチンの定期接種化が今秋から始めることが決まりました。本当にうれしい限りです。水痘ワクチンの定期接種が始まれば水痘にかかるお子さんが激減します。水痘で苦しむ子どもがいなくなる日が楽しみです。今月は「水痘」の病気について話をします。

 

水痘(水ぼうそう)にかかると

 水痘は「みずぼうそう」とも言われ、空気感染で強い感染力がある病気です。2週間の潜伏期を経て発症し熱がでることが多く、水疱を伴う発疹が全身に広がり、その後かさぶたになります。治るまでに1週間程度かかり、園や学校を休むことになります。治療法は特効薬であるアシクロビルを飲み、発疹に専用の軟膏を塗って対応します。

多くの場合は1週間もたてば後遺症もありませんが、中には脳炎・脳症、脳梗塞などの合併症を起こす場合があります。また移植などで免疫が低下しているお子さんがかかると重症化します。妊娠初期にかかると胎児に重篤な障害を残し、新生児がかかると重篤になる場合があります。毎年約100万人発症し、年間約4000人が入院、約20人が死亡しています。予防法は水痘ワクチンを接種することですが、任意接種であるため接種率は40%程度にとどまっています。

 

定期接種化すると水痘は激減する

20年前に水痘ワクチンの定期接種化が始まったアメリカでは、患者数が激減しました。日本も今秋、水痘ワクチンが定期接種化されると、接種率が上がり集団内に免疫を持つ人が多くなり、病気自体が流行しなくなる「集団免疫」の効果もみられると予想されるため患者数が大幅に減ります。水痘ワクチンの安全性については国内で25年、海外で15年以上に計1億人以上が接種をして、副反応が極めて低いことが実証されています。

経済的な効果も考慮され、2回接種にかかる費用と現在の水痘にかかった時の治療費と家族の看護の負担費用の合計を比べると定期接種とした方が経済的にも有利でした。

 

水痘ワクチンは2回接種

 水痘ワクチンは麻疹や風疹と同様に2回接種を勧めています。1回接種だけでは十分に抗体が上がらず、6~12%が水痘にかかることがわかっています。このため2回接種することで長期にわたって抗体を維持でき、患者数を減らすことが期待できます。接種後の有効な免疫が20年後まで持続することが確認されています。さらに水痘ワクチンを接種することで高齢者に多い帯状疱疹になりにくくなるという報告が最近されています。

 日本は諸外国と比べて定期接種としてできる予防接種がまだ少ない、いわゆるワクチンギャップがあり、まだまだ遅れていると言えます。数年前に比べるとこのワクチンギャプも解消されつつありますが、残り3ワクチン(B型肝炎、おたふくかぜ、ロタ)の定期接種化へみんなで声をあげていきましょう。さらに同時接種といって注射を何回ができるようになったのですが、1つの注射に1~2種類しか入っていないワクチンが多く、諸外国では1つの注射に3つ以上のワクチンが入っている混合ワクチンが使われています。接種を受ける子どもたちのためにも、この点も合わせて改善していただけるとうれしいです。

 

流行中のインフルエンザについて一言

 抗インフルエンザ薬の登場で以前より発熱期間が短く、早めに登校・登園することで感染をさらに広めてしまうことが問題となり、2年前から登校・登園の基準が「発症後5日を経過し、かつ解熱後3日(幼児)・2日(学童)を経過するまで」と見直しがされました。そのためかかると1週間程度の登校(園)停止となります。

2~3日熱が続き、4日目になり解熱して大丈夫かと思っていると5日目に再び熱が上がる場合があります。2峰性の発熱と言い、よく見られます。抗インフルエンザ薬のおかげで、症状が軽くなっている印象はありますが、油断は禁物です。

 

参考文献

水痘・帯状疱疹とそのワクチン 国立感染症研究所

http://www.nih.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/4043-tpc404-j.html

