• げんき夢こども園:055-268-5577
  • げんきキッズクリニック:055-268-5599ご予約はこちら
image

院長コラム

予防接種

入園・入学や進級に伴う変化が多い4月。その変化にやっと慣れてきたことかと思います。家族皆でG・Wにリフレッシュしてください。

さて、前の選挙でも焦点に挙げられた子ども手当の支給が6月から始まります。ようやく子どものことを考えてもらえるような政治になったと感じる一方で、お金のばらまきだけでなく、子育てしやすい環境整備にも目を向けて、将来の社会を支える子どもを大事にする社会を作っていただきたいと切望します。

今月は最近よく耳にするようになった「予防接種の同時接種」を中心にお話をします。

 

同時接種って何?

同時接種とは、同じ日に2種類以上の予防接種を接種することです。多くが2種類行われ、左右の腕に接種します。1度の来院で2回分の予防接種が済むという利点があります。同時に2回接種することに不安になる方もいると思いますが、すでにジフテリア・破傷風・百日咳(DPT)の3種混合ワクチンは3種類、麻しん風しん(MR)混合ワクチンは2種類を1度で接種して安全性も確立されています。アメリカにおいては生後2カ月にDPT(ジフテリア・破傷風・百日咳)、ヒブ(ヘモフィルスインフルエンザb型菌)、ポリオ、肺炎球菌、ロタウイルスの計7種類のワクチンを1度に接種しています。1度に7回接種するのではなく、5種の混合ワクチンと肺炎球菌とロタウイルスの単独ワクチンの3回同時接種を実施しています。アメリカだけでなく多くの国で同時接種が普通に行われています。当然、効果や副反応が気になりますが、同時接種の効果や副反応の発生率は単独接種と同じであると言われていますのでご安心ください。

 

同時接種が広まったきっかけは?

同時接種はこれまでも急な海外出張などの特別な理由でのみ行われてきました。しかし昨シーズンの新型インフルエンザ騒動から季節型と新型の2種類のワクチンを流行前に接種する必要性に迫られて同時接種が広まり、一般的になってきました。さらに、最近のヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの広がりにより、これまで以上に多くの予防接種をしなければならないことから同時接種が広がってきています。同時接種は「定期の予防接種の実施要領」(平成19年3月29日付健発第0329020号厚生労働省健康局長通知)に「二種類以上の予防接種を同時に同一対象者に対して行う同時接種は医師がとくに必要と認めた場合に行うことができること。」と認められていますので、かかりつけで相談されることをお勧めします。

最近、DPTとヒブワクチン、DPTと肺炎球菌ワクチンなどの形で2回同時接種が一般的になってきました。単独接種と比較しても効果や副反応に差がないため、受診回数が減って時間の節約になります。なお、同時接種した日から次の予防接種を行うまでの間隔は生ワクチンが4週間、不活化ワクチンが1週間あけることは今までと変わりありません。

 

ポリオワクチンの問題点

 先月、神戸市に住む9か月のお子さんがポリオを発症したという報道されました。ポリオという病気は小児まひと言われ、手足などに麻痺が生じます。自然感染はまったくありませんが、現在のポリオワクチンは生ワクチンのため、ワクチンを飲んだ人の便を介して、ワクチン由来のポリオに感染してしまうケースがあります。このようなケースが約600万回に1回起こると言われており、多くの国では不活化ワクチンに変わっています。不活化ワクチンに変えるとワクチン由来のポリオ発生がゼロになります。そのためポリオ患者会「ポリオの会」などを中心に厚生労働省に不活化への移行を訴えています。

今回ポリオの問題点を挙げましたが、他にも1回接種で済む5種、6種の混合ワクチンの開発、ロタウイルスワクチンの導入、ヒブワクチンをはじめ多くの任意のワクチンの定期接種化(公費負担)など、これらにはすべてお金がかかることです。限られた国の財源をどこにかけるべきかを皆さんで一緒に考えていただけたら幸いです。もっともっと子どもにお金をかける世の中になることを切に願っています。

楽しかった運動会が終わり、秋が深まってきました。最近、我が家ではUNOというカードゲームが流行っています。家族全員で勝ったり負けたり大騒ぎしながら楽しんでいます。  今月はお母さんと小学校高学年以上の女の子対象に、新聞などでも掲載され、まもなく接種が始まる「子宮頸がんのワクチン」についてお話します。「子宮頸がん」と聞いて、「高齢の病気?」と思っている方はいませんか。数年前、代理母で話題になったタレントの向井亜紀さんは妊娠途中で子宮頸がんとわかり、妊娠継続を断念し、子宮全摘出後に代理出産でお子さんを授った出来事は記憶に新しいことだと思います。

 

Q1.子宮頸がんはどんな病気ですか?