水痘ワクチンに関するファクトシート

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqx.pdf

猛暑続きの夏がようやく終わり、空気も澄んで秋らしく過ごしやすくなってきました。2020年オリンピック・パラリンピックが東京で開催が決まりました。あと7年後、皆さんはいくつになっていますか?今から楽しみですね。

 現在、定期接種化への候補とされるワクチンが3つあります。水痘・おたふくかぜ・B型肝炎ワクチンです。今月はその中でもあまり知られていない「B型肝炎ワクチン」についてお話します。

 

B型肝炎について

日本でのB型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。ウイルスが体に入ると肝炎が起こることもありますが、自覚症状がないことも多く、偶然行った血液検査で初めて感染に気付くこともあります。3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると約10%が慢性肝炎になると言われています。慢性肝炎になると将来、肝硬変や肝がんに進行することもあるため、低年齢での感染予防は重要です。また、B型肝炎ウイルスに感染すると急性肝炎から劇症肝炎を起こし死に至ることや、抗がん剤治療で免疫力が低下することで重症の肝炎が起きることもあります。
 B型肝炎ウイルスは数種類のタイプがあり、日本において流行していた遺伝子型Cは慢性化することが少ないタイプだったため、問題になっていませんでした。しかし、最近慢性化しやすい遺伝子型Aというタイプが広がってきたため、慢性肝炎→肝硬変→肝がんへと進行することが心配されています。

感染すると、キャリア化し将来の慢性肝炎→肝硬変→肝がんへの進行・長期にわたり新たな感染源になるという点で問題になります。

 

感染経路は血液や性交渉だけではない

B型肝炎ウイルスは、血液だけではなく、唾液や汗、涙などにも含まれています。母子感染だけではなく、乳児期に父などからの感染や大人になってからの性交渉からの感染(水平感染)も考えられ、さらに感染経路がわからない場合もあります。保育園や学校の部活動を通じての集団感染事例も報告されています。

 

すべての子にB型肝炎ワクチンを!

日本のB型肝炎対策は、1986年、キャリアの母親からの感染(垂直感染)予防から始まり、母子感染は減ってきました。しかし、予防スケジュールがしっかりと行われなかったり、水平感染もあることから、この対策だけではB型肝炎を制圧できない状態が現在も続いています。

B型肝炎は母子感染や水平感染だけではなく、気付かない間にかかることも多いので、WHO(世界保健機関)では、世界中の子どもたちに対して生まれたらすぐに国の定期接種として接種するように指示しています。WHO加盟国95%以上の国々ではWHOの指示通りに定期接種になっていて、B型肝炎の患者さんが激減しました。日本でも早く定期接種になることを願っています。

現在、B型肝炎ワクチンは任意接種で多くの医療機関で接種できますのでこれを機にぜひ接種していただきたいと思います。このワクチンはキャリア化を防ぎ、将来、肝がんから赤ちゃんの命を守る「がん予防ワクチン」です。生後2カ月から行うヒブ・肺炎球菌・ロタウイルスワクチンと同時接種ができます。赤ちゃんだけでなくても、幼児・学童のお子さんや身近にB型肝炎の患者さんがおられる場合などは大人でも接種をお勧めします。接種時期と回数は4週間隔で2回、さらに20~24週経ってから1回、合計3回となります。効果は20年以上続くと言われています。接種年齢は早いほど抗体上昇がよく、早い時期での接種をお勧めします。

 

赤ちゃんパワー

うちの1歳の子とバスや電車に乗り席に座っていると隣の人の多くがニコニコ微笑み声をかけてくれます。大人通しではありえないことですが、赤ちゃんには家族だけでなく、周囲の人までも和ませる力を持っています。高齢化社会で子どもが少なくなる時代に入って子どもが貴重な存在になります。今まで以上にもっと子どもたちを大切する社会になってもらいたいです。

 

参考文献

B型肝炎ワクチンに関するファクトシート  国立感染症研究所(平成22年7月7日版)

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqf.pdf

B型肝炎ワクチン作業チーム報告書

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000014wdd-att/2r98520000016rr1.pdf

VPDを知って、子どもを守ろう。http://www.know-vpd.jp/

明けましておめでとうございます。

読者の皆さんは今年の目標を立てましたか?