A.1子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんで、ヒトパピローマウイルスが原因です。

 子宮がんは子宮頸がんと子宮体がんに分けられ、子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんです。20~30歳代の増加が問題になっており、日本では毎年1万5000人が罹患し、約2500人が亡くなっています。原因は他のがんとはまったく違って、ヒトパピローマというウイルスの感染によって起こります。ヒトパピローマウイルスは性交渉により感染し、多くの女性が一生に一度はかかるありふれたウイルスです。多くは一過性で自然に排除されますが、一部が持続感染をして、数年から十数年かけてがん化すると言われています。なお、性感染症や性病ととらえる方がいますが誤りです。

 

Q2. 子宮頸がんを予防できるワクチンって何ですか?

A2. 年内中にワクチンが接種できるようになります。

子宮頸がんはがんの中で唯一ワクチン接種により予防できる病気です。原因がヒトパピローマウイルスですので、このウイルスにかからないようにするワクチンを接種することで病気を予防できることになります。ワクチンは年内にも接種ができるようになり、予防効果が7~8割、性交渉前の10歳過ぎの女子に3回接種を予定しています。接種できる診療科としては、産婦人科はもちろん内科・小児科などが挙げられています。かかりつけの医療機関にぜひ相談してみてください。ただし、費用は3回接種で約4万円と高額になっています。高額ではすべての方に接種は難しく、ヒブワクチンと同様に早く公費負担で接種していただきたいと強く願っています。治療にはお金をかけるが予防にお金をかけない日本は先進国に比べて非常にお粗末です。もっともっとみんなで大きな声を上げていきましょう。

 

Q3. どうすればかからないで済みますか?

A3. ワクチン接種と定期的な検診が大事です。

がんが進行していると、出産が困難になる子宮全摘出になりますが、早めに発見できれば子宮頸部のみの切除だけの治療で妊娠も可能になります。病気の初めでは症状がまったくなく、病気が進行してきてはじめて自覚症状がでてくるので、7~8割の予防効果のあるワクチン接種とともに継続的な検診が重要になってきます。2006年の子宮がん検診は米国で82.6%・フランス74.9%に対し、日本は23.7%と非常に低い受診率です。初期ではほとんど自覚症状がないので、検診が大事であることがわかります。これからはじまるワクチンは100%発症を阻止できるのではないので、ワクチンをしてさらに定期的な検診がかかせません。検診は面倒だから恥ずかしいからと敬遠せず、ご自身の体のためにそして家族のためにも検診を受けましょう。

 

シリーズ~新型インフルエンザ2~

インフルエンザは冬に流行しますのでこれからが本番になってきます。冷静な対応が一番ですので落ち着いて行動してください。母乳で育てているお母さんがインフルエンザにかかり特効薬であるリレンザやタミフルを服用しても、母乳をやめる必要はありません。母乳は赤ちゃんを病気から守る免疫がたくさん入っているのでしっかりと飲ませてください。また、リレンザやタミフルの血中濃度はとても低く、赤ちゃんの腸管からの吸収もわずかのため、母乳を通しての赤ちゃんの影響はほどんとないと言われています。新型インフルエンザワクチンは11月から妊婦さん、ぜんそくなどの基礎疾患のある方から順次始まります。例年になく、希望者も多いと思われます。予防接種の予約はお早めに。


Warning: Undefined variable $additional_loop in /home/genkikodomo/genkikids-clinic.com/public_html/wp/wp-content/themes/original/taxonomy.php on line 60

Warning: Attempt to read property "max_num_pages" on null in /home/genkikodomo/genkikids-clinic.com/public_html/wp/wp-content/themes/original/taxonomy.php on line 60
ページトップ