私は、仕事においては最新の医療を提供するために日々勉強しながら、誠心誠意子どもたちのために医療を提供すること。プライベートでは昨年から本格的に始めたランニングを続け、地区のマラソン大会に出場することで、お腹がでているのを少し改善すること・昨年第5子が生まれたこともあり子育てを楽しむことという目標を立てました。

今月は、読者から関心が非常に高い予防接種についてお話ししたいと思います。

 

4種混合ワクチンが品薄!

昨年11月から3種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンが合わさった4種混合ワクチンが始まりましたが、4種混合ワクチンが全国的に品薄状態にあります。4種混合ワクチンがない場合は入荷するまで待たずに、3種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンで接種をしてください。効果はどちらの場合も同じですのでご安心ください。このワクチンに入っている百日咳という病気は乳児にかかると重症化し命にかかわることもあります。接種は生後3カ月からできますので早めに接種をしてください。

 

ワクチンデビューは生後2か月のお誕生日!

予防接種は2カ月のお誕生日からスタートです。例えば12月20日生まれのお子さんは2月20日から予防接種ができることになります。ヒブ・肺炎球菌・ロタ・B型肝炎の4つのワクチンが対象になります。ヒブ・肺炎球菌ワクチンは公費助成対象になっており、県内では個人負担なしとなっています。全国的には9割の自治体が無料化となっていますが、都内においては2割の自治体しか無料化されていません。地域によって助成の差があります。         ロタ・B型肝炎ワクチンは助成対象でないため費用がかかりますが、これらもお勧めしたいワクチンです。大事なお子さんが病気にかからないようにすべてのワクチンを接種していただきたいと強く願っています。          また希望しても接種時期が遅いことから接種できないワクチンがあります。ロタウイルスワクチンは始める時期に期限があります。初回接種が生後14週6日までと期限があります。生後15週以降になると希望があってもできません。早めに接種をしてください。

初めてのお子さんの場合、わからないことが多く戸惑ってしまうと思います。毎日の子育てが忙しい中たいへんだとは思いますが、1ヵ月健診を終えたらかかりつけの小児科を探し、お子さんにあったスケジュールを相談しましょう。最近の予防接種は何種類もあり、接種回数も多くなっています。そのため同時接種をして早めに免疫をつけて病気から体を守ってください。

 

メディアの情報に振り回されないように

昨年10月、岐阜県で10歳の男児が日本脳炎ワクチン接種直後に亡くなったという情報がテレビ・新聞などのメディアを通じて伝わりました。私もNHKのニュースで大きく報じられたのを記憶しています。その後、厚生労働省から「接種行為が関係した可能性は不明だが、ワクチンとの関連は低い」という報告が発表されました。こういった報道があると心配になるのは当然のことですが、原因を分析して対応していかないと情報に振り回されます。情報氾濫の時代を生き抜くためには、かかりつけの小児科医にどう対応したらよいかを相談することがとても大切だと思います。

 

~ノロウイルスについて一言~

先月からノロウイルスによる胃腸炎が流行しています。「ノロ」にかかるとたいへん!だと思っていませんか?「ノロ」はノロウイルスのことで胃腸炎の原因のウイルスになります。胃腸炎は昔からある病気で、医療の進歩により原因のウイルスがわかり、簡易的な検査もできるようになったことからメディアでも大きく取り上げられるようになってきました。また胃腸炎と同じ病名で、感染性胃腸炎・ウイルス性胃腸炎・おなかのかぜ・吐きくだしなどと言ったりもしますがほぼ同じ病名と思ってください。「ノロ」という病気が新しく誕生したということでありません。

 

 

参考文献

日本脳炎の予防接種死亡例について(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002ndoo.html                     

VPDを知って、子どもを守ろう。http://www.know-vpd.jp/

日経メディカル2012年Winter

長い夏休みがやっと終わりました。通常通りの生活に戻ってきている頃でしょうか。我が家は家族で8月に毎年恒例の市川大門花火大会を見に行きました。年々進化している色鮮やかな、大小様々な花火の数々。観る人たちを本当に楽しませてくれます。

さて、数年前から予防接種時期や種類などが以前とずいぶん変わってきました。今月は予防接種についての最近情報をお伝えします。

 

生後2か月になったら予防接種をスタートしよう!

ここ数年で予防接種の種類が多くなったため、早めに接種を始めることをお勧めします。生後2ヶ月からスタートできるワクチンには「ヒブワクチン」「肺炎球菌ワクチン」「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」の4種類があります。これらのワクチンを同時接種で行なえば、早く免疫(=病気を守る)がつきワクチンで病気を防ぐ体が出来上がります。現在「ロタウイルスワクチン」「B型肝炎ワクチン」は費用がかかりますが、すべてのワクチンを接種し、大切なわが子が病気にかからない体にしてあげましょう。特に第一子の場合、全てに慣れないこともあり、家族皆が毎日慌ただしく過ごしていると思います。ママの体も回復しつつある1か月健診後、周囲の人やネットなどの情報を参考にかかりつけの小児科を探し始めてください。生後2か月になるまでに予防接種の予約をしておくことがお勧めです。

 

不活化ポリオワクチン、9月からスタート!

 生ポリオワクチンは100万人に1~2人の割合でワクチン由来の麻痺を起こすことがありました。そのため麻痺の心配がまったくない不活化ポリオワクチンが9月から公費接種できるようになりました。不活化ポリオワクチンは飲むワクチンではなく、注射のタイプになります。時期は生後3カ月から可能で、接種間隔は3種混合ワクチンと同様に3週以上の間隔をあけて初回接種3回後、12~18か月後に追加接種1回の計4回接種となります。9月から始まる不活化ポリオワクチンは以前から世界中で使用されていたワクチンであり、安全性に問題はないと考えてください。さらに現在の3種(DPT)混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを合わせた4種混合ワクチンが11月には始まる予定となっています。4種混合ワクチンができれば、接種回数が減ることになり利便性が向上します。さらにフォームの始まり昭和50~52年生まれのパパやママは子どもの頃に飲んだ生ポリオワクチンの効果が弱かったため、再接種をするように呼びかけています。お子さんと一緒に不活化ポリオワクチンを注射するのはいかがでしょうか?

 

ロタウイルスワクチンは2種類から選べる

 ロタウイルスワクチンが今まで「ロタリックス」のみだったのが、7月中旬からもう1種類、「ロタテック」が使用できるようになりました。ロタリックスは1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチンであるのに対して、ロタテックは5種類対応します。効果としてはロタリックスが1種類のみですが、似ているウイルスに対しても免疫を獲得する交差免疫によって他の種類のロタウイルスにも有効であることがわかっています。2つのワクチンを比較した正確なデーターはありませんが、2種類のワクチンとも同等の高い効果があります。接種回数はロタリックスが2回、ロタテックが3回です。接種費用はほぼ同じくらいです。どちらを接種するかはかかりつけの先生と相談をしてください。

 

風疹が流行

 今夏から都市部を中心に風疹が流行していています。妊娠初期の妊婦さんが感染すると、赤ちゃんに難聴や心疾患・白内障・発達の遅れなどの「先天性風疹症候群」になることがあり注意が必要です。妊娠中の検査で風疹の抗体が低いと言われた場合、出産後、生まれたお子さんと一緒に風疹ワクチンの接種をお勧めします。麻疹ワクチンを今までに1回しか接種していない場合、麻疹と風しんが2つ入った混合ワクチンをしていただきたいです。

 

参考文献

ポリオとポリオワクチンの基礎知識(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html

Know VPD VPDを知って子どもを守ろう!

http://www.know-vpd.jp/

風疹 発生動向調査(国立感染症研究所)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/700-idsc/2131-rubella-doko.html


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